2024年7月1日
2.<紹介します・私の友人>ー
その27 北原 領さん
1年前の夏、高台の眺めのいいマンションからこの根津のロフトのような小さな部屋に引っ越しました。その決め手になったのは、ベランダでした。なんと、住まいのスペースとほぼ同じ広さの庭がー それも 緑が茂っている?庭がついていたのです。
これは いつ?誰が? 何のために?作成したものなのか? ――単純に考えても、、5年や10年でできたものとは思えませんでした。おそらく このビルを建てた初めから、存在していた? あるいは造られたものだろう、!?と。
この部屋を借りるという事は、この庭を引き受けることになるー、契約書には「時々、ベランダを 掃除してください」とあるのみ。
――おそらく、ここが私の終の棲家になるだろう!! という予感がしています。それならば、覚悟を決めて 「“私の庭”にしたい」と思いました。ボランティアで 北原さんに出会ったのも、まさに 運命の出会いですね。そして ここから彼の孤軍奮闘が始まったのです。 (平井 記)
|
|
北原 領さん |
~もくじ~
<きっかけは・・>
<まず、手始めに>
<今回、力をいれたこと>
<苦労したこと>
<今、そして これからも>
私はお庭を作るのが大好きです。それも、友人・知人・家族といった家主がお客さんと一緒に過ごす時間を楽しめる空間がとっても好きです。
だから、私に依頼してくれた人が、友達に自慢できるお庭をつくりたいといつも考えてます。
<きっかけは・・>
平井さんとの関わり合いは 「引っ越して間もないバルコニーを整理整頓してほしい」というお話をいただいたことから始まりました。
前の住人がどんな意図で植物や藤棚などを設えたのかわからない状態だったので一体どうしたものか、と 平井さんは途方に暮れていました。
提案した内容にこだわらず柔軟にプランを変更してよいというリクエストもありました。ご友人から譲っていただいたプランターなども使ってほしいとも。
<まず、手始めに>
はて、一体どうしたものか、、、と、頭を悩ませたのですが、まずはボロボロになってた藤棚と雑然とした植物やプランターの配置整理から手を付けよう!と思いました。
ボロボロの藤棚は支柱も竹格子も腐ってたのですぐに解体しました。ずいぶんとしっかり組み立てられていたからか、てこずりましたが、作り手が良い仕事をしてるからこその苦労だったのだろうと思います。
新しく作ったパーゴラは葡萄やクレマチスの蔦が映えるようにシンプルな形で、洗濯物を干せる機能も付けました。屋上の明るい広々バルコニーですから平井さんにはたっぷり外干ししてもらいます(笑)
植物は平井さんが引っ越した当初からたくさんありました。大きくて立派なたくさんのプランターと一番大きなシマトネリコが目を惹きます。しばらくお手入れが施されてなかったためか高さ2mほどの針葉樹は枯れていたり、窓辺のクレマチスは上階のバルコニーまで モサモサっと育って荒れた状態でした。
今ではずいぶんとすっきり整理されて、見た目の涼しさが際立ってます。緑に包まれる心地良さを針葉樹の代わりに新しく植えたビルベリーが演出したり、窓辺から見えるクレマチスの花が平井さんの朝の目覚めを楽しませています。丁寧な仕事をして良かったと思える瞬間です。クレマチスの整理は正直ちょっと大変でした。ほんとすごかった。。。
<今回、力をいれたこと>
バルコニーの出入り口はすっごく雑然としていたので庭づくりの基本である土台整理から始めようと思い立ち、白いウッドデッキをつくったら見違えるように様変わりしました。人の出入りが多い場所は目線が特に集まる場所なので庭造りの基本から取り組んでみました。
今回の工事では特に力を入れた場所です。おかげさまで庭全体の整理整頓が取り組みやすくなりました。扱いに困っていた大きいプランターの整理がしやすくなったり、新しく植えたビルベリーが活き活きと見え、屋内からの眺めに緑が映えて見えるなどといった効果は多いです。
平井さんがお仕事中に一息つくための大事な場所のひとつですが、一息といわずお友達と一緒に長い息を吸ってもらいたいです!
第1期の工事を終えたこの3月のころにはパーゴラ・フェンス・ウッドデッキ・植物で平井さんの新しい生活を潤すための土台が整ったように感じました。最寄りのお花屋さんで購入した草花を楽しむ余韻があります。ご友人から譲っていただいたプランターなどが活きています。
<苦労したこと>
この庭仕事をとおして一番苦労したことは?と問われると、全部大変でした。なにせ、始めて一人で引き受けた仕事ですから全部一人でやらなければいけません。
ただ、平井さんがお話をする機会をたくさん設けてくださったので完成のイメージを作り易かったです。とても助かりました。
バルコニーは以前お住まいになっていた方の趣味で集めた植物がたくさんありました。それも和風のものだったり熱帯植物だったりと統一された意図はありません。
それでも今あるものの魅力を最大限に引き出しつつ、平井さんのキャラクターを意識して導き出したデザインのキーワードはプチラグジュアリーでした。
これも 平井さんとたくさん話し合えたゆえの一つの結論だったと思います。ありがとうございます。
え?プチラグジュアリーの意味ですか? 平井さんを体現する言葉だと思っています^ ^ 一言付け加えるなら上品で知的な人柄にぴったしな感じだと思います。
(これって、褒めすぎでしょう!? 恥ずかしいデス・平井)
<今、そして これからも>
私にとって生きものを扱って空間をデザインするために始めに意識するのは、植物が活き活きと生きる姿を映す土台づくりです。つまり、植物が根を張る足元であり人が歩く地面をデザインすることから考えます。
既存の状態を活かすリニューアルは少々手間取りましたが、まずは初めの一歩ということでご覧いただけたら幸いです。
都会ではなかなか味わうことのできない広い空を背景に青々とした植物の葉とクレマチス・バラ・レンギョウ・ジンチョウゲ・その他様々な花が目を惹きます。
四季折々の姿を備える新しい平井邸へ ぜひお越しください。外からは 想像のできない 素敵な空間が 皆様を心よりお出迎え致します。
<< メニューへ戻る
|