 

2025年11月1日
2.別れの季節 ― さ・よ・な・ら
ヴィラロイヤル 文京西片
<秋の別れ>
別れと言えば、春だろうか?あるいは年の瀬・年末あたりが、なんとなくふさわしいような気もする。
今年の秋の始まり、9月に大きな<別れ>を体験した。
私が45年も暮らした文京区・西片の地を後にして、ここ根津に引っ越したのが2年前の夏だった。――― それにも拘らず、そのときよりもこの9月の方が別れの感覚が強い。
その理由は、西片に住んだ私の最後の10年間、お世話になった管理人夫妻が引っ越したから。もともとこのマンションは今どき珍しく住み込みの管理人さん夫妻がいた。そして、なぜかそれぞれの管理人さん夫妻に、私は可愛がっていただき大変お世話になった。45年も住んでいたから、理事長はじめほとんどすべてのマンション自治管理組合の役職を経験した。
その時々の管理人さん夫妻も、みなさんとても細やかな方々で一人で働き続けてきた私にやさしい目配り気配りをしてくださった。
<最後の住み込み管理人さん夫妻>
そして、時が流れ もはや<住み込み・管理人>という形態そのものが時代に合わなくなってきたという。文京区西片の高台にあるマンションの管理人・最後のI夫妻は、ご主人が私と同世代で寡黙な方。奥さんのS子さんはいつも明るい表情で目をくりくりさせながら話しかけてきた。確か3年くらい前からかな? このS子さんと同じマンションの住民である他の女性2人と私の4人で 思い立ってZoomを始めた。
月1回、ご近所のたわいのないお話を中心に、最近はテーマを決めて実施してきた。傑作なテーマ<わたしが長―く使ってきたもの、愛着のあるモノ>では S子さんが「ダンナかな」と言ったのには、一同大笑い。羨ましいーとシングルの私は心から思った。
私が引っ越した2年前、そして今回S子さんがマンションを去った機会に「このZoomも終わりか」と覚悟した。
ところが、なんと S子さんから「もし、みなさんさえよかったら、私はこのZoomを続けたいんです、ぜひお願いします!!」という申し出があった。彼女の率直さに、わたしは驚かされたのだった。
「引っ越して、今度の住まいのWi-Fi状況がまだ掴めないので落ち着いたら 必ずご連絡しますね」と言って、彼女はさわやかに別れを告げて引っ越していった。

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Zoomの仲間・Mさんと管理人Iさん夫妻 |
<坂道を 歩きながら、、、>
また、きっと近いうちに連絡があるだろう。そしてまた新しい交流が生まれていくだろう。
もう、20年あまり通い続けている<かかりつけ医>に2か月に1回行く。その時に、今もこのマンションの前を通る。
そして、この坂の上のマンションでのたくさんの<出会いと別れ>を思い出す。それは甘酸っぱく、そしてほろ苦い。

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3枚目は Google Maps のスクリーンショットを使用しています © Google Inc. |
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