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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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1998年3月

その1 部下が辞めると言ったら

登場人物は、A子さん(女性30歳)B君(男性26歳)C子さん(26歳)の3人、
この3人に共通していることは 「最近 会社を辞めたこと」です。
 
<まず、A子さんの場合>
彼女は短大を卒業して、日本のトップメーカーに就職。所属部門で、もはやなくてはならない存在として業務をやってきました。事務業務のベテランというだけでなく、採用から教育まで新人と接することも多いので、大卒の新人男性からも「仕事のできる女性」として一目おかれ、女性の後輩からもアコガレの先輩として見られていた存在です。ただ、私から言うと、ちょっと「純粋培養のお嬢さん」というイメージがあって、「そんなに張り詰めた顔をしないで肩の力をぬいてもっとヘラヘラしていたら魅力的なのになあ」と密かに思っていました。

そのA子さんと最後に会った時、―寿退職が決まり、後任の後輩を紹介された時、こんな風に言われました。

「先生、本当に私頭にキました。私なりに一生懸命仕事をしてきたのに…。もちろん人事にいましたから、年度の途中で辞めることがいかに迷惑をかけることかも分かっていたんですけど、結婚する相手の転勤が急遽決定したので、決心して上司に言ったんです。

『私、会社を辞めることになりました』って…。そしたら、何と言われたと思います?

『アッソ、全然問題ないよ。今、会社もスリム化をはかっている時だから。』

こうですよ。私すっごくショックでした。やっぱり、ウソでも『残念だね』の一言くらいほしかったです。甘い、と言われるかもしれませんが。一体私は何のためにがんばってきたのだろう、って本当に悲しくなりました。それで、どうしても気持ちが納まらないから社内メールで親しい女性社員へガンガン書いてしまいました」
 
< 次に B君のこと> 実は彼は私の甥です。

彼は新卒で会社に就職してハヤ2年。「自分のやりたいことは これではない」と思いたった時から、私があきれる程(実は感心するほど)新聞を見て転職活動をしていました。

そして、いよいよ希望の会社に中途採用が決定。『辞めます!』と申し出たのです、働いていた会社に。

転職後、彼はこう言いました。

「僕、こんなに会社を辞めるのが大変とはおもわなかったなあ。本人が辞める、と言っているのに どうして引き留めようとするんでしょうね?実は、まず係長に話したんです。そうしたら『オレの一存では決められないから課長と話してくれ』となったんですが、その後、同じ言葉を課長に言われまして、部長、局長、人事課長、人事部長と 次々と面接を行い、とうとう社長とまで会ったんですよ。しかも、皆同じ事を聞くんですよ。『何が不満だったのか?』って。だから『イイエ、不満はありません、もっと僕自身がやりたいことがあるんです』と答えたんです。そうしたら、『そうか、わかった。でも強いて挙げてくれ!何がいけなかったんだ?』と言うので、『そうですね。あえて言うとしたら、前の所属部門では指導してもらえたが、移動した部門ではイキナリほうりこまれた感じでとまどったことです』って言っておいたんですよね。」

そうしたら、これが次の上司との面接時に『君、指導が不十分だったから辞めたいんだって?』となるんですよ。何だか無理に社内の中での原因を捜して、誰かに責任をとらせたいような感じだったな。今の会社に不満があるんじゃない、もっと自分にやりたいことを見つけた!ではなぜいけないんでしょうね?最初は、次から次へと 上の人に会わなければならなかったのは、引き留めためかと思ったんですが、どうも違っていて、僕が思うに、どの人も自分が退職願いを受理したという責任をとるのを 避けたかったからじゃないかなぁ、と思ってしまいました」
 
<最後のC子さんのこと> 彼女はB君のガールフレンドです

C子さんは、某有名企業の事務職、1浪したB君より1年早く社会に出て、福利厚生施設もよく、休みも取り易い会社のOLとして優雅に働いていた。でもB君の「自分のやりたいことをみつける生き方」に刺激をうけて、「私も…」と転職活動を行なっていた。

その後…。

「僕オバサンに話したかな?C子さん転職活動してたんですけど、転職が決まったんですよ。そこで、課長に言ったら『そう?じゃあ、部長に話しておくから』で終わったんだそうです。ヒドイって怒っていました。さすがに部長は『君の希望の部署に移動させてあげられなくて残念だった』と言ってくれたそうですけど…」
 
さて、どうでした?どんな感想を持ちましたか?
そこでお聞きします。あなたの部下や後輩が「辞める」と言ったら、あなたは?


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