平井ゆき子事務所


トップページ

プロフィール

現在の活動

ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー


トップページのバックナンバー


メール mailはこちらまで
yukikoh@gol.com

Copyright (C) 2006
Hirai Yukiko. All Rights Reserved.

ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
green_line
1999年2月

その2 私がホレタ!2人の男

私の仕事の最大の喜びは、人との出会いです。 まして、研修・講演という短い時間での出会いですから 、 まさに”一期一会”ですね。


■第一の男

その人は50歳くらいの関東の とある県の県立高校の校長先生です。 私は、県立高校を卒業して就職する生徒の為に 「働くということ」という話を60分でやりました。 その校長先生が、私の前に「校長挨拶」、いわば前座をやってくれました。 その時の話の内容・話し方・態度が本当に愛情ぶかいんですネ。

「君たちは、これから社会に出て行くわけだが、本当にいい選択をしたね。 それぞれ就職をする理由はあるだろうけど、 どうか胸を張って堂々と世の中に出ていってほしい。」

正直いって、一割くらいの生徒はワイワイガヤガヤで 私にとってはいつもの大人を対象にした時と勝手が違います。 つい、「話を聞きたくない人は出て行きなさい!」とやってしまいました。 その後10分位はシーンとなって聞いてくれます。
講演が終わると大抵の校長先生は 「いやぁ生徒がちゃんと話を聞かなくて申し訳ありません」とおっしゃるのですが、 この先生は決して、こういう言葉を言いません。「どうもありがとうございました。 平井先生がハッキリ注意してくれたので、ウチの生徒もピリッとしてましたネ。」

決して、自分の学校の生徒の悪口を言わない。 当たり前のことなのですが「自分の生徒を信頼している」 という気持ちが真っ直ぐに伝わってきて、 とても私自身、心洗われる思いがしました。



■第二の男

その人は30代半ばの男性、NTTで故障受付の仕事を担当しています。 私の研修の受講生で3日間の研修の間、特に目立った発言はしないのですが、 とても印象的な人でした。

実は昨年の夏に、待望のISDNを導入し、 パソコンでインターネットを見るときバツグンに速くなりました。 「ところが、なぜか電話に雑音が入り、それをNTTに問い合わせても 満足のいく回答が得られずに改善されない」ということを研修の中で話しました。 さすが、みんな仕事のプロ!と感心する程、自社のサービスに関わることですので、 真剣に耳を傾けて聞いています。とりわけ、彼は私から目をそらさず、 一言も聞きもらすまいとしていました。研修終了後、彼からのアドバイスです。

「先生、まだ僕達にもよくわからない不具合が起きるんです。はっきり回答できなくて、 本当に申し訳ないです。僕も職場に帰って調べてみますが、 先生も遠慮しないで何度でもNTTに問い合わせして下さい。 それで僕達も勉強になりますから」彼のアドバイスに従い、 しつこく私の地域のNTTにクレームを言いました。さらに、 彼からEメールがきました。「先輩からの受け売りでスミマセンが…」 というメッセージを添えて。

たぶん、彼にとって聞き流してはいられない事柄だったのでしょう。 それにしても彼の率直な態度と熱意には、打たれるものがありました。 こういう、熱い社員ひとり一人によって組織は支えられているんですね。




<< メニューへ戻る