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ブルア・ダービー 「ウィッチズ」 ティーカップと受け皿 (1825-40年頃)
Bloor Derby "Witches" TeaCup and Saucer Ca.1825-40

    

 ロバート・ブルアは1811年と1815年にダービーの新旧工場を手中に収めたが、その際に負った自らの多額の負債を返済するために、人気製品の大量生産という手法をとった。多数の未熟練工を雇用し、「ジャパン」図柄の製品(ダービー「D4-2」参照。)を市場に大量に送り出したのである。その結果、ブルア個人の財政は好転したが、粗雑な絵付製品の流通は、ダービー社の評価を決定的に低下させた。
 この「ウィッチズ」という図柄は、そうした「ジャパン」図柄の代表作であり、ある意味では悪名高い図柄とも言えるわけであるが、とにかく人気は高く、ダービー後期を代表する作品であることも確かである。本品は、この時期の標準的な水準の作品である。18世紀のダービー製品が備えていた気品は、残念ながら、もはや感じられない。(スポード「S7」参照。)
 なお、この人気図柄が、ダービー閉窯後にどのように受け継がれたかは、2つの参考作品(ダービー「D5-5a」及びダービー「D5-5b」)を参照していただきたい。
マーク:裏面に赤色プリントで「王冠とD」(写真右上)
Mark: <Crown over D> printed in red on the bottom