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ダービー 「いるか」のクリーム差し (1770-80年頃)
Derby Dolphin Ewer Ca.1770-80

 ヘルメット型とも呼ばれる、銀器を模した形状のクリーム差し。注ぎ口の下に二頭のいるかが交差する形で浮彫りにされていることから、一般に「いるか」のクリーム差しと呼ばれる。三種類の大きさで作られたとされているが、本品は小さめのコーヒーカップほどの大きさしかない。1760年代後半から70年代にかけて人気のあった形状で、ダービー以外にも、ウースターやロウストフトなどに作例がある。スクロール型の取っ手がダービー製品の特徴である。ダービーでは1780年代に入ってからも製造が継続されたようだが、本品は裏面にNと刻み込まれており、70年代の作品だと思われる。図柄は大陸風の花絵であるが、あまり丁寧には描かれていない。(ダービー「D3-11」ダービー「D2-12」及びロウストフト「LT1」参照。)
マーク:裏面に彫った「N」と小さな穴
Mark:incised <N> & a small hole on the bottom
高さ:7.8p(取っ手最上部まで)
Height:7.8p(3 1/16 inches) to the top of the handle