ロントンホール 葉模様の波型皿 (1755年頃)
Longton Hall Scalloped Leaf-moulded Plate C.1755
波型の縁を持つ三枚の葉が少しずつ重なりあって、全体として一枚の葉の形となっている皿である。葉を模した作品は多くの初期英国磁器窯で作られているが、ロントンホール窯は特に葉型の作品への執着が強く、多くのバリエーションが存在する(ロントンホール(LH1)、(LH4)及び(LH5)を参照)。本作品は、葉脈が描かれたり、緑で色づけられたりといった直接的な表現ではないものの、葉が薄く重なった部分と、ちょうど隙間になっている部分とが微妙な立体感を出しており、デフォルメされた葉の形ともあわさって、面白い意匠となっている。また、葉の下部に付けられた小枝がねじれたような形の取っ手もアクセントになっている。
表面に描かれている花絵は、ロントンホール中期を代表する"Trembly Rose Painter"のスタイルによるものである(ロントンホール(LH7)、(LH8)及び(LH10)を参照)。この絵付け師(名前は判明していない)は、バラの花びらに「ひだ」が入るのが特徴で、数多くの作品を残している。
裏面の縁に一か所、製造過程での傷を隠すために緑の葉が描きこまれている。また、高台内には焼成時の瑕疵である膨らみがいくつか見られる。(実は、表面にも一か所同様の膨らみがあるのだが、上絵でうまくごまかしている。どこだか分かるだろうか?)
長さ: 23.3cm (取っ手を含む)
Length: 23.3cm (9 3/16 in) including the handle
マーク: なし
Mark: None
(2009年6月掲載)