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浅野琢也の雑記帳26 2013年08月01日〜09月30日

あさのたくやのざっきちょう TakuyaAsano Web 平成25年


2013年09月30日

『誰が為に鐘は鳴る』(1943年)サム・ウッド監督作品を観た。
スペインの内乱をテーマにしたアーネスト・ヘミングウェイの
小説が原作だ。
映画の初めに走っている汽車を爆破する場面が後で恋をする
マリアが捕らえられて乗せられていたが爆破で脱出できたと
いう話の伏線になるが教会の鐘のアップと汽車の爆破で映画に
引き込まれる。雪が降ると積もるような山にロバート・ジョーダン
というアメリカの大学でスペイン語を教えている男が反ファシスト軍の
作戦に協力するために橋を爆破するために使うダイナマイトを背負って
現れる。反ファシスト軍は、ゲリラ戦をしている。山の洞穴に隠れて
相手の様子を監視している。そのゲリラ部隊で軍事的な要所である
橋を爆破する任務を遂行するためゲリラ部隊を作戦に参加するように
説得する。ロバート・ジョーダンに対して部隊のリーダーのパブロが
教授にはヒゲがあるがロバート・ジョーダンにヒゲが無いなどと
からむ。ロバート・ジョーダンの服のコーディネイトはインディー
ジョーンズの元になったと言える程に似ている。橋を爆破するまでの
登場人物の会話の場面が長い。リーダーのパブロは、ワインで酔っ払い
周囲の仲間に迷惑をかける。ピラーという逞しい女性がリーダーになる。
ピラーは自分を年取って醜いというが逞しくて潔くてカッコいい。
映画の中間にパブロとピラーが街を市民と共に占領してファシストの
町長を公開で処刑すした過去に活躍した回想場面が入る。ヌンチャク
みたい穀物を叩いて軟らかくする農具で市民がメッタ打ちにして橋から
放り投げて川岸の地面の上に落として殺すという方法だった。
パブロは元闘牛士で勇敢な男だったが酔って「殺した人間を生き返らせたい。
憎いヤツでも」というように変わった。パブロが洞窟で2人に嫉妬して絡んで
マリアに酔っ払って「テーブルを拭け」「俺の靴紐をほどけ」と殴られる
場面があった。負傷したら治療しないで仲間を撃ち殺して苦痛を終わら
せる状態だ。
まず橋を爆破するために敵の戦力を調べるために文字を書けない者に
敵の馬やトラックや戦車の絵を描き印を付けて数を把握する表を作って
監視させたり銃をバンザイみたいに持って上下させる回数で敵の人数を
知らせる合図にしたりする。敵の斥候が馬で来たときに雪に足跡が残り
殺した場所や隠れている場所が判り戦闘になるのを回避するためにパブロ
が馬で足跡をつけるために遠くに行く。しかし敵に包囲されて戦闘になる。
複葉機が三機で爆撃して別の地点の仲間が死んでしまう。その時にパブロ
が機関銃を回収してロバート・ジョーダン達の所に仲間の戦死を知らせに
戻る。パブロが橋を爆破するための起爆装置を酔って臆病風に吹かれて
燃やしてしまっている。そのため手りゅう弾のピンをワイヤーで抜いて
起爆させる。橋の爆破は成功する。馬で逃走する途中でロバートは、足を
折って馬に乗れなくなる。マリアとアメリカに行く約束をしていたが
2人は一緒だとマリアを説き伏せて自分は、マリアの為と言いながら
機関銃で敵を食い止めるために残る。ラストのセリフが私が何十年も前に
観た映画なので記憶違いで複雑になっていた。鐘は人が死んだ時に鳴らす
方の意味なのだと思った。誰のために意味のある死にかたをするかという
自己犠牲の意味を考えらせる作品だった。



2013年09月27日

『武器よさらば』(1957年)チャールズ・ヴィダー監督作品を観た。
レマゲン鉄橋とミッドナイト・イン・パリを観たら急に思い出した。
アーネスト・ヘミングウェイの小説だ。ドイツ軍の攻撃で病院に
神父と入院患者を残して師団命令で撤退する場面が気になった。
抱いていた赤ん坊を落としても抱いていると思い込んだまま死んでいく
母親の姿は悲惨だ。怪我人や死体が多すぎてアレッサンドロ医師の
心は壊れてしまう。
医薬品を積んだ車の車輪が外れアレッサンドロ・リナルディ少佐
(軍医)とフレデリック・ヘンリー中尉の2人が、ぬかるみの道を
歩く。アレッサンドロ・リナルディ少佐は沢山の手術で疲労して
熱があり患者を置き去りにさせられショックで精神に異常をきたした
状態で「わしらは、みんなクズだ」「祖国の役に立てずに降伏して!
ドイツ軍に踏みにじられればいい」と歩きながら叫ぶと憲兵にスパイ
容疑で逮捕される。いきなり軍事裁判になり本名や階級も知らせず
検事に銃殺の判決を言われる。側にいたフレデリック・ヘンリー中尉は、
状況を伝えようとするが何も言えない。そして相棒みたいなアレッサ
ンドロ・リナルディ少佐は、フレデリック・ヘンリー中尉の弁明を聞き入れ
られず目の前で処刑される。フレデリック・ヘンリー中尉もイタリア人
でないと疑惑の目を向ける。フレデリック・ヘンリー中尉は身の危険を
感じて逃げ出し脱走兵になってしまう。戦闘状態になると敵と味方の
区別すら混乱して付かない悲惨な状態だ。その後でフレデリック・ヘンリー
中尉と看護婦キャサリン・バークレイはボートでスイスへと逃亡する。
妊娠していたキャサリンと子供を出産で同時に失いフレデリックは1人で
立ち去る。といった内容だった。尼僧物語のオードリーのラストの雰囲気
を少し感じた。
別のヘミング・ウェイ原作の映画「誰がために鐘は鳴る」 のラストは、
重傷で動けない状態で機関銃にしがみついて仲間を逃がすために死ぬ
覚悟をするときのセリフがよく思い出せないが「国家の為とか名誉とか
自由とか大義になる言葉を並べて苦悩する。そして「マリア(逃がす
仲間の中にいる)の為」と言いながら固定式の機関銃を撃つという部分
だけ覚えている。



2013年09月25日

『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)ウディ・アレン監督作品を観た。
ハリウッドで脚本家として成功しているギル・ペンダーは、婚約者の
イネスとイネスの両親がパリの企業とのビジネス提携の用事に同行する。
ギルは、結婚したらパリに住み小説家として生きたいと真剣に考えて
いる。しかしイネスは、パリは観光で住むのはアメリカだと譲らない。
ギルは、小説の完成度を上げるために深夜のパリの街を歩きまわる。
そしてホテルへの道に迷い建物の階段に座り込む。すると深夜12時の鐘
と同時に1920年代のクラッシックカーが通りかかり乗れという。
ギルは、その車に乗り込むとギルが憧れている1920年代にタイムトラベルする。
そしてジャン・コクトーのパーティーに誘われ歴史上の人物達と交流する。
そこで、コール・ポーター夫妻と別の場所で飲むために移動するとアーネスト・
ヘミングウェイと出会う。そこで自分の小説を読んでほしいと言うとライバル
だから下手だと読む気にならない。上手いと嫉妬するみたいことを言われる。
そしてガートルード・スタインを紹介してくれる。そして朝には自分のホテル
に戻っている。その夜にイネスを誘うが12時になる前に「疲れた」と1人帰る。
ギルが小説を持って1人で待っていると12時の鐘が鳴り古いプジョーにヘミング
ウェイが乗っていた。ギルは同乗してガートルード・スタインの家に案内される。
先客にパブロ・ピカソと愛人のアドリアナがアドリアナの肖像画絵について
スタインと会話している。ギルはアドリアナに恋をしてしまう。小説をスタインに
預けて2010年に戻りセーヌ河沿いの古本屋でアドリアナの本を発見して買う。
本にはギルとの出会いとピアスを貰ったエピソードが書かれている。ギルは本に
書かれていたようにピアスをアドリアナにプレゼントするため用意する。
そして1920年に深夜に車に乗り込む。サルバドール・ダリに
ルイス・ブニュエルとマン・レイの3人と知り合う。ギルはブニュエルに
まだ作られていない『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』のアイデアのヒントを話す。
そしてギルとアドリアナの前に19世紀の馬車が現れて乗り込むとアドリアナの憧れて
いるベル・エポック時代にタイムトラベルする。ポール・ゴーギャンやエドガー・ドガ
に出会いアドリアナとの会話が弾む。アドリアナのギャルソンヌスタイルを斬新だと
バレエの衣裳デザインをしてほしいという話になるが通りすがりなので無理だと断る。
ギルは、黄金期だと考えるのは人によって異なる事に気が付き過去では抗生物質が発明
されていない為に病気になったら治療できない状態を夢で見たのを思い出す。
ギルは2010年に戻りイネスと別れて現代のパリに残る決意をする。そして橋の上で
帰宅途中のアンティークショップの女性と新たな恋を始めるべく歩きだす。
雨が降りはじめて2人はパリの雨は美しいという。パリの橋の上はヴィヴィアン・リーの
『哀愁』を思い出させる。古い本にタイムスリップした自分の事が記録されている話は、
アニメのワンピース第139話 虹色の霧伝説!ルルカ島の老人ヘンゾにロビンが50年前に
起こった事が書かれたロビンの本にルフィー達の冒険が記録されているのを見つける場面が
あったのを思い出した。



2013年09月24日

『レマゲン鉄橋』(1969年)ジョン・ギラーミン監督作品を観た。
戦争映画の定石というべき困難な任務を命令されるストーリーだ。
最初に赤十字の印を付けた汽車が鉄橋に向かって走っている場面と
ライン河を挟んで移動する連合軍の戦車とドイツ軍の砲撃戦ではじまる。
ドイツの敗戦が確実となりベルリンに避難する唯一の退路となった
レマゲン鉄橋を爆破して連合軍の進路を絶てという命令をうけた
クリューガー少佐は、「7万5千人のドイツ兵の撤退を許さず闘わ
せろ。」と命令されるが傷病兵や避難民が鉄橋を渡るまで爆破の
時間を遅らせようとする。その為にアメリカ軍と戦闘になる。
フォン・ブロック大将も書面には、出来ないが同意して協力する
予定だった。しかし援軍として派遣される中隊は来ない。
ハートマン中尉が塔から双眼鏡で鉄橋の様子を見ていると車から
ドイツ軍のクリューガー少佐が降りて双眼鏡で周囲を見る。2人は
双眼鏡ごしに互いを見る。鉄橋で砲撃戦や銃撃戦になる。ドイツ軍は
鉄橋を爆破する為に爆弾を仕掛ける。その導火線をアメリカ軍が
切断して爆破を阻止して進入路を確保しようとする。導火線を切られた
ドイツ軍は強制的に照明弾みたい銃で点火して爆発させる。
しかし鉄橋は殆ど壊れない。レマゲン鉄橋のドイツ兵は
27人で傷病兵ばかりになる。クリューガー少佐はフォン・
ブロック大将の所に援軍を要求に行くがフォン・ブロック大将は
解任されクリューガー少佐はスグにレマゲン鉄橋を爆破しなかった
事で逮捕され銃殺されてしまう。
進軍の途中に白旗の出ている議員の屋敷から少年がマシンガンで発砲する場面と
トンネルから白旗を出して降伏するドイツのレマゲン鉄橋守備隊の老司令官が
捕虜になった後で少年に話かけられて答える場面の緊張感を感じさせていた。
レマゲン鉄橋守備隊のドイツ兵がトンネルから出てきて白旗を出す。
そして全員アメリカ軍の捕虜になる。女・子供・傷病兵ばかりで戦える状態でない。
その捕虜の列にいた小学生ぐらいの少年がドイツ軍の指揮官に「先生・どうなるの
ですか?」と不安そうに話しかける。アメリカ兵は白旗の屋敷の事もあり何を話したか
聞くとドイツ軍の指揮官が「私はレマゲン学校の校長だったんです」子供には「心配ない」と
答えましたという場面が印象的で何十年も記憶に残っている。
クリューガー少佐が鉄橋で落として失くした金色のシガレットを入れいていた
ポケットに手を乗せて落とした事に気づく。すると画面はレマゲン鉄橋を
占領してシガレットケースを拾ったアメリカ兵のアンジェロ軍曹が仲間に、
そのシガレットケースからタバコを1本与える。それを見ていた捕虜になった
ドイツの指揮官が、「失礼ですが、どうしたのですか?」とアンジェロ軍曹に
訊ねる。アンジェロ軍曹は「友達のだ」と答える。場面はクリューガー少佐が
処刑される直前に戻る。シガレットケースを落としたので処刑人からタバコを
貰い吸っている。その時に飛行機の音がする。飛行機は写されていない。
一瞬、緊張がはしる。「敵か? 」「敵ってどっちだ。」と言い空を見る。
その会話の後でクリューガー少佐が銃殺されてラストになる。
アメリカ映画だが連合軍イコール正義という視点ではなく自国民を助けようと
するドイツのクリューガー少佐とシガレットケースを拾ったアメリカ兵の
アンジェロ軍曹という戦死したドイツ兵の死体から金になりそうな時計や
装飾品などの貴金属や現金を剥ぎ取って「皆、戦争で儲けているんだ。俺は稼ぐぜ」
というキャラクターを登場させる事で戦争は奇麗事で済まない状態だという事が
上手く練り込んであり深みを出している作品だった。(ジョン・ギラーミン監督は
キングコングやタワーリング・インフェルノで有名だ。)



2013年09月20日

『藁の盾』(2013年)三池崇史監督作品を観た。ニトログリセンを搭載した
タンクローリーが高速道路を逆走して沢山のパトカーを破壊して護送車の
近くで爆破スイッチを入れて自爆する場面は、スゴイ迫力だった。
原作では、犯人の清丸国秀の母親が自殺して10億の賞金を解除して移送
して警視庁の前で引き渡す所で周囲が安心している所で最初の被害者「西野
めぐみ」の祖父が清丸国秀を殺害して金に関係なく怨みを果たすラストだった
が映画では、西野めぐみの父親が新幹線を降りて歩いている所に車で通りかかり
怨みを晴らそうとして失敗する。
銘苅一基警部補と白岩篤子巡査部長の2人が清丸国秀の人質になったと情報が
流れてタクシーで移動して車から降りた時に銘苅一基警部補の携帯に蜷川隆興
から電話が入り会話で注意が反れた時に清丸国秀が地面に落ちていた鎖で白岩篤子
巡査部長の後頭部を後ろから殴り倒れた所で拳銃を奪い撃ち殺してしまう。
理由は、おばさん臭いからというだけの理由だ。シングルマザーの白岩篤子巡査
部長の小学生の少年の映像が映る。銘苅一基警部補が1人で清丸国秀をタクシー
を運転して移送する場面は省略され警視庁の前での引き渡し場面になる。
沢山の警察官や機動隊員がいてパトカーや装甲車も並んで桜田門全体がスゴい人だかり
になっている。そこに蜷川隆興が黒塗りの車で黒服のボディーガードを従えて現れる。
そして蜷川隆興は警視庁の前で仕込み杖を抜いて清丸国秀を殺そうとするが失敗しする。
蜷川隆興は、その場で殺人教唆で逮捕される。清丸国秀が、蜷川隆興が道路に落とした
仕込み杖を拾って、大勢の警察官見ている前で銘苅一基警部補を刺す。銘苅一基警部補は、
すぐに救急車で搬送される。清丸国秀は、映画のラストでは裁判の死刑宣告の時に
「後悔しています。もっとやっておけば良かった。」と言う。
迫力あるシーンを除けば『さまよう刃』(2009年)益子昌一監督作品に近い感じがしたが
犯人の清丸国秀が悪の教典みたいに共感能力を欠いた人物みたいに感じたのは、母親が
釧路で自殺した事を知り泣いた後での移送途中で白岩篤子巡査部長を殺して動悸が
「おばさん臭い」という理由だった。しかも最後に、大勢の前で銘苅一基
警部補を刺して死刑判決を受けても、「もっとやっておけば良かった」というラストだ。
その為にクズのレベルを超えて精神異常かも知れないと感じさせる終わり方だった。
悪の教典の場合は犯人役の幼少期からの生い立ちが盛り込まれていたが『藁の盾』では
この描写が無く人物設定は物足りない感じになっていた。前に書いたがタンクローリーが
体当たりしてパトカーが何台も壊される迫力はスゴかった。廃車にする予定のパトカーを
提供してもらい撮影したのかCGやVFXの技術なのか解らないが印象的だった。
警視正がヘリコプターで途中に現れる場面があったので福岡から東京への移送をヘリコプター
にする方法もあったのではないかという気がした。(民間航空での移送はが断られる描写は
あった)航空隊のヘリコプターでもパイロットが10億円ほしさに裏切るリスクもあるが大勢で
威圧的で大規模な警備を行うより効率やコスト面を考えると方法の1つに出来るかも知れない。
ただし原作に無い計画(設定)なので映画のストーリーに加えて裏切り者が出たというエピソードを
加える必要があるだろうから原作と脚本の違いが増えてしまうので難しそうだ。



2013年09月18日

『パシフィック・リム』(2013年)ギレルモ・デル・トロ監督作品を観た。
太平洋のグアム沖にある海溝から巨大な怪獣が出現した。何日間も攻撃を
続けて倒したが血液が酸性で海水を汚染してしまった。しかも定期的に
海底のワームホールを通って送り込まれてくる。そのため怪獣出現時間を
タイマーで予測している。異世界からの攻撃に世界は資源を出し合いイェーガー
という巨大ロボットで怪獣を倒すようになる。そして怪獣の死骸から同じDNA
を持ったクローンだと気づく。イェーガーの操縦は負担が大きいので2人で同じ
意識を共有して同じ動作で操縦しなければならない。そのため「ドリフト」と
いう技術で脳神経を接続して操縦する。操縦方法がロボットの中でアイアン・スカイ
の女大統領のウォーキングマシンみたい動作をする。しかしイェーガーで怪獣を
倒す事が無理になり国連はイェーガー計画を中止してしまう。そして「命の壁」を
海沿いに作って怪獣の攻撃を防ごうとする。司令官は解任されイェーガーのパイロット
ローリー・ベケットは壁の建設作業員となり日々の糧を得る生活が何年も続く。
作業員の仕事を求めて大勢が集まる中で良い知らせと悪い知らせのどっちから聞きたい?
と聞いて悪い知らせからと誰かが言うと「壁の工事で3人死んだ」「新しく3人補充する」
みたいセリフが印象的だった。ストーリーが進むと壁は簡単に怪獣に壊される。
ペントコスト司令官が工事現場に現れて、「どうせ死ぬんなら壁の上とイェーガーの中と
どっちがいい」と公の後ろ盾の無い怪獣と闘うレジスタンスとして復帰するようにに誘う。
ローリーは数年前の戦闘で兄を殺されてドリフトしてイェーガーを操縦する相手がいない。
候補者を探すために棒術で適正な人材を探す。森マコという日本人の女性が適正だが
司令官がOKしない。怪獣が現れてOKするがドリフトの時に怪獣に襲われた記憶で
イェーガーが暴走しそうになる。敵が何者なのか手がかりを掴むために怪獣の脳と
ドリフトをニュートン・ガイズラーが試みる。しかし怪獣の脳が不完全で詳しい事まで
解らなかった。地球上に恐竜がいた時代に侵略を計画したが大気汚染が続きオゾン層に穴が
開き海洋汚染した現在が生存に適しているという事まで判った。宇宙戦艦ヤマトでガミラスが
地球の環境を自分達の生存環境に変えるみたい設定に近い。スーパーロボット大戦のラスボス
が巨大な耕耘機みたいロボットで人類の文明を破壊して地表を耕してしまう巨大ロボットだと
いう設定のものがあったみたいだ。怪獣オタクの研究者ニュートン・ガイズラーは、もっと
詳しく調べるために怪獣の死体を加工して闇取り引きして利益を出している相手から怪獣の脳を
入手するため香港の繁華街で紋章の入ったカードを使って取り引き相手のハンニバル・チャウと
会う事ができる。基地では怪獣の出現周期が短くなっているのでワームホールの中で核爆発させて
消滅させる作戦を立てる。その時に2度目の怪獣の脳とドリフトした研究者がゲートにDNAを
チエックして通過させる機能があると知らせてくる。そして怪獣と共にワームホールのゲートを
通過する。殆ど助からないような作戦だけどペントコスト司令官が被爆で死ぬことを覚悟して
イェーガーを操縦して作戦を成功させる。ラストの方でチェーンソードを使ったりタンカーらしき
船をバットみたいに持って怪獣をボコボコにしたり戦いのバリエーションもあった。
エルボーからロケットエンジンが噴出してパンチ力を上げたり頭を胴体にドッキングさせて
乗り込んだりするのはホジンガーZや戦隊物の特撮の合体ロボみたいノリだ。
日本の特撮の怪獣をベースに沢山のアニメを研究して作られた内容で楽しめた。
怪獣やロボットもデカイがクローンを進化させる相手の科学力を想像するとスゴすぎる。
脊椎動物のクローンを送り込んでくる。電気ウナギみたいに電磁波攻撃したり羽が生えて
大気圏までイェーガーを持ち上げて上昇したりスゴい。中盤の赤いストラップシューズと
ラストの怪獣ブロカーの金色の金属が甲冑みたいになった靴の演出も面白い。
イェーガーと怪獣が都市部で戦いビルにメリ込み机の上に置かれたカチカチボール(衝突球・
バランスボール・ニュートンのゆりかご)が衝撃で振り子みたいに動く場面も演出が上手い。
イェーガーを輸送するのに沢山のヘリコプターを使っていたが、ロボットが巨大なのでムリが
ありそうな気がした。最初の時に空母に倒した怪獣を滑走路に乗せて運ぶ場面がありスケール
感が解りやすかっただけに浮力の関係で何か良い移動手段も登場させられればという気もした。
飛行船だとアイアンスカイみたいなのでオリジナルの飛行ユニットとかがあれば良かった。
食堂で大勢が座っている所でイェーガーのパートナーと2人でトレーにコンバットレーション
を乗せて立って目を合わせるシーンなど凝っている。司令官は最初のイェーガーのパイロット
で被爆して鼻血が出ると薬を飲む状態だ。2人は任務を終えて脱出ポッドで海面に生還する。
怪獣が妊娠していて胎児に飲み込まれたブローカーも生きていた。ペントコスト司令官の後任の
司令官が2人を出迎える。未知の相手との戦いは続きそうだ。
ストーリーはシンプルだが辻褄が合い解りやすい。動力の原子力の事を深く考えないで3Dの
アトラクション的な娯楽映画として割り切って観ると良い作品だ。砂の惑星デューンみたいに
運輸と通信を支配するボスキャラとは闘わず巨大な虫を手なづけて終わった感じに近い感じが
したが、とりあえず地球の危機が救われて終わりだった。一般的な日本人以上に特撮やアニメを
研究して「着ぐるみ」でなくハリウッドのVFX技術で作ったみたいで見ごたえがあった。



2013年09月16日

『僕の村は戦場だった』(1962年)アンドレイ・タルコフスキー監督を観た。
第二次世界大戦の時にソビエトで母親と暮らしていたイワンという12歳
の少年がドイツ軍の情報を調べて川を泳いでソ連軍の陣地に戻って来る。
そして司令部の51番に電話するように言う。最初は子供なので相手に
それない。何とか電話連絡させてポケットから木の葉や木の実を出して
紙に鉛筆で升目に番号を書いて封筒に入れて渡す。この場面で冒頭の平和な
日常と戦争に巻き込まれて両親を失い孤児になり敵のドイツへの復讐心から
軍隊の斥候として協力している。何だかスパイ映画みたい感じで引き込まれる。
あらすじは、正確に書かれているので印象に残ったのは蓄音機を修理してレコード
が鳴るシーンやイワンが鐘を鳴らしナイフを持ちドイツ兵に見立てた壁にかけられた
服に何か怒りをぶつける場面などがあった。後は敵の陣地がある対岸
に小船で渡る時に墜落したドイツの飛行機が移りこんでいる場面。イワンを
残して捕まって殺されプラカードを身体に付けられた2人の斥候の死体の回収。
イワンが眠っている時に見る平和だった時代の日常生活の夢と戦場との対比。
これがハリウッドの娯楽映画や日本の少年探偵物と違いラストなら活躍して
ハッピーエンドの活劇になりそうだ。しかしドイツ軍に捕らえられて処刑された
事が記載された写真付きのファイルがベルリンで発見される。このファイルに
張られた相手を睨みつけている目と表情は印象的だ。処刑されても失う物が無い
状態のイワンには恐れすら無いようだ。戦場で塹壕から出てタバコを吸って頭を
撃たれて死んでいた兵士などだ。間に女性の軍医との恋心も入れている。
イワン少年は、愛国軍(パルチザン)に入ったが子供なので施設に入れられ逃げ
出して戦場に戻って来て斥候を自ら志願する。最初は施設や幼年学校に入れようと
するが斥候として優秀なので頼ってしまう。その為に大人達は戦争が終わったら
養子にして育てようとしているが殺されていたという事だった。
処刑された場所の映像と、その時の会話が流れ処刑シーンを見せない手法で
イメージさせる。少年のセリフに「ドイツに作家はいない、本を焼いていたから」
というものがあり大人の行動を良く見ていると感じた。邦題どおりだと思い込むと
村が戦場になって逃げる子供の映画だと思い込んでしまいがちだが1962年の
ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞受賞を受賞した作品だけに深い
内容だった。ハリウッドではカラーが主流になった時代だが白黒だった。



2013年09月15日

『歌え!ドミニク』(1966年)ヘンリー・コスター 監督作品を観た。
ラ・スール・スーリールがモデルになっているがフィクションとして
観るのが良い映画だ。オフ・ブロードウェイで『ザ・シンギング・ナンの
悲劇的で恐ろしい生涯』や映画『シスタースマイル ドミニクの歌』は
現実でパッピーエンドでは無い。架空の物語としてハッピーエンドを
楽しむと同時にリテラシーにもなる。
映画のオープニングは白い修道服に水色のスクーターに乗ってギターを
背負って走るアニメーションではじまった。そして本編に移ると白い
スクーター(注意して見ると微妙に青味がかってはいる)に乗ってギターを
荷台に付けて走っている場面につながる。
白の修道服のスソが地面に接触しそうになったり腰に巻いたロザリオが
現在のジーパンなどに付ける ウォレットチェーンみたい感じにも見える。
船の船長に汽笛で挨拶されて脇見して馬車を避けて転ぶがケガはしないで済む。
ゲンツまで残り17キロを走り改装か補修している修道院に赴任する。シスター・
アンの夢はアフリカで布教活動することらしい。尼僧物語みたい動機かも
知れない。そのため、まずはベルギーの繁華街で布教活動をする。
その修道院は教区の子供を預かり保育所らしき事をやっている。
他の子供は母親が迎えにくるがドミニク少年だけ年の離れた姉が最後に向かえ
に来る。母親がおらず父親は酒飲みで姉は酔客相手のウェイトレスだ。
神父は、元は大工だったらしく教区の信徒の棚を作ったりしてペンキや
クギやフックを手に入れ修道院を改装している。歌にも理解がありシスター・
アンの歌を同じ修道会の配布用レコードの吹き込みを、するためレコード会社に
行く。レコード会社に行くとシスター・アンは音楽大学で同級生で現在は
レコード会社の重役と再会する。神父とも顔なじみだ。それからアルバム(LP)
を作る話になり司教も賛成してレコードは世界的にヒットする。そしてニューョーク
のテレビ番組に出演してほしいとアメリカからベルギーの修道院に交渉にくる。
ある日、姉は仕事でドミニクを夜の仕事場に連れていく。そこに靴の修理に
使う古タイヤを持ったシスター・アン達が通りかかる。子供に良くないと話す。
それから姉がアンを頼って修道院に来る。ドミニクの父親が刑務所に入れられて
しまったらしい。そのためドミニク少年を修道院で預かる事にする。
シスター・アンは子供達とハーメルンの笛吹き男ゴッコをして遊んでいた。
ドミニクに笛吹き男役にして打ち合わせの為に目を離すと修道院のドアから道に出て
車に轢かれてしまう。折れたラッパが事故の怖さを感じさせる。
打ち合わせでシスター・アンの修道院にテレビ局が来てアメリカの番組が世界中に放送
される。テレビを見ている世界各国のお茶の間を映すことで放送エリアを表現して
いる。事故にあったドミニク少年は意識不明だったが意識が戻り足のギブスも一週間で
外せるらしい。父親も心を入れかえて実家で働くようだ。ドミニク少年の家族は田舎の
祖母の家に戻る事になる。父親がリヤカーに家財道具とギブスをしたドミニクを乗せて
引っ張って行くようだ。シスター・アンは自分の父親の形見で自分の分身であるギターを
ドミニク少年の姉に餞別にプレゼントする。そしてベルギーの修道院から移動して
移動先は不明という事になる。そしてアフリカに行ったシスター・アンから手紙が届く。
アメリカのテレビ局から貰ったジープでアフリカの大地を走り診療所を作り子供に
ワクチンの予防接種をしている。エンディングはアフリカの民族音楽が流れて終わる。
シスター・アンはレコードを吹き込む時にメガネをかけたので大学を卒業している
事は判るが年齢は解らない。まさかと思うが老眼かも知れない。
DVD化されておらず『シスタースマイル ドミニクの歌』を観るかぎり今後DVD化
は難しいみたいだ。当時はミュージカルと言われたが現在の感覚では音楽映画
みたいだった。



2013年09月13日

『秘密結社鷹の爪 鷹の爪GO〜美しきエリエール消臭プラス〜』
(2013年)FROGMAN 監督作品を観た。最初にプロダクトプレイスメント
による制作費の獲得で作品のクォーリティーが上がる。金のかかる
絵やVFXなどの技術を使うとバジエットゲージシステムが下がる
などの説明があった。
この手法は、テレビのアニメ版ではなく劇場版で採用された方式なので
知っている人には、お馴染みだが初めて観るの人も意識している。
ハカセがデラックスファイターの下請けで作った飛行ユニットを
付けてデラックスファイターが操作方法の説明も聞かずに天井に穴
を空けて飛び出して森に不時着して遭難しムササビにアセロラを
食べさせてもらいラストで活躍する伏線になる。博士が金払いが
いいんだよ!というセリフは笑える。機械生命体が地球に惑星を
救う救世主として鷹の爪総統・小泉鈍一郎を探し当てる。耳が尖って
いて靴下に穴が開いていて正規雇用されていない。「死にかけアゴ太郎」
というあだ名であるなどの条件に一致する。そして鷹の爪一行はゴゴゴ星に行く。
しかしゴゴゴ星で本当に救世主か疑問なのでネマール人と戦う前に
モンスターハンターに出て来る怪鳥イャンクックを倒して実力を認めて
もらう戦いに行く。戦闘主任の吉田君がゲームのプロデューサーを召還
して倒してもらう。戦闘中もゲームの宣伝をしっかりしている。
ネマール人は、鷹の爪の総統が文明の進んだ星が自爆した時にカプセルで
脱出した王族の子供だと明かす。なんかスーパーマンやドラゴンボールの
サイヤ人みたいノリだ。古くは「十戒」の最初の場面みたい感じだ。
とにかく奇想天外だけど整合性が取れていて笑わせてくれるし感動もさせて
くれる映画だった。なんだかチャップリンの映画を観た後の余韻を毎回感じる
アニメだ。オキテマス・スマイルの造形は古墳ギャルのコフィーや「大魔神怒る」
みたいティストだった。ラストでネマールジャイアントを博士が土星(サターン)
を使った巨大ロボで破壊してネマール人が自爆する時にデラックスファイターと
脱出できるのは1人だ。戦闘主任の吉田君は爆発に巻き込まれてしまう。
その時のセリフが良かった。6話となる特典DVDは10分のオマケだった。
ネマール人に捕まりアンモニアビームを吸収して助かるアイテムがエリエール
消臭プラスという臭いを吸収する芯の入ったトイレットペーパーで辻褄が合って
いた。どこでも島根というアプリが活躍していた。



2013年09月11日

『ガラスの仮面ですが THE MOVIE 女スパイの恋! 紫のバラは危険な香り!?』
(2013年)谷東監督作品を観た。最初に「ガラスの仮面」の解説がありフラッシュ
アニメのパロディー化について面白く説明してくれる。本編では、北島マヤと桜小路
がヌカイッリー(スカイツリーらしきタワー)でデートしているとマヤが立ったまま
爆睡してしまう。そこに巨大なピンクのウサギが宇宙から落ちて来てタワーを破壊する。
そこに源蔵がヘリコプターで現れて眠っているマヤだけ救出する。月影千草の和風の
屋敷に付くと姫川あゆみと大都芸能の速水がいる。そこに桜小路が怪我をしながら
マヤの匂いを頼りに現れる。そして犯人のダーク・ムーンだとニュースが入る。
写真は月影千草になっており何者かに誘拐されたらしい。源蔵さんが月影先生と私は
女優と世界の秩序を守るダークヒーローだと打ち明ける。マヤはまだ寝ている。
マヤの能力を発揮させるために全員で、スパイの演技をして月影先生を救出する事が
紅天女の後継者試験だと説明する。宇宙から人口衛星タイプのUFOキャッチャーから
ウサギが地球に向けて落とされる。姫川あゆみと北島マヤは、スパイとして世界中を
飛び回る。大都芸能の資金力で大規模な舞台を用意したとマヤは思い込んでいる。
資金があるなら宮崎駿にアニメ化を頼まないのかというネタが入っている。
地球の危機だけど、そのころ小野寺監督は愛犬の散歩をしていた。とか愛犬に芸を
仕込んでいたというネタも入っていた。クマのロゴマークの入った船に月影千草は
捕らえられていて救出されるが敵が人工衛星で地球を破壊するスイッチを入れる。
月影先生が開発していた紅天女の巨大ロボットでマヤとあゆみは宇宙空間で人工衛星
と戦い敵の変形UFOキャッチャーロボと戦い地球を危機から救うが地球に戻れなく
なってしまう。地球との交信も出来ない。このままでは宇宙空間で2人とも紅天女に
なってしまう。と思ったらマヤがクシャミをして頭を、ぶつけた拍子に自動帰還シーケンス
のスイッチが入り無事に帰還して終わる。船の戦闘シーンの時に電気消して真っ黒な画面
で戦闘の効果音だけにして戦闘後に電気を付けて敵に勝った絵にすると楽だとか解説が
入る。地球に帰還したマヤは又、ヌカイツリーで眠っている場面になり夢オチかと思わせて
マヤが目ざめると実は東京タワーで破壊されたヌカイツリーが見えて本当に地球を救った
というラストも良かった。
フラッシュアニメは動体視力を極度に使わないで良いので体力や目の負担が少ない
ように見終わって感じた。与えられた画材や筆で面白くストーリーを伝える最善の努力と
「納期守ればBBQ(バーベキューパーティーの略らしい)」と張り紙がしてあり
楽しめた。巨大ロボットはガンダムっぽい感じでカッコ良かった。
地球が滅亡すると紅天女を観てくれる人がいなくなるというもモチベーションも
この流れだと納得してしまう。シンプルな作りの名作のパロディーはTVアニメ
「DD北斗の拳」も面白かった。『鷹の爪GO〜美しきエリエール消臭プラス〜』
がもうじき劇場公開だ。



2013年09月10日

『アイアンマン3』(2013年)シェーン・ブラック監督作品を観た。軍用
のアイアン・パトリオットを1体アメリカ軍で採用している。
広範囲を高熱で焼き尽くす爆発がおこる。そして謎の中国人らしき
テロリストが爆発の犯行声明を出すが爆発物が発見できない。
爆発の原因が不明だが、実は遺伝子操作により失った身体機能を回復させる
薬物を使い適合出来ないと3000度の高温で人体が爆発する。適合した人の
場合は鉄を溶かす程に発熱させられるようになり怪我をして手などを失っても
生えてくる身体になる。(マーベル・コミックのキャラクターなのでマンガ
原作なので3000度の熱に耐えられる体を遺伝子操作で細胞レベル作るのは
無理だと思うがフィクションなので気にしないでおく。地球外生命体の細胞を
加工したとかに設定すれば、そうかと現実味が増すと思う)アイアンマンは
遠隔操作可能の無人兵器に改良されている。アーマーのパーツが飛んできて
装着する機能は、合体ロボみたいだ。スタークはテロリストに自分の居所を
マスコミを通して知らせると巡航ミサイルを搭載したヘリコプターに家ごと
攻撃されてアイアンマンになって飛行して脱出するがスーツが壊れて不時着
した近くの少年に協力してもらい反撃の準備をする。
父親は「宝くじを買いに言って6年帰って来ない」らしい。母親は爆破事件
の被害者のファイルを持って店で待ち合わせしている所に相手より前にスターク
が話しかけてファイルを見せられる。そこに敵が現れて戦闘になる。
テロリストのアジトを見つけてもフェイクやダミーで謎の中国人は、舞台の役者を
使って電波ジャックして犯行声明を演じさせていて後ろで糸を引いていたのは
トニー・スタークの同業者の軍事産業のライバルだった。スイスでスタークに
絶望を味合わされた過去を持つアルドリッチ・キリアンだった。海外のテロリスト
はキリアンのでっち上げだった。キリアンは大統領を誘拐してスタークの前で
殺害するのが目的みたいだ。戦いの後でクリスマスの花火みたいに無人のアーマーを
全て空中で自爆させてスーツ中毒を治すと恋人にいう。そして人工心臓を取り替えて
普通の身体に戻す手術を受ける。黒地に白文字のエンドロールが流れて途中で
映像になり友人に自分の体験談を話している場面が入っている。内容は相手が
眠っておりスイスのあたりまで聞いていたと言われる。そして又、続きの
エンドロールが流れる方法だった。戦闘シーンは大規模でアイアン・パトリオットが
的の手に渡りトロイの木馬みたいに大統領専用機に乗り込み破壊してスタークが
救出する場面は予告編でも見られる通り凝った作りだ。実際にスカイダイビンを
繰り返して撮影したらしい。フォーチュン・クッキーはアメリカで日本人が作った
らしい。三部作で一応完結みたいだが、別のアプローチで続けるみたいな予告が
あった。


2013年09月08日


『ハーメルン』(2013年)坪川拓史監督作品を観た。今週の「ぴあ初日満足度」
はシネコンで大規模に公開された「キャプテンハーロック」などの超大作を
抑えて、「第1位」という快挙だった。
私は坪川監督の「美式天然」と「アリア」を観ている。初めて観る他の観賞者と
違い演出の手法などは前の2作品で見た事があるので初めて観る人と違い驚きは
感じない。(美式天然とアリアは、DVD化されておらず東京国際映画際や海外の
映画際でしか上映されていない。劇場公開していない作品なので関係者しか観て
いない。)ハーメルンの撮影は2008年から2013年と3.11の震災を挟んで
5年近い製作期間で完成して劇場公開になった作品だ。
ストーリーの上で重要な小学校の解体シーンの撮影が終わった翌日に震災が起こった。
後、1日だけ日程が遅れていたら映画自体を完成させられない状態もあった。
アクション映画の危機一髪という事態だといえる。
スポーツの自己記録みたいに映画監督個人の自己記録の向上という意味で、あえて
贅沢を言えば回想シーンと季節の変化による時間経過の部分を明瞭にすると、更に
解り易くクォリティーもげられたのでは無いかと感じた。後はエンドロールも黒地に
文字とエンディングだけのシンプルな構成だったがもう、ひと工夫加えて完成度を
もっと上げられそうな気がした。(不況と公告の媒体の多様化でスポンサーが付き
づらい時代だ。有名なマンガやアニメという実績が無いと製作費を集めるのも大変
な状況ではある。)
映画の構成やストーリーと内容は、製作に何年も掛けただけあり良く出来ていた。
セリフを少なくして世界各国で言語が通じなくても状況と演技で通じるサイレント時代の
テクニックを国際映画祭の受賞で有効な手法だと取り入れてもいるようだ。
古い映写機やタイムカプセルに入れられた時計が中国製(大連)という設定で無骨な型
なのも納得できる。小道具を1つ見ても良く作ったり探してきたと感心した。かなりの
映画マニアならニューシネマ・パラダイスの雰囲気を感じるかも知れない。
そこを一般受けするように小学校が中心にして潰れた映画館に住む老人が大切にしている
ピアノがストーリーの付箋だ。福島の映画だが震災に関しては触れないで不偏性を考慮した
作りだ。公開館が少ないので東京のユーロスペース以降は順次全国公開だ。



2013年09月03日

『噂の二人』(1961年)ウィリアム・ワイラー監督作品を観た。
白黒映画だがジャンパースカートに開襟のシャツブラウスの制服の
小学校の高学年ぐらいの少女達が全員、自転車に乗り橋を渡り
湖に着き遊んでいるシーンではじまる。湖でキヤッチボールして
いる子がいたりする。それからライト・ドビー女学校の場面になり
父兄を招いてピアノの演奏会の場面になる。メアリーという少女は
退屈してロザリーに悪戯する。手にカエルでも持っていたみたい反応
だ。ロザリーには盗癖がありブレスレットや指輪やペンダントを集める
クセがある。この学校は全寮制で裕福な家庭の子女が多いようだ。
しかしカレッジで同期だった親友のカレン・ライトとマーサ・ドビーが
作った新設校で運営が、なかなか大変なようだ。マーサの叔母であるリリー・
モーターが音楽を教えている。舞台の歌手か女優だったらしく派手な生活を
好み我がままで自分勝手みたいだ。マーサがパーティーの後片付けでグラス
を磨いていると教師の仕事でないと頭痛がすると途中で止めて家政婦を雇え
ばいいと口を出し授業の準備をすると自分の部屋に戻る。メアリーとマーサの
2人でグラス磨きを続ける。カレンはブロンズ像を磨くみたいとジョークを
いう。今月は90ドルの黒字が出たからマーサはカレンに新しい服でも
買えばと言う。仲の良い2人だ。消灯時間になりカレンが子供達の所に行く
為に食堂を出る。マーサはグラスを歌いながら磨いている。そこにジョー・
ガーディンが仕事帰りに寄る。自分でミルクを注いで飲むとマーサは食費を
払ってよと言う。ジョー・ガーディンは病院に勤める医者で当直を代わって
もらったと言う。カレンと婚約して2年になるが学校の運営が大変で結婚
できないままだ。20人以上の子供の面倒を見るのは大変そうだ。
メアリーは何か面白くないと心臓が痛いと仮病を使う。その度にガーディン医師
が診察するが何でもない。(心因性なのかも知れないが・・・)手間のかかる
少女である。2人は子供達の食器を磨いたりシーツにアイロンを、かけて
いる事でリリー・モーターは教師を辞めて舞台に戻る。この時にリリーが
マーサは子供の頃から異常だったと言い出す。この時にマーサがドサッと
アイロン台の近くの物を床に落とす。この会話をロザリーが立ち聞きする。
そして異常だという会話と変な音がしたとロザリーがメアリーに言った事で
メアリーは、マーサとメアリーが同性愛者だと思い込む。これをネタに学校を
辞められると祖母に告げ口に行く。調度、盗癖のあるロザリーがカレンの名前の
入ったペンダントを持っているのを見つける。メアリーの祖母の屋敷までの
タクシー代2ドル75セントはロザリーから強引に出させて1人で学校を
抜け出す。そして祖母に、自分が想像した話を、大げさにして告げ口する。
祖母は、メアリーを学校にリムジンで送ろうとするが車の中でメアリーが
二人の事を何の根拠も無いのに同性愛者だと耳打ちしたらしく祖母は、
驚いて車を学校の入り口で止めさせて屋敷に引き返す。
メアリーという少女は、わがままで集団生活じたいを嫌っているようだ。
祖母が学校に来たら甘えている。メアリーの両親は登場しないから家庭に
事情がありそうだ。祖母は運転手付きのリムジンで学校に来ていた。
それから学校の少女達の保護者に連絡して噂が広がり子供達が全員、理由
も言わずに親が学校を辞めらせる。学校の前に沢山の高級車が並び生徒を
連れ帰る。瞬時に生徒はゼロになり学校は潰れてしまう。
それと同時にカレンと婚約している医者のジョー・ガーディンまで退職
するハメになる。原因となったメアリーの話が嘘だとメアリーの祖母と話すが
メアリーはカレンとマーサがキスをしているのを鍵穴から見たと偽証する。
カレンはドアに鍵穴は無いという。メアリーはロザリーが開いているドアから
見たと言ったとロザリーの盗癖を秘密にすると偽証させる。そして訴訟で
二人は、身の潔白を晴らそうとするがマーサの叔母であるリリー・モーターが
異常と言った事の詳細を法廷で証人として証言して同性愛疑惑を晴らす予定
だったが召喚状が来ているのに法廷に出廷しないため二人は訴訟に負けて
同性愛者の烙印を押され全国的に有名になってしまう。そこに舞台に出ていて
文無しになったリリーが学校に戻ってくる。マーサは自分の叔母が証言をしな
かったので学校が潰れたという罪悪感を持つ。そしてマーサはメアリーの事を
学生時代から好きだった事を打ち明ける。愛にはエロス・フィリア・アガペー
があり、この場合は友愛的要素が強いが裁判闘争でアメリカ中がレスビアンだと
知る事になる。カレンとマーサは同性愛者の多い所で1からやり直そうという。
しかしマーサは、彼らみたいに信念を持っていないと諦める。メアリーの家では
ロザリーが盗んだアクセサリーが見つかり中にカレンの名前が刻印してある
ペンダントが見つかる。そしてメアリーに脅迫されて裁判で偽証した事を告白
する。メアリーの祖母は、真実を知って判事に事態を報告し賠償金の支払いと
名誉回復の謝罪広告をさせてほしいとカレンに謝罪するがカレンは、自分の罪
の意識を消して魂を楽にしたいだけでしょ。と言う。マーサは2階の部屋に閉じ
こもって鍵を掛けている。カレンは蝋燭立でドアの鍵の部分を叩いて壊して部屋
に入る。倒れた椅子からマーサが自殺している状態だと解る。そしてマーサの
葬儀が終わり参列した父兄達が車で帰る中、ジョーとも別れてカレンは1人で
歩いて旅立つ。顔がアップで映される。尼僧物語のラストみたい感じだ。
ウーマン・リブが起こる前で1969年6月に警察の弾圧的手入れによって
グリニッヂ・ビレッジで「ストーンウォール暴動」が起こる前に作られた映画
だ。ビリー・ワイルダーは「第七捕虜収容所」や「お熱いのがお好き」の描写
に、されげなくLGBTを盛り込んでいた。天然色のベンハーを撮った後で巨匠
ワィリアム・ワイラーが白黒でリメイクまでして作った映画であり1961年
の時代背景が感じられた。ウィリアム・ワイラーは1936年に『この三人』と
いうタイトルですでにマィノリティーにスポットを当てていたが当時では
表現が許されなかった部分を加えて「噂の二人」としてリメイクした作品だ。
今では、オネエキャラは普通に昼間のテレビで観られる。今年のトニー賞は
キンキーブーツだったり時代は変わったが偏見は民族問題みたいに根は深いかも
知れない。ジェリー・フィッシュの会話に登場したので探して観る機会になった。
同性愛をテーマにした1995年のアニエスカ・ホランド監督の「太陽と月に背いて」
というレオナルド・ディカプリオが出ている映画のアルチュール・ランボーと
ポール・ヴェルレーヌの同性愛裁判の場面を「噂の二人」を観て思い出した。



2013年08月31日

『ジェリー・フィッシュ』(2013年)金子修介監督作品を観た。
「女による女のためのR−18文学賞」の候補作品の映画化だ。
女子高校生同士が思春期で愛や恋に海中に浮遊するクラゲの
ように迷い、それぞれの進むべき道を探すという流れだった。
水族館でクラゲに見とれている夕紀に叶子は声をかける。
「冷えているね。冷たさを分けて」みたい事をいう。
「冷えているね。温めてあげる」と言わない表現が独特だ。
痛みを分け合う感覚みたいだ。
その後は、放課後にバス停留所でキスしあう関係になる。
登校の途中で叶子が夕紀に学校をサボ自分の部屋に誘い気持ち
いいことを試す。叶子の部屋は雑然としている。
男子生徒を誘った時は、床に落ちていたアメがズボンに付いて
相手が驚く状態だ。
宮下夕紀は東京の大学に進学するためレンタルDVD屋で
親に内緒で週2日アルバイトしている。
生殖を目的としない愛について店長はウィリアム・ワイラーが
1936年と1961年に同じ「噂の2人」を時代によって表現出来て
いないためにローマの休日の後に取り直していると教える。
(超大作のチャールトン・ヘストンが出ているベンハーの監督だ)
レンタルDVD屋のアダルトコーナーでウィリアム・ワイラーの
話が出て来るとは、かなり映画好きの店長だと思った。
こちらの映画のラストは、「シスタースマイル ドミニクの歌」
に近いバットエンドらしい。
宮下夕紀の両親は、父親が公務員らしく安定した家庭で
生活環境も整っているようだ。父親は酒を飲まずタバコも
吸わない代わりに食後に炭酸飲料のペットボトルのドクター
ペッパーを3本飲む。(ドクターペッパーは1.5リッターの
ペットボトルが発売されていないため味が濃いのに氷を入れて
コップで飲む人は少ない。)
篠原叶子は親が離婚して母親が昼は事務員、夜はラブホテルの
清掃と仕事で家を留守にしている。
叶子は、中学の時に妊娠して子供をおろした過去があるらしい。
その為か首を絞められて意識を失う寸前に生きている快感を
感じるらしい。夕紀や部屋に誘われた男子も少し引く感じだ。
少し自虐的な感じをうけるが叶子は、少しマニュツシュな感じ
に加えて外交的で明るいので学校では女子生徒の中心にいる
感じだ。
2人は、高校を卒業したら東京でルームシェアして生活しない
かという話になるが夕紀のディーバックがピンクなので叶子が
ピンクのレオパード柄の内装と言い夕紀は叶子の部屋のカーテン
がブルーなのでブルーと言うがお互い引いてしまったと感じた。
水族館の出会いが初夏で2人の関係は真夏の間みたいだ。
最初はニットベストを着ていたが後半は、シャツだけにする事で
時間経過を表現しているようだ。
数年後、2人は互いに新たなパートナーと雨に降られてビニール
傘を買う。夕紀と叶子は、お互い知らないフリをして互いの
パートナーと傘を差し、それぞれの方向に向かって歩いていく。
クラゲの毒は致命的な毒ではなく、ちょっと腫れる程度の毒で
まとめた感じの映画だった。もっと濃い内容だと「ミスター・
グットバーを探して」とか「氷の微笑」を連想してしまうが
思春期の少女である部分と、一線を越えないお互いの思いやり
感を加えてドロドロしないスッキリした感じがした。



2013年08月30日

『ミッシング』(1982年)コスタ=ガヴラス監督作品を観た。
この映画はアカデミー脚本賞とカンヌ国際映画祭でパルムドールと
男優賞の受賞作品だ。
チャールズ・ホーマンは、アニメ作家を目差しながら小さな
新聞に記事を書いて妻のベスと暮らしていた。
1973年に南米・チリで軍事クーデターが起こった。戒厳令が
敷かれてている。タクシーでラ・カレ・ヴィクナに帰ろうと
するが断られる。そしてホテルにカードで泊まる。
ヴィーニャーでクーデターが起こって沢山の死人が出いてるのに
新聞は報道しない。チャールズは、マメに手帳にメモをする習慣
が身に付いている。ベスは手帳に書くのは危険だと心配して指摘
する。(第二次世界大戦のドキュメンタリー映画で日本兵は手帳に
メモするので作戦を予測するのに利用できたという話あった。
ヴィーニャのホテルに残されているメモにある。)
アニメ作家を目差しながら小さな新聞に記事を書いて妻のベスと
暮らしているチャールズ・ホーマンとベスは、アメリカに帰ろうと
するが空港は閉鎖されている。アメリカ領事館が銃撃戦で近寄り
にくいのでアメリカ大使館に行くと昼休みだし領事館の仕事だと
言われる。その時にニューョークのフリー記者ケイト・ニューマンが
昼休みが終わって大使が戻るまで待つ方が良いとアドバイスして
くれる。ヴィーニャで軍が何千もの市民を殺したのと泊まったホテル
がアメリカ軍の将校だらけだったという。
クーデターでゴタゴタしている間にチャールズが軍隊に連行されて
消息不明になってしまう。そしてチャールズが戻らないとベスが
チャールズの父親エド・ホーマン(ジャック・レモン)に連絡する。
ウォール街の有力者のようで議員や財界の力で情報を集める。
サイエンス・クリスチャンという宗教関係の人脈も活用する。
そしてクーデター直後のチリに息子を探しに来る。
父親のエドは、チャールズの家にいって貧乏ゴッコでもしているのかと
言うあたりから凄い裕福層だ。そして妻のベスやチャールズの友人や
仕事仲間から自分の息子の事を教えられる。最初は、息子を見下して
いたがチャールズの低い報酬だけど尊敬と感謝を得られるという
話や「後悔しないヤツは見込みが無い」(後悔こそが生きている証)と
チャーリーが言っていたと聞かされる。1人っ子のチャールズなので
生きて取り戻そうと、あらゆる手段を使う。
現地で息子を探すために調べまわる。アメリカの警察学校を出て
チリの警察で働いているパリスという警察官が政権が変わる度に
様々な体制に使えてきたが、あいつらはナチだと言うセリフで
軍事クーデターがムチャクチャで南米の政情が不安定な時代だと
感じた。
父親のエド・ホーマンとベスがチャールズの手帳が残されているホテルで
見つけて何故、行方不明になったか解明していく。アメリカ大使館の大使
と領事は、殺されていることを隠して捜索している芝居までする。
エドはフォード財団を通してチリの支部長が軍事関係に裏のコネを
持つ名前などを言えない英語圏の外交官なる人物に合わせてくれる。
そして逮捕後3日目の19日に殺害されていると告げられる。
この映画ではアメリカ人がクーデターに巻き込まれて殺されるのを
アメリカ政府が国益の為に黙認してウヤムヤに出来ると考えたが有力者の
息子だったのでアメリカで裁判になったという話だった。
おそらく一般的なアメリカ国民なら外国でクーデターがあり行方不明に
なったと黙殺される可能性が高いと感じた。息子が死んでいるのを聞いて
これがニューョークで貴方の息子さんがマフィアに興味を持って色々と
嗅ぎ回っていて死体が川に浮かんでいたので警察が息子を守らなかったと
言われても面食らってしまうという例え話もあったが突然の軍事クーデター
なので危険が何かすら解っていない状態みたいだ。
好奇心が強く詳しく調べてしまい殺されて国立競技場の壁に塗り込め
られていた。
息子が死んでいた事を知って息子の絵を集めて荷物をまとめて、軍隊が
押収したチャールズの私物を回収し帰国する時に遺体の航空貨物の運賃を
大使館員が父親に払ってほしいと言う。アメリカに戻って起こされた訴訟は
国家機密のため棄却処分になる。
チリの軍事クーデターは、アメリカ企業3000社がチリに
投資しておりアメリカ企業の権益を守る為にアメリカ軍が裏で
協力したらしいが証拠が無いという事だった。
エド・ホーマンは、息子が行方不明にならないと国益を守る
側の人物だったと劇中で言われる部分があった。
ニクソン大統領の時代でキッシンジャーが関与していた。
70年代は東西冷戦が続いていた時代の話だ。
1970年の選挙で人民連合のアジェンデ大統領の社会主義政権になり
1973年9月11日、アメリカ合衆国の後援を受けたアウグスト・ピノチェト
将軍の軍事評議会による軍事独裁体制になった時期が背景の映画だった。
映画が作られたのが10年経っていないからリアルだ。実話を元にして
これだけ正確に映画を作れるという事では、50年代のレットパージの
時代から変わってアメリカの表現の自由は守られているという事みたいだ。
ただしベトナム戦争・湾岸戦争・イラク戦争などがあり2013年の8月
にシリアで化学兵器が使用されたので軍事介入する可能性があるという
ニュースが流れているので影響が気になる。クーデターの日が9.11と
いうのも不思議な偶然だと思った。



2013年08月25日

『言の葉の庭)』(2013年)新海誠監督作品を観た。雨の朝に
新宿御苑の屋根の付いたベンチで15歳の高校1年のタカオと
缶ビールにチョコレートをツマミにしているユキノが出会う。
タカオは15歳で靴職人になる目標を持っている。両親が離婚
して母親と兄の3人で暮らしている。部屋には革を切る包丁
に木型まで揃えている。夏休みにファーストフード店でバイト
して専門学校に進学するお金を貯めている。しばらくして
ユキノが自分の高校の古典の教師だと気がつくが、ユキノは
3年生の女子達に交際相手の男性の事で、追い込まれて味覚
障害になり学校を辞めて四国の実家に戻ってしまう。
雪が降る季節になりユキオは、ユキノと出会った公園のベンチに
モミジのディテールを付けた靴を置く。そして映画は終わる。
ユキオが履いているモカシンは、不器用な生き方の象徴みたいだ。
高校生ならローファーとか運動靴に興味を持つようだが女性用の
靴を造りたいというのが以外だった。(ヒールの高さごとに木型の
傾斜を合わせないといけないので大変だ。革用ミシンやソールを
加工したり圧着するなど大掛かりな機材も必要になる。)
アニメの場所は都心だけど雨の日は短い時間の特定の場所では
空気が澄んで見える。虹が出る事もある映像は美しくアニメだから
表現できたと感じた。靴を作る設備の設定も多少、立派過ぎるが
正確だった。年上の女性に淡い恋心を持つが抑えていた。人生を
歩んで行く靴という意味もあるようだ。
都会に住んでいるから専門学校で製靴を学ぶのは容易だ。
親元から通学出来るだけでも地方出身者より夢や目標を見つけられる
環境だと感じた。映画のテーマは、27歳で12歳年上の女性と
思春期の少年の淡い恋心と言った所もあった。
鉄道模型を作るのが趣味なら人生にレールを敷設するという意味
になると思う。
靴職人が現実的で無い夢というセリフから靴業界の大変さが伺い知れる。
キンキーブーツみたいに老舗の靴メーカーが生き残りのために
ドラッグクィーン用のピンヒールを作る話が今年のミュージカルで
トニー賞を取る時代だ。百貨店のオーダー部が無くなった所か百貨店
が潰れたり合併したりする時代で製造業は、安い人件費を求めて
中国からベトナムに移りアフリカに生産拠点が移るみたいな気がする。
主人公のタカオはジブリの『耳をすませば』に登場する15歳で
ヴァイオリン職人になる夢を持っている天沢聖司という登場人物に
を思いだした。大学を卒業しても自分探しをしている状態の人より
早くから目標を持って目的意識を持っているキャラクターは気持ちが
良かった。



『あなたへ』(2012年)降旗康男監督作品を観た。定年後も
富山県の刑務所で指導教官として働いている倉島英二(高倉健)
の所に15年連れ添った妻からの遺言を伝えるNPOの女性が
訪ねてくる。亡くなった奥さんから遺言を預かっているので
1通目は手渡しする事になっていますが2通目は、郵便局の
局留めにするように希望されています。と言われる。
担当の女性も変わった依頼ですと言う。
そして島倉は、職場に退職届けを出して旅に出ようとするが
退職でなくて休暇届けにしてほしいと言われる。島倉の車は
ワゴンの後ろが自作の木製のキャンピングカーになっている。
刑務所で木工を教えているため手作りで妻を乗せて旅行する
予定だったが亡くなってしまい妻・洋子の遺骨と共に洋子の
故郷である長崎県平戸に車で向かうロードムービーだ。
途中で立派なキャンピングカーに乗った杉野輝夫 ( ビートたけし)
と知り合いコーヒーを飲む。杉野は元国語の教師だと言う。そして
放浪と旅の違いについて話を聞いて本をプレゼントされる。
そして倉島は、車が故障して困っている男を乗せる。日本中の
デパートの物産展で北海道のイカ飯を売っているので物産展の
仕込みから販売まで手伝う。その時に船の事で困ったらここに
相談すると良いと名刺を渡される。途中で杉野と再会するが杉野は
警察に捕まってしまう。島倉も身元を照会されてスグに帰される。
被害は無かったですかと聞かれて杉野さんは、高校の教師と言って
いました。と答えて目的地に向かう。目的地では台風で船を出して
くれる所がない。漁業組合に相談してもダメで釣り船屋を兼ねた食堂
の女性が父親と相談して面倒をみてくれる。そして名刺の人物だと
気づくが特産品の物産展を旅している男の事は知らないようだ。
散骨が済んで物産展の男と再会して釣り船と食堂を兼ねた店で嵐の
時に船が遭難して死亡した男が生きていて別人として生きている事が
解る。というストーリーだった。高倉健と刑務所は網走番外地の
イメージで馴染む感じだ。2通目の手紙も無事に受け取って灯台から
鳥が飛び立つ絵手紙で意味が通じるという流れだった。



2013年08月20日

 今日、第61回平和美術展が無事終了しました。猛暑にも関わらず
沢山の来館ありがとうございました。  浅野琢也(Takuya Asano)


2013年08月12日

第61回 平和美術展にインスタレーション
東京都美術館に展示


「希望の馬!?」
第61回 平和美術展にインスタレーション作品


2013年08月10日

第61回 平和美術展にインスタレーションを出品しています。
上野の東京都美術館で8月12日(月)から8月20日(火)
19日(月)は休館・最終日は13時まで)開催しています。


『テッド(Ted)』(2012年)セス・マクファーレン監督作品を観た。
大筋は、大人向けのファンタジーだ。少年の感性で中年になった
主人公ジョン・ベネットとテッドが繰り広げるコメディーだ。
但し、生きたテディベアとして芸能活動して一世を風靡して中年の
クマとしてジョンと生活を共にしていたがジョンに恋人が出来ても
ジョンがテッドに誘われて遊びに行ってしまうため恋愛が成就しない。
別々に暮らして自立してもテッドは、私生活での人脈がスゴくホーム
パーティーにハリウッドスターが来ているとジョンを誘う。
ジョンの携帯の着信音がデッドはナイトライダーで恋人のロリーが
ダースベイダーのテーマだったりユニバーサルが持つ映画のネタが
大量に使われている。テディーのホームパーティーにフラッシュ
ゴードンの主役が来たのでローリーのパーティーを抜け出して30分
のつもりが長居してローリーの機嫌を損ねてしまう。ローリーの職場の
上司がジョンと別れた時にノラ・ジョーンズの野外コンサートに誘うと
テッドがノラ・ジョーンズと交際していた事がありジョンにステージで
007オクトパシーの歌を歌う機会を作ってくれたりする。
CGの動きと豪華なゲストが登場して映画を盛り上げてくれる。
映画の名シーンも沢山出て来るから80年代を生きた観客は、楽しめる。
そして大量の流血シーンが無くてもR15+になるキッイジョークの
セリフがギリギリの所で笑わせてくれた。映画の冒頭で子供の強い願い
よりフル装備したアパッチヘリには叶わないがと大量殺戮兵器を批判する
ナレーションが入っていたりする。
エンタティーメントでコメディー映画だからこそ笑いの中に体制批判を
ギリギリまで入れている。NG部分は、批判が特定の民族や国家・組織・
団体になっており同じシーンを複数のセリフで作成して選び抜いていた。
下手なドキュメンタリーよりもエンタティーメントの中にカリカチュアを
入れると説得力が増す。そして笑いとともに正義感と良識のある観客の
記憶に残り世界を正しい方向に向かわせるキッカケになる可能性も映画には
あると思う。
そしてテディーが誘拐されてジョンとローラーが協力して救出するアクション
もありカーチェイスもあるスリリングな場面にも笑えるネタを盛り込んでいる。
それだけに編集に手間をかけた作品だ。最低賃金でスーパーのレジ係りを
やっているテディーが店長になったりジョンとローリーが特別な結婚式で
結婚するハッピーエンドなど楽しめた。



2013年08月01日

『ベン(Ben)』(1972年)フィル・カールソン監督作品を観た。
心臓病の手術をした子供が主人公だ。ウィラードという現在の
引きこもりの青年が出て来るのが前作にある。部屋に鉄道模型
と舞台の付いたマリオネットがある。ネズミの大群のボスネズミ
でベンは、この少年になつく。病気で同じ年頃の友達は、いない
ようだ。親・兄弟は、仕事で忙しい。増えたネズミがスーパー
などを襲い食料を食い荒らす。警察や軍隊まで出動してネズミを
火炎放射器で焼いて駆除する。少年は、ベンというネズミを匿う。
最後は、群れを殺されてゲガをして少年の所に現れる。少年は
ネズミのキズの手当てをする。警察がベンを捜しに来た時に
マリオネットのネズミを目の前に出す場面にドッキリさせらる。
「あまちゃん」という連続ドラマで映画のエンディングの話が
出てきたので、この映画の「ベンのテーマ」は、少年時代のマイケル・
ジャクソンが歌っていた。思い出して映画を又、観たくなった。
DVD化されていないのでVHSで観た。劇中にマイケル・ジャクソンは
出ていないみたいだ。映画を観終わってエンディグに、すばらしい
歌が流れていた。この頃は、マイケル・ジャクソンを知らなかった。
「クリスマスツリー」という病気の子供に動物園からオオカミを
盗んでプレゼントするみたい映画もあった。最近の映画は、自分の
子供を虐待して殺そうとする親が出て来るものが目に付く。
少子化だけど子供達が外で遊ぶ場所が無い。空き地が無いから
目が疲れるスマートフォンや携帯ゲーム機で遊ぶ時代で幸せなのか
疑問だ。メールをスグに返信するとか大変そうだ。郵便受けを見る
のは朝と晩の2回で十分な気がする。便利になった反面、人間の
生活サイクルが過密になりすぎているような気がする。
じっくりNHKの大河ドラマを観るより15分の連続ドラマを観る方が
ライフスタイルにマッチしているみたいだ。何回も放送するから
見逃さないで済むし多チャンネルで放送時間をズラして放送回数を
増やしているのも観続けられる環境のようだ。昔は映画館で一日中
、同じ映画を、やっていて一度入ったら何度も観られた。途中から
入って観終わった所まで見て出て来るなんて事もできた。昔は
バスに乗るみたいに手軽だったが今は、飛行機に乗るみたいに上映時間
を調べてシネコンというターネナルビルみたい所に行って搭乗口みたい
に番号の付いたシアターに入っていく時代だ。手軽な娯楽では無くなった
気がする。その代わりにDVDのレンタルが普及して衛星波で沢山の
映画が放映されている。沢山あってスクロールさせて選ぶだけで大変だ。
でも名作を観られる事も多い。



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