これまでの「今日のコラム」(2011年 4月分)

4月1日(金) < 電力の貯蓄技術・・・>
電力の貯蓄技術が将来飛躍的に進化すれば世界は変わる。地震の被害を受けた原発や火力発電所の停止に伴って計画停電をしたり、電力使用がピークになる夏場の電力不足が懸念されているのは電力が「貯蓄」できないからである。勿論、現在でも多少の貯め込みはできる。例えば夜間電力を利用してビルの地下水槽に水の熱エネルギーとして保存するとか、余った電力でポンプを廻してダムの水位を上げる(位置エネルギーとして保存)とか、蓄電池へ貯蓄するなどできることはやっているとしても、膨大な電力を効率よく保存する方法はない。いま電気自動車に絡んで自動車用電池の開発競争が激化しているが、もっと大規模な「電気の貯蓄」開発ができないものか。家庭での太陽光発電でも高効率な蓄電が備われば家庭用の電力事情は一変する。”東京電力という会社が突然の大停電を防ぐために地域ごとの計画停電をやった”と愚かな昔話として語られる時代が何時の日か来るに違いない・・。
2011-04-01@中目黒公園にて

4月2日(土) < 4月2日には例年桜が満開・・・>
4月2日には例年桜が満開になるものと思っていたが、今年は4〜5日前でもほとんど蕾であったので桜を諦めていた。ところが今日、この日、息子の三回目の命日で墓参に行くと一気に桜が咲き始めていた。大震災直後でもあり息子の多くの友人らを招いての三回忌は中止としたのに、桜の下、墓参・供養に来ていただいた方々が大勢いらした。感謝。いまは息子の供養と桜は対となっている。この日には「願わくば 花のしたにて春死なん・・」と謳った西行法師の句を必ず思い起こす。西行にはこんな句もある:「花見れば そのいはれとはなけれども 心のうちぞ 苦しかりける」。私の場合には”いはれ(理由)”がないことはないのは言うまでもない。合掌
2011-04-02@九品仏浄真寺(東京・世田谷区)

4月3日(日) < 一生使える金属鉛筆・・・>
「一生使える金属鉛筆」を娘からプレゼントされた(下の写真)。鉛筆の黒鉛の代わりに芯材として合金を使用し金属粉が紙に付着して書けるもの。普通の鉛筆のように芯が減ったり折れる心配はないが書き味は4H並のかなり硬い感覚。筆圧が強くなければならない。"一生使える”といっても芯の先がわずかでも摩耗するのでたまにはサンドペーパーで磨く必要はあるようだ。このような筆記具を趣味として使うのは分かるが実用的にどのような使い方があるのか考えた。まず思いつくのは南極など極寒の地域、ボールペンなどのインクが凍結してしまう環境では威力を発揮するだろう。・・けれども鉛芯の鉛筆の方が簡単か・・。先端が尖っているので暴漢に襲われたときの護身用になるとの説もあるが、これも生兵法の方でお勧めできる用途ではない。世の中には色々な商品がある。実用に拘らないのがいいのかも知れない。その内この筆記具を使って鉛筆画(?)を描いてみたい。<金属芯筆記具、Beta Penのリンク=ここ 、または=ここ)>
2011-04-03

4月4日(月) < 桜は日本人のメンタリテイーと合致・・・>
桜は日本人のメンタリテイーと合致すると言われるが外国人の精神性とか考え方を日本人と比較するほどに十分なデータは持ち合わせていない。それでも桜の一生が自分の心情にある種の感動を与えてくれるのは確かである。一週間前には今年は桜が咲くのだろうかと心配したほどであったのが今日はもう見事に咲き始めている。2〜3日後には満開か。一気に開花する様は事態は決して同じではなく時が経てば花開くことを教えてくれる。一方で花はいつまでも咲き続けることは決してない。「明日ありと 思う心の あだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」。何事も変化するのが当然。変化を恐れることはない、自分も変わらなければ進化しないなどと桜見物しながらつぶやく・・。
下の写真は目黒川・桜橋上で撮影。桜橋の上流方向の橋は宿山橋、朝日橋、緑橋、天神橋、千歳橋・・、下流方向の橋は別所橋、日の出橋、宝来橋・・。今日は川沿いを歩きながら11個の橋を通過した。
2011-04-04@目黒川・桜橋にて

4月5日(火) < 冷暖房機の取り替え工事・・・>
冷暖房機の取り替え工事を終日楽しみながら見学していた。冷暖房ができるヒートポンプを装備していたが、我が家の場合、冬場にはガス煖房のみとしヒートポンプ暖房は一切使用していなかった。それでも東電と三相200V契約をしているためブレーカーを切り全く電力を使わなくても基本料金を何千円も請求される。各部屋の冷暖房機共にもう20年以上(私たちがこの家に入る以前から)経過しているので、この際三相200V契約を解除して100V一本の契約とするべく改造工事を行った次第。20〜30年前の冷暖房機器については多少の知識はあったが最新型は何も知らなかった。外観のデザインが以前よりスッキリしたのは勿論であるが同じ能力でも随分コンパクトになった、音が小さくなった(特に屋外機)、据え付け工事も楽になった、それから冷媒の扱い方も変わった・・など進化を認めるだけでもうれしい。

4月6日(水) <外出から帰ってくると家中停電・・・>
外出から帰ってくると家中停電だった。計画停電ではない。昨日電気工事をした際にブレーカーのカバーの処理を私がきちんと行わなかったのでカバーが落下してブレーカー(家全体の元電源)を切ってしまったことは直ぐに判明した。全て私のミスで原因は単純だから対策も簡単だったが、外出中にブレーカーのスイッチを切るなんていう芸当を狙っても出来るものではない。停電によって何が起こったか、・・パソコンが切断されるとか温水がでなくなるのは当然として、固定電話が受信しなくなるとは考えが及ばなかった。実は外出中に何度家に電話をしても受け付けないので電話機が故障しているのでないかと「携帯」に連絡をもらっていた。電源が入れば電話も問題はない。一度充電を終わった単三乾電池を入れっぱなしにしていた充電器が電源再投入でまた長時間の充電を続けた(ランプ点灯)とか訳の分からない挙動も含めて一時停電だけであたふたとしながらも電気の有り難さを再認識。この際、自主計画停電はオススメかも知れない・・。

4月7日(木) <一ヶ月ぶりのテニス・・・>
一ヶ月ぶりのテニス。身体を動かして遊べる幸せを思う。テニス仲間はそれぞれの地震体験を語ったがプレーできる幸運はみな同じ。屋外スポーツの面白さを今更強調することもないが運動によって身体が元気になる以上に気持ち(精神)が活性化するのを今ほど実感することはない。
今日の写真(下)に「旧朝倉邸」(東京・渋谷区・リンク=ここ)を掲載する。この庭園にはいくつも石灯籠があるが地震による倒壊もなく無事だったという。
 
2011-04-07@旧朝倉邸

4月8日(金) <事務的な「仕事(やるべきこと)」・・・>
事務的な「仕事(やるべきこと)」がこのところビッシリと詰まっている。今日は一日あわただしく動いた。数えてみると自動車で訪れた先が6箇所、歩いて訪問した先が一箇所。散歩をする時間もとれなかった。このようなときには表紙に掲載している「今日の作品」が更新できない。所詮「作品」とは贅沢なゆとり時間の産物か。今日の毎日新聞のコラム「余録」に関東大震災で被災した文芸家の言葉が引用してあった:「文芸ということが生死存亡の境においては、・・無用の贅沢品であることをマザマザと知った・・」(菊地寛)、「数分間の大地の震動に比すると月評家の筆などは何の力もない・・」(正宗白鳥)。「生活の過剰」としての作品造りができる機会を早く回復させたい・・。
2011-04-08@都ホテル駐車場(東京・港区)

4月9日(土) <ためらいがちに「今日の作品」・・・>
ためらいがちに「今日の作品」に「花器」(陶芸)を掲載した。今日、陶芸教室で焼成が完了していたので持ち帰った作品であるが、釉薬の掛かり具合(つまり色合い)が意図したものとかなり違っていた。当人が意図したものが必ずしもベストとは限らないので私は”こんなものは自分の作品として残さない”というような名人気質はとらない。気に入らなければ作り直せばいいと言ってくれる人もいるが、それではこの出来上がった作品が可哀相な気がする。実はこの作品は3月20日のコラム(=ここ)で”理想的な破損”と書いた曰く付きの欠陥作品ではある。それだけにもう一度釉薬をかけ直すなど再トライしてみたくなる。思い残すことなくやることをやってみて、こんなになりましたと何時の日か紹介したい。できの悪い子ほど可愛いというのはこんな感情か・・。
 
2011-04-09 @陶芸教室の横(ヒルサイドテラス/代官山)

4月10日(日) <台場公園で花見・・・>
台場公園で花見をした。といっても妻とお台場海浜公園のスーパーで買った弁当を食べてきただけである。「お台場海浜公園」にも初めていったが立派な砂浜がある。その砂浜沿いを歩いて第三台場公園へ。第三台場は江戸時代末期、ペリーの黒船来航の直後東京湾上に作られた砲台や火薬庫、兵舎の跡地などが残されており国の史跡にもなっている。東京湾に着き出した160m四方ほどの第三台場公園はいま桜が満開。東京湾風景を満喫しながら花見ができる割には人の少ない穴場であった。ペリーのアメリカ艦隊来航(1853)に仰天した江戸幕府が江戸防衛のために素早く築造した台場は第1から、第8まで8つの台場があったという。いま自由に立ち入りできて砲台跡などが見られるのは第三台場だけであるようだ。考えてみると国の存亡をかけた黒船騒動がわずか150〜160年前。今から100年後にはこの景色はどう変わるだろうか・・、花見をしながらふとそんな思いが脳裏を過ぎった。
 
2011-04-10@台場第三公園(東京)

4月11日(月) <大震災から一ヶ月・・・>
大震災から一ヶ月経った今日、地震発生時刻午後2時46分に一人黙祷した。一ヶ月前には兆しも見えなかった東京の桜は今が満開。どこに行っても美しい桜が目に入り感動するが震災の犠牲者・被災者に申し訳ないような気分となる。この一ヶ月、東京でもかなりの回数、余震が続く。先ほど午後5時16分の余震は大きかった(茨城県南部で震度6、M7.1)。一ヶ月経っても大きな余震が続くところが今回の大地震が尋常でないところだ。更に云うまでもなく福島原発の成り行きが今になっても見えないところが特別に厳しい。自然災害によって原発がコントロールできなくなる惨事は人類が初めて経験する。現在続けられている原発対応は全て新しい歴史を作りながら進行している。あと一ヶ月で歴史が完了することはないだろうが少しは先が見えるようになって欲しい・・。
 
2011-04-11@左=明治学院の桜(港区)、右=目黒川の桜(川面は花弁で埋まる)

4月12日(火) <久しぶりに自然教育園・・・>
久しぶりに自然教育園(東京・港区/リンク=ここ)にいった。少々時間はかかるが歩いて行くことができるし有り難いことに入園が無料(65歳以上)。このところ散歩(ウォーキング)というと目黒川沿いを歩くことが多いが、今は桜が満開で大勢の人で混み合っている。花見をしながら歩くことも悪くはないが考え事はできない。その点、自然教育園にいくにはたっぷりと考える時間がとれる。内容はその時々で何でもよいが到着することを目的とせずに歩きながら考えることを覚えると歩いている時間が極めて贅沢に思えて味を占める。それでも今日の自然教育園はやはり桜が満開。桜以外に真っ黄色のレンギョウや菜の花も華やかに咲いているので、考え事どころでなく花に見とれてしまった。
 
2011-04-12@自然教育園(東京・港区) <右>池には桜の花びらがびっしり

4月13日(水) <俳優、美木良介のオリジナル体操・・・>
俳優、美木(みき)良介のオリジナル体操が興味深い。昨日放映されたテレビ番組をたまたま見たものである。彼(現在53歳)は20年以上腰痛で苦しんでいた。整体、カイロ、鍼、気功など腰痛解消に良いと云われるあらゆる治療を試みたが(それも東京、名古屋、大阪の名医を訪れたとか)効果なく、結局独自に腹式呼吸を取り入れた筋肉トレーニングを続けたところ腰痛は完治し、おまけにダイエットにも成功したという話だ(体操の要領=ここ=)。私は腰痛ではないが膝が本調子ではないので早速この体操を試してみた。はじめに足を前後にクロスさせるところが従来にないやり方で、私の膝にはこれが有効のように思えた。しばらく続けてみなければ分からないが、いいことは何でも取り入れるに限る。他人に頼るのでなく自分に合致する方式を開拓する彼の手法を習いたいと思う。
「今日の表紙」に「花器<ある側面>」(陶芸)を掲載した。先日完成した花器の「ある側面」である。9日のコラムで書いたように今この花器の仕上げ直しを試みている最中である。


4月14日(木) <散る桜あれば咲く桜あり・・・>
散る桜あれば咲く桜あり。いまは桜も種類によって出番が交代することを見せてくれる時節。あれほど華やかに咲き誇っていたソメイヨシノはほとんど散ってしまった。川面には花びらが動きがとれないほどに積もって”花筏(はないかだ)”となって流れることもできない。それにしても潔い(いさぎよい)散り方で気持ちがよい。代わって八重桜が満開。日本人の感性としては変化していくところにこそ美がある。少々余計な方向に脱線すると、元総理(それも失格総理)で完全に散っていったはずの鳩山由紀夫さんが今の時期に自分の後任の総理を引きずり落とすことを画策している様子が何ともいただけない。この人、一度は次の選挙に出ないと公言して取り消した前科もある。傍からは引退すると他にやることがないから政治をやっているように見える。人間は桜に習って引退上手でなければならない。
 
2011-04-14@目黒川(川面には花びら) 右の八重桜は@中目黒児童遊園

4月15日(金) <バランス年齢20歳・・・>
バランス年齢20歳と判定された。昨晩、Wii-フィットプラスで身体計測(体重、BMI値=Body Mass Index)に続いてバランス年齢チェックをした時のことである。毎日ほとんど欠かさず計測するが、これまで時々26歳程度となることはあったが普通40歳代のことが多い。できが悪いと70歳、年相応ですと云われることもある。昨晩のテスト内容は(毎回異なるので相性がある)(1)はじめ重心を中央の円の中に保ち、次々と任意の箇所にでてくる四角片(時に複数個)を重心移動でつぶす、(2)中央に重心を置き連続して流れてくる数字をみて中央の数字が右より大きい場合のみ脚を屈伸させて回答する(数字は左右に移動し一度見えた数字が隠れることもある)。この程度のことで”あなたのバランス年齢は実年齢マイナス50歳です”と云われても余り有難味がない。けれどもこの際ゲーム機の煽て(おだて)の乗って素直に喜んでいるのがいいのかも知れない。だから今日もまたバランスボードの上に乗る(Wii Fit=ここ)。
2011-04-15@西郷山公園(東京・目黒区)

4月16日(土) <「花器<再釉薬分>」(陶芸)・・・>
「花器<再釉薬分>」(陶芸)を今日の表紙に掲載した。4月9日のコラム(=ここ)で書いたように陶芸教室で焼成が完了した花器の”色合い”がどうしても納得ができなかったので再度手を加えたものである。作品の寸法が一辺23cmの立方体相当でたまたま家の電気窯の内部にギリギリで入ることが分かったので、家で釉薬を調合して焼成し直した。更に細かく云えばその後一部に銅系統の陶器用絵具を塗布して焼き付ける技も加えた。手を加える前後の写真を陶芸コーナー(=ここ)に掲載しているが第三者にその差が理解されるかどうか・・。それでも"作者”にとっては前との違いが重大で、今回の作品にはOKをだしたい。とにかくも、できること、やりたいことをやり終えた満足感があることは確かである。

4月17日(日) <今日の話題は孫のブログから・・・>
今日の話題は孫(ニューヨーク在住、10歳)のブログからネタをもらった。それは日本の古川機工(株)が開発した「SWITL(スイットル)」。メーカーの紹介によれば「ゾル・ゲル状ワークを崩さず移動できる”すくい上げ移載機”」である。これはマヨネーズやケチャップも型くずれなしでスイスイ移動させる真に不思議なすばらしい製品だ(動画が秀逸、例=ここ=)。この移載機、インターネット、You Tubeなどでは既にかなり評判になっている様子。”魔法の仕業じゃ”と驚いてみたり、真面目に仕組み(原理)を議論したり、世界中の人が興味を持って話題にしているのが日本の一中小企業の動画であるのがうれしい。古川機工(株)は新潟・長岡市にある各種の食品機械を製作する会社で、例えば「ネギトロ充填装置」などの機械を作っている。SWITLは国際食品工業展にも出展されたようだが、展示場を訪れた人よりもはるかに多くの世界中の人々がインターネットを通してSWITLに親しみ、驚嘆の声をあげている・・。

4月18日(月) <「ブロック分離」の陶芸作品・・・>
「ブロック分離」の陶芸作品(花器)を表紙に掲載した。3月20日のコラムにも書いた(=ここ)が大震災から9日後に素焼きが完成したこの花器は4つあるブロックの一つが見事に破損してしまった。しかし破損したが故に二つと同じものがないユニークなオブジェになると釉薬を掛けて焼成、更に手を加えて現在の状態に完成させた経緯がある。大地震の災いをも思い少しでも「災い転じて福と成す」ことを目指して完成させただけに思い入れは強い作品ではある。陶芸コーナー(=ここ)には上下を逆にした写真も掲載したが4個のブロックの裏には穴を掘ってあるのでひっくり返しても4箇所のカップ付きの花器として使用することもできる。上下どちらにしても、名前は「花器」としたがむしろオブジェとして思う存分に遊んで楽しんだ方がよさそうだ。


4月19日(火) <イチリンソウ(一輪草)とニリンソウ(二輪草)・・・>
イチリンソウ(一輪草)とニリンソウ(二輪草)を覚えたことが今日の収穫。共にキンポウゲ(金鳳花)科の多年草。キンポウゲが漢字名の如く黄色い花であるのに対して、白い花を咲かせる。一輪草の花のサイズは直径4cmほどであるが二輪草の花はその半分以下。一輪草が茎の先に花を一輪咲かせるのに対して二輪草は一本の茎から二股に分かれて二輪の花をつける。一輪、二輪はお互いに相手があって名前ができたことになる。自然教育園(東京・白金/ここ)にはいま一輪草のすぐ側に二輪草が咲いている。二つを比較しながら観察できるのはさすが"教育園”(?)。今日の園内には桜は散ってしまったがもう「ミツバツツジ」が咲いていた。枝先に三枚の葉がつくので”三つ葉”の名がついたという。いつの間にか「サツキ」の季節がそこまでやってきている。
 
2011-04-19@自然教育園 (左は一輪草&二輪草、右はミツバツツジ)

4月20日(水) <「満天星」・・・>
「満天星」を「ドウダン」と読むことは漢字好きの人にはお馴染みだ。ドウダンツツジ(=灯台躑躅とも書く)を満天星躑躅と書くのは勿論当て字だが、実物のドウダンツツジを見ると正に「満天星」である。いま庭に「ドウダンツツジ」が咲いている。白い釣り鐘のような花が無数に散らばっている様をみると「ドウダン」よりもやはり「満天星」の字面の方が相応しい。それにしても「ドウダンツツジ」は一般のツツジ(躑躅)とは全く違う花を咲かせる。一般のツツジはツツジ科、ツツジ属であるのに対してドウダンツツジはツツジ科、ドウダンツツジ属であるという分かったようで分からない説明があるが名前はツツジでも特別の種と思った方がよさそうだ。「満天星」は晩秋には真っ赤に紅葉してこの時は葉を楽しませてくれるのもうれしい。
今日の表紙には「花器<上下逆> 」(陶芸)を掲載した。
2011-04-20@東京・渋谷区

4月21日(木) <電子書籍の売上げ・・・>
電子書籍の売上げが「紙の本」を上回ったというニュースが報道されている。全米書籍市場の話である。欧米の出版事業は国境を越えた激烈な競争があり(ex=イギリスでの出版売上げトップはフランス社、アメリカのトップ出版社はドイツ系など)出版社の事情は日本と異なっているが電子書籍の売上げが今後ますます増える傾向は日本でも同じだろう。私の場合、本ではないが新聞を一切とらずにインターネットだけで済ましているので新聞紙を見るとまだ新聞を購入する人がいるのかと驚く。公称発行部数800万部の朝日新聞だけで一日あたり新聞紙を1800トン消費するという。樹木を切り倒して製造する紙を毎日これだけ消費することを考えただけでぞっとすることもある。しかもあらゆる企業(銀行もメーカーも)がこの百年間に大変革を経て来ているのに「朝日新聞」は創業120年余、名前も変わらず老舗を保つ・・。「紙の本」には他に代え難いものもあることは認めよう。それにしても消耗品としての本、出版物、そして新聞などは「電子化」の流れが当然だ。今、大震災に絡んで「電力」には限りがあることを思い知らされている。「電子化」を「紙」を得るための森林伐採低減へ単純に結びつけることには無理があるだろうが「紙」もまた無尽蔵ではない・・。

4月22日(金) <ジョルジュ・プルーデルマッハー・・・>
ジョルジュ・プルーデルマッハーの名前を今後忘れることはないだろう。今夜、久しぶりに行ったトッパンホール(東京・飯田橋)での演奏会がジョルジュ・プルーデルマッハーピアノリサイタル。ジョルジュ・プルーデルマッハー(Georges Pludermacher)の名前は日本では余り知られていない(実は私も今日まで知らなかった)がフランスの卓越したピアニスト(ホームページ=ここ)。パリ国立高等音楽院でピアノの教鞭をとり作曲もおこなう<年齢は外見で見た限りでは50代とみえたが、インターネットのフランス版で調べると1944年生まれと出た=ここ=・・信じられない・・>。ピアノという楽器から実に多彩な音色を醸し出すPludermacherの生の演奏を聴けたのは幸運としか云いようがない。特に今日はストラヴィンスキーの「春の祭典」を彼がピアノ用に編曲した演奏もあった。私も若かりし頃にオーケストラ曲の「春の祭典」に心酔したこともあったが、今日Pludermacherが弾く春の祭典を聴きながら、ベートーヴェンが自作を生演奏するのを聴いているのと同じだと思った。編曲と言っても実質的にはPludermacherの作曲。目前で演奏される春の祭典は何より感動的であった。世の中にはマスコミで名前が出ていなくても凄い人がいる・・。
4月23日(土) <今日は大安吉日・・・>
今日は大安吉日の土曜日。神田明神での甥の結婚式に出席した。天気は雨模様であったが神田明神は何組もの結婚式が絶える間もない大繁盛。白無垢の花嫁、雅楽の音色、巫女の舞、三三九度の盃など、神前結婚の儀式では日頃無縁な日本の格式ある伝統に触れることができて興味深い。一方、伝統だけでなく神前で「指輪の交換」の儀式があるなど現代のカップルへのサービスも忘れてはいない。神前で結婚式を挙げるのも”ナウイ”感覚となるから面白い。<神田明神(東京・千代田区)の説明・紹介など=ここ

4月24日(日) <家のゴミ出し係・・・>
家のゴミ出し係は最近私が担当になった。月曜日、木曜日は可燃ゴミ、金曜日は資源ゴミ、第1、第3土曜日が不燃ゴミ、と今は頭にインプットされているので前日に翌朝のゴミ出しの心遣いをするのが習慣である。自分で分別をしてゴミを出すようになるとかえって不要品を処分しやすくなったような気がする。ビデオテープやCDなど、以前は不燃ゴミか可燃ゴミか迷うこともあったが今は堂々と可燃ゴミとして処分できる。分別のやり方は地域で異なるようであるが東京では最終処分場を長く使えるように前には埋め立てゴミとしていたプラスチック類は2〜3年前から可燃ゴミとなった。焼却の際の熱エネルギーを活用していることは云うまでもない。それにしても「ゴミ処理」事情を知れば知るほど地方自治体の"大事業”だと思う。これだけでも税金を納入する意味はある。いまは東北地方で大震災の瓦礫の山をいかに処分するのか、その苦労を思うだけでも気が重い・・。
 
2011-04-24@中目黒公園、右の写真は「 イワヤツデ(岩八手)」の花

4月25日(月) <慰めの言葉ほど難しい・・・>
慰めの言葉ほど難しいものはない。大震災の被災者を前にしたときどんな言葉をかけるか・・。下手な言葉を発すれば相手を余計に傷つける。言葉は誤解されることも多い。けれどもこのような時に「沈黙は金」であろうか。「雄弁は銀、沈黙は金」(Speech is silver, Silence is golden. )という。”言葉は束の間、沈黙は永遠”であり、内省的な「沈黙」は確かに雄弁に勝ることもあるのは分かる。けれども一方で「沈黙」はしばしば「無視」や「無関心」に通じる。二年前に息子が亡くなった折、知っている人に会って話をしたときにそのことを一言も話をされず「無視」されたように感じたことがあった。妻も私も同じような体験をしたが、相手は気を遣って話題に出さなかったのだろうと解釈したが淋しい思いがしたことを思い出す。大震災の被災者にはいつも関心を持ち応援をしているとメッセージを発信し続けたい。

4月26日(火) <「折り紙飛行機」・・・>
「折り紙飛行機」を表紙の「今日の作品」欄に掲載した。これは2月21日のコラム(=ここ)で紹介した「折り紙飛行機カレンダー」。毎日一枚のカレンダー用紙で折り紙飛行機を折るので年間に300余機の飛行機が完成することになる(土曜日、日曜日はまとめて一枚)。これまでに100機ほどが完成したもののほんの一部の写真を撮影して掲載したものだ。日記と同じでうっかりすると一週間分をまとめて制作することもあるが完成すると必ず飛行させてみる。そして、よく飛ぶものには○、うまく飛ばないものには×、中間は△の判定を裏に記載している。今年いっぱい続くので未だ残りの枚数は多い。これもまた”継続は力”で続けることにより数の迫力がでてきそうだ。せっかく作った折り紙飛行機をただ保管箱にしまっておくだけでは勿体ないので遊んでもらえる小学生でもいないか探している・・。


4月27日(水) <”孫バカ”・・・>
”孫バカ”に関しては人後に落ちない。ニューヨークに住む10歳の孫娘は日本語でブログを発信している。このブログで取りあげられるYou Tubeの動画が私の興味と非常に似通っているので、私は孫娘のブログで世界の名作動画を何度も楽しませてもらった。今日も孫娘の書いたものから「孫引き!!」をして動画を紹介したい。10万本の爪楊枝を使って作った「球転がしができる構造物」の動画である<Scott Weaver氏作>=ここ=。私も2005年(=ここ)、2006年(=ここ)、2009年(=ここ)に陶芸作品で鋼球を使った”球転がし”を制作したので、爪楊枝構造のすばらしさ・もの凄さが特別に分かるような気がする。作者は35年掛けてこれを制作したというから、これはただごとではない。動画もよくできているが実物をみたくなった。サンフラシスコで開催(6月末まで)では残念ながら行くことはできない・・。
2011-04-27@ヒルサイドテラス(代官山)

4月28日(木) <海先生がお亡くなりになった・・・>
”海先生がお亡くなりになったそうですよ”と久しぶりにテニスの相手をした女性が教えてくれた。彼女の娘さんと私の娘が共に目黒駅の側にある幼稚園に通った縁があり、今、彼女はまたお孫さんを同じ幼稚園に送り迎えをしているという。その幼稚園(白金幼稚園)の名物園長さんであった方が海卓子先生。1909年(明治42年)生まれの海先生は87際まで現役の先生であったので少々年代がずれても皆海先生を知っている。インターネットで調べると今年の3月25日に葬儀が行われたことが分かった(何と享年101歳!、関連記事例=ここ)。海卓子先生は自然を重視し、「遊ぶこと」「働くこと」を通して社会性の芽生えを育てる幼稚園教育を実践した。そういえば娘が通っていた時代にも園内には鶏や兎が走り回っていた。海先生の若かりし頃のエピソードなどを中国人翻訳家が綴ったものもインターネットで見つかり(=ここ)今になって先生のいろいろな側面を知る。幼児教育一筋、周囲から愛されつつ逝った海先生に合掌。
2011-04-28こどもの城の鯉のぼり@ 渋谷区神宮前

4月29日(金) <電力料金削減策・・・>
電力料金削減策が着実に進行している・・、とは我が家でのことである。大震災後に節電が叫ばれているが我が家ではそれ以前にLED電球による節電のほか電力料金を減らす対策に取り組み、この4月から効果が目に見えてきた。一番大きいのは冷暖房機器に三相200Vを使っていたものを全て契約解除して100Vとしたこと。どういう訳か以前から三相200V契約できており、この場合基本料金がべらぼうに高い。ほんの少しでも電力を使うと基本料金が8000円余なので冬場はブレーカーを切って使用ゼロとしたが、それでも基本料金4000円余を徴収される。この基本料金が契約解除でゼロになったのが大きい。それからLED化の効果も出始めている。電灯をLEDに変更することは現在も進めているが(今日もこの作業を実施)問題はまだLED電球のイニシアルコストが高いこと。もう少しLEDの電球が安くなれば「節電」は更にしやすくなる。何しろ従来の白熱電灯で100Wを使っていたとするとLED7.5Wを2個に十分置き換えられる。電力が5分の1から10分の1で済むのには快感さえ覚える。これから夏にかけて更に節電を競うことにしよう。
2011-04-29@中目黒公園

4月30日(土) <最近、創作意欲が・・・>
最近、創作意欲が明らかに低下している。絵でも、陶芸でもまた他のことでも何かこれまでにない新しいものを創り上げようとする気が起きないしまたアイデイァも湧かない。これまでの経験から創作意欲には”波”があることは承知している。バイオリズムというか"やる気”にも周期が存在する。けれども今の”やる気のなさ”はやはり大震災以降であることは確かだ。一つは大震災の影響で5月に予定されていた作陶展が中止されたこともあるだろうが、それとは別に今の時期に好き勝手な”創作活動”をやることに抵抗を感じる。あるいは大震災前と違う何かを加えたいがそれが何かを掴みきれないところもある。このような時に私の流儀は決まっている。それは流れに任せること。焦(あせ)らないで体力を保持する。元気でさえあれば、”なるようになる”。
2011-04-30@中目黒公園

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