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●DENON CD/SUPER AUDIO CD PLAYER DCD-1650AE

3月のJBL Control Monitor 4318、6月のAccuphase STEREO INTEGRATED AMPLIFIER E-308に続いての立て続けのオーディオ機器更新である。元々筆者の音楽再生はRME Hammerfall DSP RPMからの再生を前提にしているから、CDから直接再生するのは、希にFM放送を聴くのと同じレベルで例外扱いだ。それでも更新を考えたのは、CDからの直接再生がHammerfallからの音のリファレンスになるから。DCD-1650AE写真さすがに筆者が学生時代にバイト代を貯めて買った20年近く前(正確には1987年正月)のKENWOOD DP-7060ではいくら何でも古すぎて、最新のスピーカーやアンプとのバランス的に問題があるだろう。ただ、他の機器にあわせて20万円台の機器を買えばいいかというと、そうは思わない。科学的に考えて、CDプレイヤーの場合、DACとそのあとの僅かなアナログ回路さえ良ければ、十分高音質になる。ドライブや電源、ましてや筐体などはそれを邪魔しないよう配慮するのみでよい。これって比較的容易なことだと思うし、価格的にも数万円で可能だろう。せいぜい10万円も出せば最新のDA回路を備えていて、JBL4318やE-308にあまり見劣りしない品質のCDプレイヤーが購入できるだろうと考えて動いた。

・ネットで見かけた情報〜DCD-1650AE

JBL4318やE-308を選ぶときは、ネットの情報を補助的には使っても、現物を前にして試聴やデザインで決めた。今回はネットの情報でほぼ決めて、最終現物を確認して買うという方法を取った。と言うのも、あくまでも普段使うHammerfallのリファレンスなので、程々に評判が良くて、実際音がまともであればそれでいいと思っていたから。DENONのCDプレイヤーは評価が高いし、「ADVANCE AL24 processing」なんていうbit拡張と補完のテクノロジーも面白そうだ。デザイン的にも新しくなって野暮ったさがなくなった。最後はヨドバシカメラで現物確認。最後までTEAC VRDS-15で安くつけようかと迷ったりもしたが、一部のスイッチの操作性が気に入らなかったのと、DCD-1650AEを(同じくDENONの)PMA-2000AEとDALI HELICON 800で鳴らしてみていい音出していたので必要充分と判断して即決してしまった。税込み135,300円(ポイント還元10%)

・とにかく重い

売れ筋で在庫も豊富だったので、お持ち帰り。とにかく重い。本体13.3kg。大きなトランスや放熱板のないCDプレイヤーが何でこんなに重いのかというと、やたらと振動防止の対策がしてあるから。筆者的には、なにもコストかけてここまでやらなくてもいいんじゃないのと思う。CDをエラーなしで読み取るのは特に難しくない(現にPCでエラーでない)んだから、CDの変心とかで動くサーボの影響が、アナログ回路に響かないようにするだけで充分なような気がする。

・確かにちょっと良くなっている

DP-7060とつなぎ買えてさっそく聴いてみる。確かに解像度は一段上がった。ピアノの響きもいい。でも画期的に変わっているかというと、決してそうではない。元々hammerfallからの再生音に慣れていたせいもあるが、どちらかというとCDの限界に近いところだから、いくら「ADVANCE AL24 processing」で補ったところで、どうしようもない部分だと筆者は思う。コストパフォーマンスを考えたら、もう少し下のクラスでも良かったが、まあこの程度鳴らないとHammerfallに見劣りしてしまうから、落とし所としては適当な線だったのだろう。

・このへんが普通に出せる音の限界?

CDプレイヤーだけで13万円。これ以上の機種となると20万円以上になるだろう。上位機種と聞き比べてもわからなかったことからも、このへんの機種でもCDの再生能力のほとんどを出し切っていると思う。これ以上CDプレイヤーに投資するのなら、お金を出した分だけ見返りのあるスピーカーにつぎ込む方がいいのではないだろうか?なんて言ったらメーカーに怒られそう。普通の耳の人が普通のアンプやスピーカーで聴く場合、と付け加えておこう。 (Aug.14.2005)

■関連情報 AudioVideo用PCの製作 RME Hammerfall DSP RPM JBL Control Monitor 4318
Accuphase STEREO INTEGRATED AMPLIFIER E-308 RME Hammerfall DSP Multiface II

●CDのマスタリング品質について

筆者は別にCD制作について専門家でもそれに近い筋でも何でもないのだが、最近のCDを聴いてみてどうも気になることがある。POPS系やLOCK系で、曲の最初から最後まで音のピークがやたらと揃っているのだ。しかもCDの最大音に。ひどいものになると、完全にCDのピーク振り切って平坦になっている部分があるものすらある。他のCDに音圧で負けないための対策として、マスタリング時に揃えているのだろうが、90db以上ダイナミックレンジのあるCDなのだから、もっと有効に使って音楽の中身で勝負して欲しいもの。こんなことしているから、まともな機器で再生する意味がなくなって、コピーが横行する一因になっているのがわからないのだろうか?

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