蕎麦の唄
                         栃木・茨城・群馬・千葉・神奈川

  栃木/蕎麦挽唄
   
        ヨーイショナー ハァ カッコメ カッコメ
       蕎麦はこう挽けよ こうして粉(子)に  孫はこうして こう育てな
       ハー ゴンモリ ゴンモリ

 
        鬼怒川の支流湯西川渓谷にある塩谷郡栗山村湯西川(平家の侍大将忠実が開いたとの
        伝説がある)で歌われている。
        囃子詞のカッコメは上臼の穴に蕎麦の実を入れる動作、ゴンメリは臼を回すときの音を表わす。
        明神岳をはじめ、1300メートル以上の山々に囲まれた落人の里とはいえ、ここの蕎麦挽き唄には
        苦しいながらも落ち着いた暮らしぶりがうかがわれる。

  茨城/潮来節
 
       主と私は ふうりん蕎麦よ 切れていながら のびたがる
 
        潮来節は寛文以前から水郷潮来の船頭唄か 遊女の棹の唄だったのが明和年間(1764〜72)から
       江戸で流行した。
       風鈴蕎麦は宝暦ごろ(1751〜64)江戸に現れた清新な夜そば売りで、当時はやりの風鈴蕎麦を
       文句に採ったものと思われる。
       まるで縁が切れたようでも、偶(たま)の逢瀬にはのびたがる意。

  群馬/盆踊り唄
   
       わたしゃもとより うどんが嫌い 少々切れても そばがよい
 
       利根郡新治村で歌われている。

  千葉/そばや(磯部囃子)

       蕎麦屋どんぶりばち 落とせば割れる ねえさん島田は 寝てわれる
       親馬鹿ちゃんりん 蕎麦屋の風鈴

 
       「そばや」は佐原囃子の端物といわれる磯部囃子の一つだが、同地方独特のものでなく、
        江戸からはいったものらしい。

  神奈川/焼米搗唄
 
       目出たいものは 蕎麦の花 花咲いて実なりて みかどおさまるー鎌倉市
     
       目出たいものは 蕎麦の花 三がいに花かけ みかどおさまる ー高座郡


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