平塚の家-2
建て替え事例
階段吹抜け見上げ
更に、もうひとつのテーマ(こだわり)は、2階の天井の高い居間空間へ至る、空間の連続した変化でした。
玄関ホールから階段を経て居間に至るのですが、玄関に入った時から、そのダイナミックな空間の予感が感じられ、階段を登り始めると徐々に、その気持ちが高まって行くようにしたいと考えました。その為に玄関ホールでは、階段の一部が姿を表し手招きし、
階段を登り始めると、居間の高い天井の一部が顔を出し、階段を上るにつれて人の気配やにぎわいなどが溢れ出してくる。性格の異なる空間同士が違和感なく滑らかに連続して行くこと。
音楽に例えれば、序曲から第1楽章、第2楽章と滑らかに楽曲が連続してゆくように、各々の空間が違和感なく有機的に連続して行くことがテーマでした。ドア1枚だけで異種の空間が連続して行くようなことは出来るだけ避けたいと思っています。
階段吹抜け
階段は1階から2階への上下の重要な換気経路になります。
高さを利用して 夏期 : 通風換気・排熱
冬期 : 日射の取込
■高さを利用しての通風について
通風により、換気及び夏期の排熱を促進させることにより、室温よりも低い温度の新鮮な外気を導入し、蒸し暑さを低減させ、快適性を向上させます。
2階 LDより西側階段吹き抜け方向を見る
正面9個の窓は階段吹き抜け部の採光・換気用です。
水平な黒い手摺の腰部分には通風の為、パンチングメタルを使用しています。
手摺の手前に2本引きの障子戸は入り、リビングと階段を仕切ります。
現在は2本とも左側の壁内に引き込まれています。
2階 LD
小屋組を和小屋とせず、洋小屋にしたのは、この方がトラス(三角形)を形作るため力学的に有利であり、大きな空間を作り出すのに適していたからです。反面、 施工的には難しくなり、大工泣かせではあります。棟梁と一緒に原寸図を引き、納まりなどを検討しなければなりませんでした。
2階 LD
価格的にはこの地域の平均的な坪単価でというのが建主の要望でした。
希望する天井の高い個性的な住まいが、この条件内でできたのは、 2階天井を洋小屋組表しとしたことも大きかったと思っています。