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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2018年1月1日

3.母の独立宣言


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ちょっと解説をー 

「平井さん、実は週末 実家に帰ってきたんですが、ちょっと衝撃的なことがありました」と友人から言われて、その話をきいてみたら、、、。これが まさに“旬の話題”に他ならない。「ぜひ、わたしのHPに書いてくれないかしら」とお願いした。
「もう、好きにさせて!!」という86歳の叫びーは、わたしの胸にドーンと響いたのだった。
                   <平井 ゆき子記>

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「もう、好きにさせて!!」
                    (記 大原延恵さん)


5年前に一緒にニューヨークに旅した母も86歳になりました。夏休みに帰省することを伝えると「話がある」と。両親は、弟家族と暮らしています。折しも父は入院中。きっと今後の身の振り方だろうと、弟・弟の妻・私の3人が母を前にテーブルにつきました。

 

―5年前のNY旅行にて、左側が大原さんのお母様―

 

「私、家を出ます」と宣言。たぶん、一番衝撃を受けたのは、義妹でしょう。とても献身的に両親の面倒をみてくれています。しかし、母との付き合いが長い私と弟は、「ふむ」と続きを聞きました。「もう自由に生きたいねん。好きにさせてほしい!!この近くのマンションで便利のええところに引っ越すわ」。高齢夫婦に貸してくれる物件はあるのかなど、気になって聞いてみると、「駅前の不動産屋さんに相談したら、この家から駅に行く途中で、スーパーマーケットのすぐ横くらいの物件を貸してくれるらしい。」

 

翌日、母・弟と私で不動産屋に行って、見学しました。車椅子で出入りできて、うちから近くて、85歳以上の夫婦だけで暮らすことがOKな賃貸マンション(分譲タイプでしたが)物件が、本当にあるんですね。結局、その週のうちに契約しました。

 

 

 

入院中の父が帰ってくるタイミングで、新居に引っ越す予定でした。が、父は嬉しかったのか、すぐによくなって、退院してしまいました。その時までの住まいは、車いすの父だけが1階に滞在していて、あとの家族は、2階にいます。今度の部屋は、父にとってみればどこからでも母の姿が見えるのが良いようです。食事も母が作りますから、好きなものをリクエストできます。同居中は、義妹が作ってくれていましたが、父は遠慮して食べたいものをリクエストできなかったようです。また、孫が受験生のため、音に関しては敏感になっています。独立すれば、耳の遠くなっている母も、好きなテレビ番組(クラシック音楽番組が大好き)を大音量で遠慮なく見られるし、80歳を過ぎて始めた篠笛の練習も存分にできます。

 

 

シャープ・AQUOSのパンフレットより

 

 

 引っ越して1か月後くらいに、私も泊めてもらいました。「家電だけで100万かかった!」とぼやいていましたが、そりゃ、あの大きさのテレビなら、そうでしょう。冷蔵庫、洗濯機も最新でそれなりの大きさがありました。料理は、ガスは怖いので、電磁調理器です、固定電話は引かず、携帯電話のみ。パソコンは、使えるので、メールや調べものも不自由ありません。

 

 父は介護が必要なので、そこが大きな問題でしたが、弟夫婦と相談した結果「私設施設の開設って考え方でいこう」となったようです。父の面倒を一人で全面的に見ることになる母も高齢です。ストレスをためないためにも、おけいこごと(篠笛、水泳)や趣味の外出はして欲しい。そこは必要に応じて、デーサービスを利用し、ヘルパーさんを頼み、夜は、看護師さんが宿泊してくれるサービスを利用するのです。料金は、施設に入るのとさして変わらないとか。弟夫婦も駅から家への帰り道なので、仕事帰りにほぼ毎日寄ってくれているらしいです。
 両親は、新しい環境、新しい家電、自分たちらしいルールで、あらたな新婚生活を楽しんで送っているように見えました。     (続く)

 

 

 

 

おまけ
 デジタル機器が使えると高齢者だけの暮らしもなんだか安心です。
逆にヘルパーさんたちが、それらを使えないなど、そういうすれ違いは出ているようです。価値観の違う人が家に入るのは、もちろんたいへんです。価値観だけでなく、機器などを使う能力の違いも生活の場面では影響が大きいですね。
 母はマニュアルを見れば、最新機器も使えますが、どうやらヘルパーさんが
マニュアルを重視しないで、処分しちゃったとか。トラブルが発生するとそのための対応で、ワサワサしていました。

関連記事
2012年11月掲載(NYシニアマンション訪問記)

もう1つのおまけ
5年前にニューヨークでお会いした母の友人K子さん(最初の写真の右側の女性)、今はイタリア人の年下ボーイフレンドと楽しくしているみたいです。人生ってなんというか、80歳超えても楽しいことがいっぱいなんだなぁ〜としみじみ感じるこのごろです。

 



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