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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2024年5月1日

2.ウイッグと ブラジャー

 

<はじめに>
<さて ウイッグは>
<そしてブラジャーのこと>
<銭湯での出来事>
<立ち寄り温泉にて>
<わたし自身が目撃したのはー>

<はじめに>

 いつかこのテーマで書いてみたいと思っていました。ただ、いつかーといっても果たしたその日が来るのかどうか? 来ないかもしれないという不安をずーっと抱えていたのも本当です。
 67歳の時に乳がんを発病して、即 抗がん剤治療―手術―放射線治療を受けてそろそろ10年になろうかというところです。幸運にも相性のいいドクターに恵まれ、もちろん現在も定期的にチェックを受けています。「できれば10年は飲んでほしいんですけど、、ね」と言われたホルモン剤も6年で卒業しました。
乳腺外科のドクターも2人目になりました。「何に気をつけて生活したらいいですか?」という私の問いかけに対して40代の男性ドクターは「毎日 楽しく生きてください!!」と笑顔で応えてくれました。

 

 

<さて ウイッグは>

「抗がん剤が始まったら1週間目で、髪の毛が抜けます」とクリアに言われたので、即 ウイッグを買いました。当時はまだ大学で講義をもっていましたので、やはりちょっとドキドキしました。
でも、学生からは「先生は、ショッチュウ髪型を変える人、カラーリングもいろいろやる人」と思われていたので「先生、また髪型変えたんですね」という反応があったのみでした。
それにしても まあいくつ、ウイッグを買ったでしょうか? 今にして思えば「死ぬかもしれない」という切迫感があったのも事実です。4つ位までは覚えていますが、、。そして、信じられないくらい、このウイッグのために多額のお金を使ってしまいました。

昨年の引っ越しを契機に、全て捨てました。

 

 

<そしてブラジャーのこと>

「胸の再建手術はどうしますか?」と訊かれたとき「しません」と即答しました。もちろん、このことで後悔はありません。
 わたしは温泉が好き、特にサウナが大好きなのです。この9年の間に不愉快なことは何度かありました。ただ、記憶に鮮明に残っているのは2度だけ、他にも遠慮がちにアプローチされたことが何度かありましたが。 

 

<銭湯での出来事>

最も衝撃をうけたこと、それは 近所の銭湯に行ったときのことでした。ほとんどお客さんがいない早い夕方の4:00頃のこと、薄いべ―ジュ色のブラジャーをつけて 女湯に入ろうとした時です。
番台にいたその銭湯の女将さん(といっても50歳位?)が、「何を着てるんですか?」と大声をあげて飛んできました。あまりの剣幕にわたしも、他のお客さんもビックリ!!「乳がんの手術をして傷口が大きいのでブラジャーをしています」とできるだけ冷静に答えました。すると「女湯なんだから、そんなこといちいち気にしなくていいからーー」とまたも大声で非難するような口ぶりでした。

 私の本音は、一刻も早く立ち去りたいと思いました。が、しかし「こんなことで ひるんではダメ!!」というもう一人の私が胸の中で叫んでいました。そうはいっても、手短に体を洗って終了。「さて、帰るときあの女将に何といって帰ろうか」と思い巡らしながら、、出口へ。ところが、なぜか 番台には人が居ず、もぬけの殻?? わたしは気持ちのやり場がなく帰宅しました。

 どうしようか?―区長に「訴えの手紙を書こうか」としばらく 2・3日真剣に考えました。残念ながらもうその銭湯には行く気にはなりませんでした。そして、そこはまもなくクローズになりました。

 


  
<立ち寄り温泉にて>

 もう1つは 友人たちと温泉に行ったときのことです。サウナに入っていたらそこのスタッフが来て「お客さん、変な?恰好をしている人がいると言われたんですが、、どうなさったんですか?」と訊くのです。訊かれたわたしはビックリ、でも冷静に「乳がんの手術をして傷口が大きいのでブラジャーをしています」と答えました。
すると「――だそうです」と恐らく?クレームを言ったらしいサウナにいた女性に受かって言ったんですね。

もちろん、その後は 何事もなかったように サウナを満喫しましたが。これって何? という思いがぬぐえませんでした。云う方も云う方だし、私に対してもっと口の利き方があるんじゃないの!?とースタッフの言い方にも腹が立ちました。

 手術後約10年の間に胸に突き刺さったことは以上の2つです。これを少ないとみるか? 多いとみるか? いかがでしょう!?

 

 

 

<わたし自身が目撃したのはー>

 そしてもう1つ 特筆すべきこと。わたしは後楽園のスパ・らークーワの会員です。
手術後、数年スパに通っています。おそらくスパにはもう何百回!といっています。

ここで私のように術後と思われるブラジャーをつけている人を目撃したのはたった2回だけ。どちらの人ももちろん堂々と普通にふるまったはいましたが、傍にかならず友人と思われる女性がいて、あたかもガードを固めているといった印象でした。一人ではなかったですね。
 私も最初は「2度見される」ことにもドキドキしていましたが、今ではすっかり平気になりました。「どうなさったんですか?」などと質問する人ももちろんいません。今ではサウナの常連ですから、会釈をする人も何人かいます。

気が付けば、体のどこかに大きな傷を負っている人、あざがある人、体が傾いている人、さまざまな方が世に中にはいますね。
 それは 消しようもないその人の個性といっていいでしょう。

人と違っている、多数派ではない。でも、当たり前のことだけどみんな頑張って生きている。そういうそれぞれの人が持つ違いを違いとして受け入れられる人に、私はなりたいと いつも自分自身では心に言い聞かせています。

 

●リンク
<2017年1月1日 1.幸運な出会いに感謝して>
―これは 9年前の乳がん闘病記です、あわせてお読みいただけたら 嬉しいです。―



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