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ダービー 「スペクタクル」型皿(二枚) (1756-65年頃)
Two Derby "Spectacle" Plates Ca.1756-65





 縁部分が丸い眼鏡のような円形の連続になっていることから「スペクタクル(Spectacle:眼鏡)」型と呼称されている形状の皿で、デュズベリー期最初期のダービーを特徴付ける作品の一つである。左側の作品は「眼鏡」のガラスに相当する部分は窪んでいるだけであるが、右側の作品ではこの部分が切り抜かれている。また、皿の中央部分も、左側の作品は平らであるが、右側の作品は葉を重ねた形になっている。

 絵付けは、ともに"Cotton-Stem Painter"風の花絵でありダービー「D1-1」ダービー「D1-2」ダービー「D1-9」ダービー「D1-10」及びダービー「D1-11」を参照。)、
の形の皿にはこれと同様の図柄が描かれることが多い。(他には、重ねられた葉の上に葉脈模様のみが描かれた作品もある。)縁部分は、濃い茶色で縁取られている。高台については、興味深いことに、左側の作品ではその大部分がひき切られているが、右側にはそうした加工は一切ない。歪みのある器形とも相まって、初期作品の風情を強く感じさせる作品である。

直径(D):18.5cm

マーク:なし
Marks:None

参照文献/References:
- F.A. Barrett & A.L. Thorpe "Derby Porcelain" Pls.31 and 32
- D.G. Rice "Derby Porcelain The Golden Years 1750-1770" Colour Pl. D(a)
- W. Williams "Early Derby Porcelain 1750-1770" Nos.17, 18 and 39
- H.G. Bradley "Ceramics of Derbyshire 1750-1975" Nos.95 and 96
(2009年4月掲載)