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ダービー スタンド (1756-58年頃) 修復プロジェクト
Derby Stand Ca.1756-58 Restoration Project
<修復前 Before Restoration> <修復後 After Restoration>
ダービー初期のスタンド(下皿)あるいは小皿である。縁部分は縦縞模様に成型され、その上に花模様が浮彫りにされている。絵付けは、当時の代表的な絵付け師であるCotton-Stem Painter(ダービー「D1-2」、ダービー「D1-4」、ダービー「D1-9」、ダービー「D1-10」及びダービー「D1-11」を参照。)によるものである。
さて、本品はいくつもの破片に損傷しており、購入当時は素人的な修復が施された痛ましい状態であった。左側の写真がその当時の写真である。購入後に、専門の修復業者に依頼して再修復を行った後の写真を右側に並べて、対比できるようにしてある。再修復の内容は、古い接着剤を取り除き、洗浄し、傷口を漂白し、再度接着するというものである。細かい欠損部分を似た素材で埋めることもできたのだが、あえて行わなかった。オリジナルでないものは一切加えたくなかったからである。
今回依頼した修復業者は、エアブラシなどで傷だけでなく作品全体を塗りつぶしてしまうことの多い「見えなくする修復」に対して否定的な立場をとる業者で、素地や絵付けをできる限りオリジナルな状態に保つことを重視している。再修復の結果は一目瞭然であるが、表面の絵付けや浮彫りには全く影響を与えずに、傷のみが目立たない形になっている。写真では、欠けている部分以外はほとんど傷が見えないかもしれないが、実際に手に取れば、継ぎ目は(目立ちはしないものの)確かに見える。しかし、それこそが、本品の自然な姿でないだろうか。
マーク:なし
Mark: None
サイズ:16.1p x 12.2p
Size:16.1p (6 3/8 in) x 12.2p (4 7/8 in)
文献/Literature
- F. Brayshaw Gilhespy "Derby Porcelain" No.35 illustrates a quite similar stand.
- A. L. Wells "Early Derby Painters and Decorators" Derby Porcelain International Society Journal II, Fig.2A illustrates a same moulded dish with floral decoration by a different hand.