ダービー「デザート80番図柄」菱形皿
(1785-95年頃)
Derby Desert Pattern #80 Lozenge-Shaped Dish
Ca.1785-95
幅広の縦縞が入った菱形皿の周辺部3ヶ所に、バラを中心とする花束が鮮やかに描かれている。裏面に図柄番号の記載がないが、デザート80番図柄だと思われる。図柄集によると、この80番図柄の花束には、他にヒナギク、リンドウ、ケシなどが含まれるとされ、本品にはチューリップなども描かれている。この図柄は、特定の絵付師に任された図柄ではないが、William Billingsleyの描いた(彼の番号である7の記載された)作品が残されており、彼と関連付けて論じられることが多い。本品も彼のスタイルで描かれている(ダービー「D3-2」、ダービー「D3-4」、ダービー「D3-11」、ダービー「D3-13」、ダービー「D3-14」参照)。金彩師(又は絵付師)William Longdonの用いた番号8が、裏面マークから見て3時の方向の高台内側に記されている。
本品は、Shrewsbury伯爵(Talbot家)のコレクションであったデザート・セットが、インターネット・オークションで分割販売されたうちの一枚である。同じセットの丸皿2枚を『Antique Kit Porcelain Gallery』のウェッブサイトで見ることができる。花束の構成の違いや、異なる金彩師が担当(こちらはJoseph StablesとThomas Soare。本セットは多くの金彩師が分担したようだ。)している点なども興味深い。なお、1830年頃に第16代Shrewsbury伯爵が、ブルア・ダービーから濃緑地にフルーツを描いた豪華なセットを購入しており、「Shrewsbury伯爵のセット」として名高いが、本セットとは異なる。
マーク:裏面に暗褐色で「王冠、交差するバトンと点及びD」。高台内側に暗褐色で「8」。
Mark: <Crown, CrossedBatons&Dots and D> painted in puce on the bottom. <8> painted in puce on the foot rim.
サイズ:27p x 21.5p
Sizes:27p x 21.5p (10 5/8 in x 8 1/2 in)