油汚染海鳥被害委員会(Oiled Bird Information Committee ; OBIC)

油汚染海鳥被害委員会(Oiled Bird Information Committee、通称OBIC)は、1月6日、日本ウミスズメ類研究会とPacific Seabird Group日本海鳥保護委員会によって作られました。(現在は日本野鳥の会が事務局、WWFJや日本鳥類保護連盟など、団体の枠を超えて構成されています。)
 委員会は、資料の収集(海岸でのセンサスを含めて)と、被害の記録、被害規模の推定 をおもな目的としています。  我々が海鳥のためにまずしなければならないことは、救急医療です。生きている鳥の救護には、おもに野生動物獣医師協会(WRV)の方々があたっています。
 しかし、残念ながら、多くの鳥は救護されても死んでしまいます。なぜなら、救護された時点ですぐに弱っている鳥が多いことや、人間と接触することによるストレス、油による直接的な中毒などがあるからです。
 1969年にイギリスでおきたTorrey Canyon号の流出事故では、8000羽の海鳥が洗浄されたものの、放鳥されたのはほんの一握りで、さらに繁殖までいたった鳥は一羽もいなかったと推定されています。当時と比べると医療技術は格段に進歩し、関係者の努力によって救護された鳥の半数弱が放鳥されるようになりましたが、こうした鳥たちの影に、多くの死があることを理解するべきです。
 そのためには、今回の事故の正確な記録を残すことが必要です。鳥の種類、数、場所、状態などを正確かつ確実に記録することが、事故の規模を推定するためにきわめて重要です。事故に遭った海鳥の中には世界的に絶滅に瀕している海鳥も含まれており、今後の環境再生に向けて、我々は力を合わせて努力しなければなりません。”放鳥すれば終わり”ではないのです。

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Compiled by Koji Ono kojiono@gol.com
Revised: 20 Feb. 1997
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