昨年の夏に買ってから1年と数ヶ月が経過した。大抵のゲームは買ってからしばらくは気合いを入れて遊ぶが、このゲームは別格で、いまだに思い出したように遊んでしまう。もっとも長期にわたって遊べるゲームは他にもいくつかあるがそれはまた別の機会に紹介するとして、初期の印象からかなり変わった部分もあるので、改めて評価してみたい。
まず初めに、アップデートの件。購入したのは英語版なので、MicroproseのWebサイトにアップデータがあって、バグ取りや改良がされている。昨年10月のVer.2.42というのが最新である。
メーカーによってはバグ取りと機能アップを兼ねてパワーアップキットなどの名目で追加費用を取られたりするのだが、Microproseは比較的良心的で、パッチを無料配布するだけでなく、機能が改良されたりしても無償である。たとえば、「II」になって画面表示が斜めから見た立体表現になったが、このせいもあって地形のグリッドがわかりにくくなっている。初期のバージョンでは黒線でグリッド表示するだけであったが、プレイヤーの都市半径(city radius)内は白線で表示されるようになって、より便利になっている。このように、目に見える改良もあるが、パッチのドキュメントには微妙なゲームバランスや不具合の改良が細かに記載されていて、完成度を高める努力の跡がよく見える。このへんは国産のゲームメーカー(一部を除く)も見習ってほしいものだ。
次にこのゲーム自体の評価であるが、当初の評価は下記の関連情報を参照していただくとして、それ以降に得たものを中心に記載する。
以前から問題にしていた、コンピュータが担当するライバル国の戦略が今ひとつで、特に科学技術の進歩に関してあまり積極的でなく、防衛や侵略の兵器づくりに奔走している点は、パッチなどでも改善の跡が見られず、この点でプレイヤーが優位に立ってしまうことは変わらない。それでもライバルに技術的に大きな優位を持ってしまうと、たいてい同盟して喧嘩を売ってくるので、難易度が高くなってくるとそれなりにやっかいである。それなら適当に技術を与えて味方に引き込めばと思うのだが、、ちょっとした隙に敵国に買収されたりして手なずけるのは難しい。結局のところこのへんの駆け引きがこのゲームの一番のポイントだと考えると、結構現実的で、飽きのこないところである。
それでも最初のバージョン(IIでないもの)から共通する、大きな国土と人口と多くの資源を持つことがゲームを優位に進められる点は変わっていない。滅んだ民族はそれで終わりで、支配民族と被支配民族という火種もなく、暴動は起こっても反乱はない(敵国に都市が買収されることはあるが、これは既存の民族に占領されるのと同じで、反乱とはいえない)ので、国が大きいことによるデメリットがあまりないことになる。このへんはより現実性を求める私個人の趣味による部分が大きいし、ゲームがより複雑化すれば、楽しめない人が増えてしまうから、バランスが難しいに違いない。
しかし、大きくて強ければいいという前作の単純さから、「II」になってより外交的な戦略を重視する方向へゲームが変わっているわけで、このへんを大きく評価したい。民族=国家という単純な部分を残しつつも、軍事力や経済力だけでなく、国家間の駆け引きまで楽しめるわけで、長期間のプレイや戦略を考えることが苦痛でない人には是非楽しんでほしいおすすめゲームである。
9月1日から問題になっていた、バックアップ時の速度低下問題について、一通りの調査が完了し、問題が明らかになったので報告する。
今回は未測定となっていたソフトウェア・ハードウェア両方の圧縮を切った状態でのバックアップ速度について計測した。ハードウェア圧縮のみの場合と比較して程度は低いものの、速度低下が見られるという結果となった。このことは、ソフトウェア圧縮を切ることが、テープドライブへの転送データ量を増加させ、ATAPIのインターフェイス速度がボトルネックとなっていることを示している。しかしながら、速度低下は比較的小さいことから、9月1日に問題となった極端な速度低下は、主にハードウェア圧縮の能力に起因するものと結論づけることができるであろう。
いずれにしても、ソフトウェア圧縮を切らない限り、ハードウェア圧縮の能力があまり表面に出ることはなく、大きな速度低下はないといえる。ソフトウェア圧縮を切った場合に、ハードウェア圧縮を入れた方がいいのか、切った方がいいのかに関しては、全く同じ条件で比較してみない限り、正確な結果を得ることは難しいと思われる。現実問題として、不在時にバックアップしておくという私個人に使い方では、多少の速度変化は問題にならないので、適当な機会があるまであえて追求しないこととしたい。
ソフトウェア圧縮 | ハードウェア圧縮 | 速度低下 | コメント |
---|---|---|---|
あり | あり | しない | 以前からの設定 |
あり | なし | しない | 前回の設定 |
なし | あり | 1/4 | 9/1トラブル時の設定 |
なし | なし | 1/2 | 今回の設定 |
結論を整理すると、「ソフトウェア圧縮を切ってはいけない」ということである。
5月から使い始めたMillenniumであるが、それ以来MillenniumIIが発売されたり、高画質と3D性能を備えたRevolution3Dが発売されたりで、それなりに見劣りしてきた。それでも新製品を投入するにはまだ早い(ドライバが不安)と思われるし、などと考えながらMatroxのWWWを見ていたら、BIOSのアップデートを発見。12/1のリリースVer.2.80である。この期に及んで大きなバグもないだろうから、とりあえず上げてみることにした。前回のアップデートで「簡単だった」旨記載したら、方法がわからないとの質問もあったので、ちょっと詳しく書いてみる。それでも以下に記述することはあくまでも実施例であり、トラブルが発生しても筆者は全く責任を持てないので、あくまでも個人の責任で実施していただきたい。
ファイル名はsetup311.zip。これを適当なフォルダに展開するといくつかのファイルが出てくる。MillenniumのカードにあるBIOS-ProtectionスイッチがEnableになっていることを確認して、以下の作業を実施する。MS-DOS英語モードにして、この中に含まれるinstall.exeを実行するとさらにインストール先のフォルダを聞いてくる。このフォルダは最終的にBIOSアップデートを含めた各種ツールのインストールフォルダになるので、まじめに答える。インストールを開始するとファイルが展開されてこのフォルダに納められる。最後に、AUTOEXEC.BATにMGA環境変数の設定が追加されるので、特にDOSで使う気がなければこの行をコメントアウトしておくとよい。インストール先に指定したフォルダ内にあるUpdbios.batを実行するとBIOSがアップデートされる。Windows95を上げてディスクトッププロパティで、InfomationTABを開いたら、VGA BIOS versionの項目が2.8となっていることが確認できるであろう。最後に電源を切った状態で、BIOS-Protectionスイッチをdisableにしておくのを忘れないように。
なお、Windows95のドライバを含んだMGA-PowerDeskの方も、Ver.3.41,3.61,3.70と更新されている。最終3.70のリリースは8月であるが、以来全く問題なく使用できている点追記しておく。(※注以降3.80がリリースされている。)
Pentium166が見劣りしてきたので、ここしばらくだいたいCPUを物色してきたが、PentiumIIは高すぎるし、PentiumMMX233では代わり映えがしない割に結構高価である。そんなわけでそろそろ互換CPUを試してみようと思っていたところへ、K6-233が大量供給され始めたので、試してみることにした。「パソコン工房日本橋店」にて\32,500で購入。
使っているマザーボードがTYANのTomcatIIIであるため、コアの電圧を指定通りの3.2Vには設定できない。とりあえず3.0Vで試してみたところ、全く問題なく動作した。(最初は用心して、66MHz×3で動作確認し、次に×3.5に変えてみたが問題なかった)しかしながら、指定の電圧をかけていないのでどんなことで不安定要因になるかわからないし、K6の消費電力が高いせいもあってかレギュレーターの発熱は相当である。このまま長期間使用することは危険なので、後述のようにマザーボードを交換することとなる。
とりあえずの動作には全く問題ないことが判明したので、効果の確認をしてみる。元々166MHzであったから、ベースクロックも66MHzのまま変わっていないせいもあり、233MHzになったからといって、画期的な速度向上は期待していなかった。しかしながら内部キャッシュが増えたことや、CPU自体の能力の向上もあるのであろうか、速くなっているのが何となくわかる程度(総合して3〜4割)の速度向上が見られる。コストパフォーマンスとしては、そんなに悪くないとではというのが実感である。
CPUも新しくなったことだし、3.2Vのコア電圧も必要なので、それにあわせてマザーボードも更新することにした。それでもPhotoshopで大きな画像を扱うことのある私にとって、大量のメモリーは必須である。そんなわけで、512MByteまでキャッシュできるIntel430HXのボードを使ってきたのであるが、最近の新しいマザーボードはたいてい430TXチップセットで、64MByteしか2次キャッシュできない仕様である。これではメモリーの拡張もままならないし、何よりAMDのCPUなんて、Inel自体はサポートしていない。(マザーボードメーカーは動作保証しているが)結果的に、VIAとかSiSとかの互換チップセットを選択するのが望ましいであろう。各社のチップセットを一通り勉強してから、ApolloVP3,VP2/97,SiS5582あたりを狙って、とりあえず日本橋に見に行くことにした。
EPOXのVP3はSIMMスロットが少なすぎるし、MYCOMPのVP3はPCIスロットが3つしかない、AGPバスもしばらく待った方が安心だろうから、あえてApolloVP3を外してみると、Suttle HOT-603が1MByteの2次キャッシュといい、83MHzまでのベースクロックといい、K6と相性の良さそうなAMD-640(実質はVIA ApolloVP2とほぼ同じらしい)といい、なかなか良さそうだ。メルコの販売する国内版もあるが、結局Suttleからの方が安くて、またもや「パソコン工房」で、\16,800で購入。
マザーボードの交換も5回目で、物理的な交換は何ら苦労しなかった。BIOSをそれなりに設定して、Windows95を立ち上げてみると、当然のことながらチップセットがIntel430HXからAMD-640に変わるのだし、ボード上のデバイスから何から全て再認識しにいく。それはそれでいいのだが、紙に書いてあるマニュアルはペラ1枚で、そこにはボード上のジャンパ設定しか書いておらず、別途CD-ROMのマニュアルが付いてくる。困るのは、AMD-640用のシステムデバイスなりのインストールの説明が、紙にはどこにも書いていないことだ。とりあえずWindowsのデフォルトで立ち上げておいて、CDを使える状態にしてから、パッチプログラムらしきものを見つけてきてインストールした。
さらに困ったのが、IRQが足りなくなることである。今までマザーボード上の標準的なIRQに加えて、SCSIカード2枚、Soundカード1枚、Videoカード1枚分の合計4つのIRQが必要で、これらをIRQ5,9,10,11に割り当ててきた。しかし、システムプロパティを見ると、IRQ9がPCIバスというデバイスに取られている。理由は定かではないが、最近のチップセットはIRQがいるのかもしれない。それは仕方がないとしても、SoundBlaster64が使うはずのIRQ5がMatrox Millenniumに取られてしまっている(Millennium自体はIRQを必要としないはずだが、以前のマザーボードでもIRQは割り当てられていた)ので、音が出ない。気が利いたマザーボードなら、ISAカードが要求するIRQを優先的に割り当てるものなのだろうが、こいつはどうもPCIカードから優先的に割り当てている様子だ。マザーボードのPnPをクリアしてみたり、SecondaryIDEを解放したりしてみたがだめ。結局とりあえずは不要なSCSIカード(ScannerのみにつながっているAHA-2940)1枚を抜いて、他の作業を進めることにした。
Millenniumのドライバもどうも機嫌が悪くなったので、再度入れ直す。次に、IDEコントローラーがすねているので、専用のドライバがあるのだろうとCD-ROMを探してみたが、どこにもない。結局DOS/V MagazineにのっていたEPOXのサイトから、VIA Apollo用のドライバをくすねてきて、入れてやると機嫌が直った。
先ほど問題となったIRQではあるが、FDDを殺そうかと思ってBIOS設定したところ、なぜかMillenniumとAHA-2940が仲良く10を共有してくれた。Millenniumを使っている限りはこれで問題ないが、今後新しいものに乗り換える段になれば、Windows95をOSR2にするとかの対処で本格的にIRQを共有する必要がある。
リソース問題やドライバに決着が付いて、233MHz(66MHz×3.5)での動作は全く問題なくなった。試しに225MHz(75MHz×3)も使ってみたが、これも追随するか心配だったAHA-2940が難なく追随してくれて、快調である。チップセットの温度も430HXより低く、やや暖かくなる程度で安心感がある。1MByteセカンドキャッシュのおかげか動作もさらに軽やかになって、以前の環境(Pentium166&430HX)とは一線を画す。