RME Fireface 800に合わせて買ったIEEE1394bインターフェイスボードである。別に1台しか使わないから、オンボードのIEEE1394aでも特に問題なく使えていたのだが、マザーボード搭載のNECチップはあまり信用できないこともあり、Multifaceよりも発生頻度の増えた音切れが高速化で減少するだろうという期待も込めて導入した。IEEE1394bインターフェイスは製品も少なくほとんど選択の余地がないうえ、IEEE1394aよりもかなり高価だ。ケーブルも割高で、トータル10,000円は覚悟する必要がある。
ドライバのインストールは、取り付け前に行う必要があり、それさえ気をつければ特に問題なく使えるようになるだろう。インターフェイスボードが変わっても、Firefaceの場合はオーディオインターフェイスのドライバはそのままでよい。ただ、WindowsXP SP2では色々トラブルがあるようなので注意してほしい※注。筆者の場合は、Windows2000であるし、特になんのトラブルもなかった。また、オンボードのIEEE1394aで時々発生していた、希にDIGICheckが固まるなどの症状も解消したみたいだ。ただ、インターフェイスが変わったから、音切れが画期的に減少するかというと、やはりPCの負荷を高めにしたらやはり音は切れるのでちょっと期待はずれの部分はある。
※注:WindowsXP SP2で使ってみたが、筆者の環境では特に問題は出ていない。(May.14.2006)
ゴールデンウィークを利用してリビングPCの低消費電力化に取り組んでみた。2年近く現在の形で使ってきたが、書斎PCから使い回した電源が古めでやや騒音が気になることや、CPU (Pentium4 2.53GHz,sSpec=SL6D8,FSB=533MHz) の消費電力(約60W)が高めで放熱用のファンの音が気になることがある。電源とCPUクーラーだけ交換するのが最も単純なのだが、面白くない。リビングでオーディオ再生用に常時稼働する機器だけに夏場の空調費も考えたら消費電力を下げておきたいところ。現在のWindows2000をWindowsXPに更新する予定もあるし、CPUも一気に更新しようと考えて動いた。
低消費電力化にあたってまずCPUを決めないといけない。CoreDuoはまだ高価だし、マザーボードの選択肢が限られすぎる。そもそもせいぜいmp3圧縮かビデオ再生程度のリビングPCで2CPUは不要だろう。追って書斎PC(動画圧縮もする)の更新用に取っておこう。Turionは有望なのだが、一般的なSocket754のデスクトップ用マザーボードでのサポートがまだまだ浸透していないし、そもそも安定性を重視する用途にはIntel以外のチップセットは使いたくない。残るPentium Mも、専用マザーボードは少なく高価で、選択肢が限られるのは他のCPUと同じなのだが、唯一の救いはAsusの出しているCT-479というSocket479用のゲタである。これならごく普通のP4P800系列のマザーボードを流用することができる。安いし、性能も問題なさそうだ。
個別の部品のレビューは別記するが、結局選んできたのはPentium M 760とASUS P4P800SEにCT-479の組み合わせに、電源は定番のAntecのNeoHE。メモリーはPC2700の512MByteをそのまま流用することにした。
一般的なSocket478マザーで拡張性を確保しながら、CPUの静音&低消費電力化を達成した。ゲタの使用は不安定要因なのだが、メーカー保証の組み合わせのせいか全くトラブルがない。発熱の少ないCPUや信頼できる電源と相まって、安定性は抜群だ。CoreDuoがまだ高止まりしており、マザーボードもまだ選択肢が少ない現状では、この組み合わせはリビングなどで常用するデスクトップ用としてかなりお勧めできる。あえて難を挙げるとすれば、減速したCPUファンのせいでノースブリッジがそれなりに高温になることと、電源の排気が少ないのでケースファンが必須になること程度だろう。
最近のPentium4の消費電力の多さに辟易して筆者と同じようなことを考える人は多いのだろう。Pentium Mの値段は高止まりしていて、決してコストパフォーマンスは高くない。筆者の選んだDothanコアのPentium M 760 (sSpec=SL7SM,2.0GHz,FSB=533MHz) も、日本橋ではどの店も\35,000が相場でそれでも売り切れが多かった。何店か回って結局PC1'sにて\35,640(税込)でゲット。
規格上27W程度だが、Northwoodコアを使い続けてきた筆者にとっては、発想の転換を要求されるほどの低消費電力だ。普段から静音化のためにCPUファンを低速回転させている筆者にとって、高負荷をかけるときはCPUファンを回すようにしないと危険だというのが常識だった。しかしPentium Mはちょっと違う。下記CT-479のファンを5V(1700rpm程度)に減速している状態で、100%近い負荷をかけ続けてもCPUはせいぜい50℃近辺。室温23℃の場合だから、夏場以外はそのまま使えそうだ。
低消費電力化するにあたって、一番悩んだのがこれ。Pentium Mの専用マザーボードもあるにはあるのだが、高価なうえにmicroATXサイズだったりで拡張性に乏しいものが多い。筆者の場合、TVチューナー・IEEE1394b・オーディオと3枚のPCIカードを挿しており、余裕を見てPCIスロットは4つはほしいところだ。定番のAOpenも唯一のATXであるi915Ga-HFSのPCI×3が最大だ。現行のメモリーやグラフィックスカードの流用を考えたら、チップセットは古くてもASUSのCT-479というSocket479用のゲタを履かせたP4P800系列を使う方が価格的メリットが大きい。
マザーボードにはATXで最も安価なP4P800SE(写真右上)を選んだ。P4P800-E Deluxeはすでに書斎用に使っているし、PromiseのRAIDやVIAのIEEE1394aは不要だ。SoundMaxの間抜けなサウンドが邪魔なのだけれど、まあいいだろう。CT-479(写真右)は選択の余地がないが、数の出るマザーボードと違って高価で、在庫のある店は案外少ない。CPUと同じくPC1'sにてP4P800SEが\10,179、CT-479が\5,360(各税込)。約\15,000でSocket479のマザーボードが手に入ったと思えば安いものだ。
たとえASUS公認の組み合わせでも、やはりゲタを使うのは邪道だし、不安定要素に違いない。それでもこの組み合わせは完璧だった。BIOSが対応しているのでマザーボードがちゃんとCPUを認識して、適切な処理をしている。亀の子式にゲタとCPUを積み上げるので、ちょっと面倒だが、日本語のマニュアルもあるし、PCを自作する人にとって特に難しい点はない。ソケットにペリフェラル用の電源がいる点だけ要注意。
OSの移行もチップセットが変わった(Intel845E→Intel865PE)のでデバイスの再認識が発生したが、OSの再インストールはせずに※注 済んだ。
※注:もちろん安全確保のためにディスクまるまるコピーして実施している。
CT-479用に専用ファンがついている。径は70φで12V3300rpm(実測)。フル回転させると喧しい。2500rpm程度にするとかなりましになり、冷却も十分だ。5Vで駆動すると1600rpm程度になってさらに静粛性が増すが、負荷の高い状態が続くとCPUの温度が高めになるのとノースブリッジも過熱するのでこのへんはケース内温度や室温との相談になる。マザーボード搭載のQ-Fanで減速してみるのも手だが、過去に実験してみてあまり低速化できなかった実績があるので期待しない方がよい。どうしても気になる向きには高速電脳が換装キットを販売しているので利用してみるとよいだろう。
併せて電源も更新した。単純にTrue Power2.0シリーズのTrue430で更新することも考えたのだが、Neo HEの高能率(メーカー曰く最大85%らしい)とノイズレベルの低さ(18dBA)に惹かれた。必要なケーブルだけを接続して使うケーブルマネージメントも邪魔な線を丸めておかずにすむのでありがたい。ファンがTrue Power2.0と比べて径が小さくなっている(120φ→80φ)が、能率がよければ発熱も少なく、ファンの回転数も下げられるので、Truue Power2.0以上に静音化できる理屈だろう。価格的にも\2,000程度の差なので、試してみることにした。PC1'sにて\11,980(税込)。
古くなったTrue430は、負荷が低いときでもファンが1500rpm程度で回っており、周囲が静かなときにはそれなりに騒音を感じたのだが、Neo HE 430は全くそれを感じさせない。むしろ、700rpm×3台のケースファンやケース内のCPUファン(上記CT-479参照)の騒音の方が気になるくらいだ。
以前から電圧の安定性を買っているAntecの製品である。もちろんNeo HE 430も抜群の性能を示す。いくらCPU負荷をかけても、HDDをシークさせても電圧はびくともしない。公称性能は±3%となっているが、実際デジタルテスターで測定してみるとPentiumMの場合は12Vで0.01Vの桁が時々上下する程度。これは起動プロセスでも変わらず、負荷の増減を全く関知していないように見える。すばらしい。問題はマニュアルが英語になることだが、特に難しい機器でもないし、特に気にするほどでもないだろう。
筆者の経験上、電源がしっかりしていると、つまらないトラブルに巻き込まれずにすむことがかなりある。会社で安物電源を搭載したメーカー製のPCが不安定になったり、故障したりするのはよくあることだ。電源に数千円を節約して、それでトラブル対応に数時間以上費やすのでは割に合わない。4年近く使ってきたTrue430は多少ファンの音が大きくなってきたもののトラブルは皆無だったし、Neo HEもレギュレーション品質の優秀さからして、期待に応えてくれるだろう。静音性・高能率も相まって、電源品質の重要性を理解できる人にぜひお勧めしたい。
リビングPC(Pericles)のCPUとマザーボードの移行が完了したので、Windowsもバージョンアップした。
そもそもこのPCは製作当初から旧書斎PCのWindows2000ライセンスを移行※注するかたちで運用しており、最新OSでないことからくる制約が色々感じられる状態であった。特にオーディオインターフェイスをFireFace800にしてからは、WDMの取り扱いに難があり、FireFaceの電源を切った状態で起動しなければSE-90PCIが認識されないという問題があった。「このへんが潮時かな?」と考えての移行である。どのみち移行するなら、ライセンス認証のこともあるから想定されるハードウェアの更新も一通りすませておきたい。そんな訳でCPUとマザーボードの移行をすませてからのバージョンアップとなった。
※注:もちろん新しい書斎PCにはWindowsXPライセンスを新たに購入している。
WindowsXPのセキュリティ騒ぎのせいもあり、店頭に並んでいる商品はSP2適用済である。インストール後に適用する手間が省けていいぶん、問題があっても外せないのがちょっと不安だ。移行用にWindowsXP Professonal(SP2)Upgradeというパッケージを選んだ。アップグレード版だから、当然以前のライセンスが必要になる。筆者の場合、WindowsNT時代からNT系列のアップグレードライセンスを買っているから、一昨年書斎用に買ったWindowsXPのライセンス以外、独立したライセンスを持ったWindowsはない。それでもインストーラーはWindows2000UpgradeのCDでもアップグレード対象として問題なく処理してくれるので、大昔のWindows95のCDを出してくるなどの苦しい事態には陥らなかった。逆に言うと、不正コピーからのアップグレードをしても、アップグレード対象のライセンスとして認められるわけで、このへん正直者が損をするのは(よくあることだが)うれしくない。
今回の移行に際して、以下のような方針で臨んだ。
データを移行するのだから、ディスクは同じ容量のものを使って全てコピーする。コピーした先のC:ドライブのデータを他のパーティションに待避してから、C:ドライブをフォーマットしてWindowsをインストールすることになる。当然新規インストールだから、すんなり進み、特に問題も出なかった。問題はプログラムの移行である。単純に入れ直してしまうと、設定が全部飛んでしまう。飛んでしまって問題ないものもあるのだが、大抵はそれなりに設定をチューニングしていて、管理しているデータがあったりするので一筋縄ではいかない。設定ファイルのありか(ファイルあるいはレジストリ)を探して、移行してやらないといけないわけだ。各ソフトの細かいことまで言及はしないが、オーディオ再生がメインで、CDのリッピングとビデオ再生、あとはWebくらいしか使わないマシンなのに移行したソフトは約20もある。IME(筆者の場合はATOK)やエディタ、圧縮解凍ソフトなど、日頃気にせず使っているソフトが大量にあることを忘れてはいけない。ビデオ再生用のMPEG等のCODECも案外負担だ。移行しきれず放置しているものすらある。PCの性能が上がり、ネットワーク化の進展にも伴って扱う情報が増えた分、必要なソフトは数年前の比ではない。OfficeとWebとMailが使えれば何とかなる会社の事務用マシンとは違う。日頃から使用しているソフトを管理し、設定の保存先などを意識しておかないとディスクが飛ぶなどのトラブルの際に痛い目にあうので注意してほしい。
ASUS P4P800SE and CT-479の項で説明したが、付属のCPUファンの直径が70φと小さめで喧しいこと、そしてAntec Neo HE 430の導入で電源排気が減少したことに伴うケース(CoolerMaster Praetorian PAC-T01-EK)排気量の減少(室温25℃でもケース内が35℃以上になる)への対策として、ファンを改装した。
70φのCPUファンの直径を80φに変換するパーツである。筆者が選んだのはainexのFA-78という透明なブルーの製品。10mmくらいのタッピングネジが付属しているのだが、CT-479付属のフィンの形状と上手くマッチせず、30mm程度のネジが必要になった。運良くSNE4789-12DBに付属していたネジが適当な長さだったので流用する。懸念していたCPUクーラーのクリップとの干渉も少なく、ファンの直径が80φになったので、汎用品が使える。筆者が使ったのは元々SNE4789に取り付けていたNidec D08K-12PG。3000rpmのそれなりに高速なものだが、5Vで回してやると1200rpmくらいで静かに回ってくれる。冷却もこれで問題なさそう※注だ。
※注:Pentium Mにヒートスプレッダがないせいか、ちょっと負荷をかけるとすぐ50℃になるものの、そこからはあまり上がらない。どうも熱抵抗が大きそうなのでグリスを色々工夫してみたが、根本的に解決していない。
ケースのファンに選んできたのは、Xinruilian ElectronicのRDM8025Sという一部では有名なスリーブベアリングのファン。安いから試してみようと言ったところ。2500rpmだが、5Vで回すと1000rpm弱になる。他の3機のファンはケース付属のままなので、700rpm程度のままだ。この状態で運用し続けると、室温25℃の状態で、ケース内が33℃くらいになる。もう少し冷えた方がいいのだが、騒音とのかねあいで難しいところだ。暑い日はちょっと回転数を上げてみたりして調子を見ているところ。
久々にマウスを買った。現在メインに使っている同社のIntelliMouse with IntelliEyeがそろそろくたびれてきているし、最近使い勝手がよくなっているワイヤレスタイプも試してみながら、随時更新していこうと考えた。 ワイヤレスで電池が入ると重くなるので、電池2本なんて論外。余計な機能はいらないし、できるだけシンプルなものがいい。あとは筆者にとって使いやすい形状とデザインの美しさでの選択になる。
以前同社のWheelMouseOpticalの項で書いたように、筆者はマウスのお尻(掌にあたる部分)が高くないと嫌だ。腕全体でマウスを動かすような場合に、多少なりとも掌経由でマウスに腕の重さを支えてもらわないと、肩が凝るからだ。IntelliMouseの形状を気に入って使っていたのはそのへんが理由なのだが、マイクロソフトがオリジナルのナス型をやめてからというもの、背中が高い形状が主流を占めてしまっている。
それならいっそのこと、腕全体でマウスを動かす操作をしないでおこう。手首を固定して、小型のマウスを指先で操作するだけなら、おしりの高さは関係ない。ただこの時問題になるのはマウスの精度。移動範囲が小さいから、マウスの感度を上げて従来なら3cm動かすところを1cm以下で細かくコントロールできる精度が必要だ。それでも、最近のマウスは解像度も上がっているし、USB化されて通信速度も上がっているから、案外使い物になるだろう。(会社でのノート端末の場合は不満を持ちながらもそうしている場合がある)
そんなこんなで選んできたのが、Microsoft Wireless Notebook Optical Mouse 3000マイカブラック。最新式の光学エンジンで解像度は1000dpi。単3乾電池で寿命は6ヶ月。指先操作するにはちょうど手頃な形状と飽きの来ないデザイン。専用ドライバも不要だし、税込\3,570(ポイント還元★23%)価格も手ごろだ。着脱式のレシーバーがついていて、マウス本体の下に収めることができるのだが、半分しか埋まらずにはみ出すのはちょっと間抜けだと思う。
レシーバーは普通にUSBコネクタに挿すだけ。ノート用で仕様上の到達距離が1mと短めになっているのだが、デスクトップ本体後ろから見通しのない1mの距離でも問題なく使えている。多分壁のコンクリートで反射するのだろう。解像度が高いのでついマウスのプロパティでポインタの速度を落としたくなる。それでも、指先操作には細かな操作が勝負だからここは辛抱が必要だ。今までよりマウスの動きが半分以下になるような設定で細かい操作に慣れるように・・・今も頑張っています。
マウスの精度は高いので慣れれば、指先だけの操作もそれなりにものになる。ただ、単3一本とはいえ、電池を内蔵しているので、指先で転がすにはやや重め。それでもケーブルがないというメリットは大きいし、単3一本なら許容範囲なのかとも思う。