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久しぶりの手紙
ぼくの家
 
おねえさん、お元気ですか。

今回は最初なので、ぼくの住んでいるところを紹介します。
前回ガーゴイルたちと一緒だと書きましたが、今ぼくはあの有名なノートルダム寺院(ノートルダム・ド・パリ)(A)に住んでいるんですよ。

この建物の前の広場には、ゼロポイント(B)の印が刻まれていて、フランス国道の起点になっています。国内の地方への距離はここから測るんだそうです。また、パリの歴史はこの寺院のあるシテ島から始まったのだそうです。 そう、ぼくはまさにフランス、そしてパリの中心に住んでいるんです。

放浪の旅を終え、どこに住もうかと途方にくれていたときに、お友達のガーゴイルが、パリの眺めが最高だからいっしょに住まないかと言ってくれたんです。 それ以来、ここはぼくの快適なおうちです。

ガーゴイルたちから聞いたのですが、この建物は1163年に着工、それからなんと200年をかけて完成したのだそうです。
この建物はゴシック建築の最高傑作だそうで、とっても美しいんですよ。 荘厳なファサードもすばらしいですが、ぼくのいちばんのお気に入りはアルシェヴェシェ橋から見たノートルダム寺院(C)です。また、ライトアップされた夜景(D)もすごくきれいです。内部も息を呑む美しさで、特にバラ窓のステンドグラス(E)には目を奪われます。

建物の美しさを満喫したら、今度は正面左手の入口から狭くて急な階段を上ってテラスに出てみてください。そこからはパリの絶景(F)を楽しむことができます。さらに頑張って右側の塔の頂上に出るともっとすばらしい景色が待っていますよ。
階段の途中には、その昔せむし男が鳴らしていたといわれる大きな鐘、エマニュエルを見ることができます。

そういえば、せむし男のお話、ガーゴイルたちから何度も聞きました。ガーゴイルたちは当時のこのお話にも登場しているんですから歴史を感じますね。
フランスでは1998年に、このお話をもとにしたミュージカル "Notre-Dame de Paris" (『ノートル
ダム・ド・パリ』) が上演され、 大成功を収めました。このミュージカルはなんといっても音楽 (歌) がすごいんです。当時はフランスの人達みんなが毎日毎日何ヶ月にもわたってこのミュージカルの歌(CD)を聞いたり、口ずさんでいたんですよ。今なお聞いている人もいるぐらいですから。猫のぼくでさえ聞いていたんですよ。

おねえさん、このミュージカルの代表的な曲が収録されたCD (フランス語版) (G) は日本でも買うことができるので、ぜひ聴いてみてください。日本語訳もついているらしいですよ。 どの曲もとってもすばらしいのですが、ぼくのお気に入りは
"Belle" です。 聴いたらぜひ感想を聞かせてくださいね。

このCDを聴いてからノートルダム寺院に上ると、また違うパリが見えてくると思います。見下ろせばそこは15世紀ごろのパリの町並み、頭の中に流れるミュージカルの歌に合わせてジプシー娘、エスメラルダが広場で踊っているかもしれませんよ。せむし男もどこからか現れてきそうです。ほら、エマニュエルが鳴っているでしょ。

今回はこのぐらいにしておきます。次の手紙を楽しみにね。
では、また。
もも