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バイオシェルターの屋根  2003年5月

 

 2003年春、ワークショップの南面に当たるバイオシェルターの建設が始まった。夏には学生ボランティアの手を借りて、屋根を載せるスティール製の枠を組み立てた。屋根は、全長4.5メートル幅で途中に支えがないが、これは、ビニールハウス用の22mmパイプを使うことで可能になる。これを、同じくハウス用のビニールシートで覆えば、雨漏れのない一室が手早く完成。だが、冬期の積雪に備えて、屋根は頑丈でなければならない。1平方メートルあたり30cmの積雪の上に、雨が降って水気を含めば、これは、100kgに相当する。1998年に実際に起こったことだ。このときは、町じゅうのビニールハウスや車庫、松の木などが押し潰された。バイオシェルターの屋根面 積は、12m×4.5m=54平方メートルだから、5400kgの重みにも耐えるように、つまり、ホンダシビックを二台ほど載せても潰れないように、デザインしなければならない。5400kg ÷ 使用したパイプ25本 = 216kg だから、人が踏んだだけで曲がってしまう細いパイプ一本ずつが、200kg以上を支えるこおtになる。一体、どうすれば可能になるだろう。

 「テンション構造」とは、つまり、とても軽い素材でも、張り切っている状態であれば、非常に強くなるということだ。テレビのスクリーンの中で飛び回るピーターパンやジャッキー・チェンを支えている、殆ど見えないほどの細いワイヤーを考えてみよう。たった一本の細い糸にぶらさがっている大きな蜘蛛でもいい。5kgに足りない細いパイプやワイヤーロープが200kgを越える積雪をどうやって支えるのか、図を描いて考えてみよう。まず、一枚の紙に、45cmの間をあけた二点をつなぐ、浅い凸 状の曲線を引く。左側の点は、右側の点より10cm低い。

 曲線を引く練習が必要かも・・・。右の点から下がり続けているこの曲線が、バイオシェルターの屋根になる。この曲線の上に、雨が降るとすると、雨水は左に向かって流れるのだ。そうなっていなければ、曲線を描き直さなければ・・・。そうなっている? 右端から、ほとんど平らに近い、浅い曲線から始めて徐々に角度を増し、左端に30度角で入るようにするとうまく描けるだろう。

 次に曲線の下側に、両端をつなぐ細い直線を引く。曲線は22mmのスティールパイプ、直線は3000kgまで耐える6mmのステンレス・ワイヤーロープだ。

 直線を等分する3つのポイントから垂直に、曲線まで線を引く。この三本線は支えのパイプ。このパイプは、弱い曲線パイプにかかる負荷を、丈夫で真っ直ぐに張ったワイヤーパイプに分配する。こうしてできあがった屋根の断面 図は、飛行機の翼の断面図に似ているが、これは偶然ではない。私は現在、ESIのワークショップ内で、飛行機を組み立て中なのだ。今、描いた図にはのっていないが、パイプの横ズレを防ぐパイプとワイヤーも、実際には組まれている。ケーブル綱は12月に取り付ける予定で、現在(2003年秋)は、フレームから砂袋を下げて、必要な負荷に耐えるかどうかをテスト中。

 また、今のところ、フレームには、ビニールハウス用のプラスティックを一枚かぶせてあるが、、これは五年ほどで使い切るつもりだ。最終的に、屋根は、アルゴンのような不活性ガスを含んだ二重被膜の、テドラー製プラスティックフィルムに変える予定でいる。

 テドラーは、テフロン(デユポン社)に似た製品だが、大変丈夫で耐久性がある(20年以上)、フィルムで、自然な光のスペクトラムを全て温室内に取り込むことができるのが特徴だ。ガスを出さず、リサイクル可能。ソーラーパネルにも使われている。詳しい情報は、http://www.dupont.com/tedlar/index.html  を参照のこと

reported by Douglas Fir