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電気自動車

 今から数年前になる1999年、ESIでは二週に渡る週末セミナーを開催し、八人のボランティアと私とでホンダTODAYを電気自動車に改造した。事前に、ホンダTODAYを何台も電気自動車に改造した経験を持つコスモ・エネルギー社のアライ氏に相談をし、必要な部品を注文した。アライ氏には、二週末ともセミナーに参加をして手伝ってもいただいた。

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▲エンジンを取り外したTODAY

セミナーは、駒ケ根にある地元のスズキ自動車(「マイカーセンター」)が、ホンダTODAYの中古車を見つけて寄付してくれたことに始まる。彼らはさらに、数時間を費やし私たちのために、エンジンとトランスアクセルを取り外してくれた。その金曜の晩、車をESIの農家の玄関の中に移動した。

翌土曜日に、私たち九人はすぐさま、ラジエーター、マフラー、ガスタンク、燃料パイプ、クラッチ、クラッチペダル、後部座席、そしてトランスアクセルからエンジンを外した。そして、二チームに分かれた。チーム_は、合板製のバッテリーボックスを作り、後部座席だった場所に搭載する作業にかかる。チーム_は、トランスアクセルに繋げる電気モーター用の新しいステンレス板を作る。日曜の午後には、トランスアクセルをモーター搭載プレートに繋げて、車の後部に取り付けた。バッテリーボックスは土曜日に完成し、着色され、既に車に据えつけられており、毎時100アンペアのバッテリーが内部に固定されている。私たちはゆっくり休息をとることにした。

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▲モーターとDC/DC変換器を
取り付けた状態

翌週末、チーム_は、バッテリー接続用の電気ケーブルの切断を始め、チーム_はモータースピード・コントローラーを設置するエンジン・コンパートメント内に、15ミリメートル厚のアルミニウム板を取り付け始めた。午後、バッテリーは全て、大きな「入/切スイッチ」に直列に接続された。いっぱいまで充電されると、直列のバッテリーはそれぞれ14.6ボルトになる。総計87.6ボルトだ。大変慎重に作業をしなければならない。両ワイヤーに同時に触れば、人一人死ぬ 電圧だ。

チーム_は、大きく太い電気ケーブルをコントローラーユニットからバッテリーまで、そしてコントローラーユニットからモーターまで繋いでいた。もちろん、両者の間には大きなソレノイド・スイッチがあり、イグニション・キーが入れば、スイッチが入るようになっている。

日曜日、電圧ポテンシオミーターがエンジンコンパートメントの後壁に取り付けられ、アクセルケーブルがこれに接続された。アクセルを踏むと、ポテンシオミーターのレバーが動き、徐々に大きくなるシグナル電圧がモーターコントロール・ユニットへ送られる。モーターコントローラーのロジック板は、受け取ったシグナル電圧の量 に従って、より大きい電流量をモーターに送る。

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▲後部座席を取り外し
バッテリーを積んでいる

最後に、DC/DC変換機を据えつけ、後部座席部分の大きなバッテリーから、車の小さい12ボルトバッテリーを充電できるようにする。アライ氏が最後の接続を行い、夕食後、夜には、まだ安全台に載って床に浮いていたタイヤが、ギアを入れると後ろに回り始めた。「やった!」私たちは手をたたいて歓声を挙げた。「別 のギアを入れてみよう。」「いいとも。」と新井氏が答えた。「今度はセカンドだ。」おや? 再びタイヤが回る。今度は歓声はない。タイヤは相変わらず逆転しながら、スピードが速まっただけだった。さらに数度シフトチェンジをしてみて気が付いた。この車は後ろに四変速、前に一速だったのだ。しまった! 「大丈夫。」とアライ氏は言った。彼が手早くモーターの二本の太いワイヤーを付け替えると、全てがあるべきように動き始めた。すごい。大きな歓声。私たちはやったのだ。

 

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▲完成せいした電気自動車

これから数ヵ月、ESIスタッフと私は車のサイズや重さ、改造部について山のような書類を記入し、私たちの車が、電気自動車として最初の車検を経る日を待って待って待ち尽くさねばならなかった。とうとう数ヵ月後に車検証が発行され、正式に運転できることになった。車は想像したとおりに機能し、この小山の多い町で凡そ30キロ範囲を走る。平地でのトップスピードは毎時60キロメートル、一番の丘陵地を40_45キロ/時間で登ることができる。バッテリー充電には6_7時間が必要で、時に好天時には、ESIランドの代替エネルギー(風力/太陽)発電機から充電できる。

現在、ESIの車は新しいバッテリーを待機中だ。残念ながら、バッテリー充電システムは、保障されたようには機能せず、時にオーバーチャージとなって、結果 として電解質が大量にあふれ出てしまった。それでもバッテリーは三年もった。

しかしながら、私たちは七年から十年は持つバッテリーを期待している。来春、より軽量 なジェル・バッテリーを搭載し、ハイブリッドカーにする予定だ。最終的にハイブリッドカーにするつもりだったので、エンジンコンパートメントには、小さなエンジン用のスペースを空けておいた。10_15馬力の小型ロータリーエンジンを搭載して、水素ガスを燃やし、バッテリーパックを充電する発電機を動かす。トヨタやホンダの新型ハイブリッドカーとは違って、私たちの車ははるかにシンプルになる。スピードも遅くなるが、すぐにノンストップで100キロ以上を快適に出せるようになるだろう。水素はどうか? これも、再生可能な資源を使い、電気分解から生成したいと考えている。

このプロジェクトに興味がある方は、ESIまでご連絡ください。

   

2002年12月

ダグラス・ファー