リフォーム-3/平塚の家
1階に増築するのであれば、いっその事、屋根は全体をテラスにしたい、という要望がありました。
北西より見る
屋根全体をテラスとしたことで、広さは約11帖あります。
この住宅は2階にリビングがあるのですが、その延長として、季節の良い時期には、このテラスを気軽に積極的に利用してもらいたいと思いました。
それというのは西側には今後共、家は建ちそうになく、また、覗かれる心配もないので、リビングの延長として人目を気にすることなく、 気軽に使える環境が整っていたからです。
南西より見る
季節の良い時期には、デッキで食事、夕涼み、お月見、天体観測・・・もちろん物干し場としても大活躍。今までは、 午後に日差しが十分期待できる物干し場がありませんでした。
植木鉢を並べる、お孫さんの遊び場、バーベキュー、などなど。新たに生まれる屋外リビング・テラスでのシーンが、 だんだんイメージとして、固まってきました。そう考えてテラス全体を、よりくつろげるように、ウッドデッキにする方向でスケッチを進めてみました。
ウッドデッキ/木製手摺 案(北西より見る)
ウッドデッキの方が親しみやすく、くつろげる等メリットも多いのですが、できるだけ水に強く傷みにくい木材として、 ウエスタンレッドシダー(米杉)を使用し、健康に害のない木材保護塗料を使用したとしても、半永久的に持つわけではありません。
したがって、年1回程度は再塗装が必要になることなどは、建主に理解してもらう必要がありました。幸い日曜大工も嫌いではないし、塗装もやれるとのことで、 ウッドデッキで計画を進めることになりました。
ウッドデッキパース/木製手摺 案(南方向を見る)
最初は、ウッドデッキの良さをできるだけ出そうと考えて、手摺も木製で計画していました。
ウッドデッキパース/木製手摺 案(北方向を見る)
パースなどを作成して、建主といっしょにイメージを共有しながら検討して行くうちに、手摺は耐久性、安全性、使い勝手などを優先させ、 アルミ製が良いだろうということになりました。
こういったことは、時間をかけて計画を進めることのメリットです。ある時ふと別の視点から、あるいは複数の視点で見ることで、その家族にとっての正解が導き出されて来るのです。
ウッドデッキ/アルミ製手摺 案(南より見る)
最近のガーデニングブームなどから、ウッドデッキについても割合身近になってきたというように感じていました。 地球環境の面や健康性などの点からも、木などの天然素材の活用は大切であると思っています。
ウッドデッキパース/アルミ製手摺 案(南方向を見る)
良い面を多く持っている天然素材ですが、建主には理解しておいてもらわなければならないこともあります。
それは木はいずれ腐り、 交換する必要があることです。また木の傷みのスピードは、メンテナンスの頻度にも左右されることなどです。
しかし木の特性を理解し大切に付き合えば、 精神面での癒しや、やすらぎなど、工業製品にはないぬくもりを返してくれるなど、他では得難い魅力も秘めています。
ウッドデッキパース/アルミ製手摺 案(北方向を見る)