リフォーム-6/平塚の家
上棟とは建物の形態がほぼ整った時点を指し、木造住宅については棟木を上げた時点をもって上棟と呼びます。
このケースの場合、棟木はありませんので、テラスの部分までの木組みが完了したことで上棟としています。
上棟
建物の骨組みが組上がった状態です。骨組みと書きましたが、まさにこれが力を支えてくれる骨を見た状態です。この骨たちは、 以後何十年と建物が存続する限り、地球の引力と戦い続ける訳です。見た目は、もしかして弱々しく見えるかもしれませんが、強度的にはこれで十分です。
木が強度を弱める最大の原因は、腐ることです。腐り難くする為に一番良い方法は、木をいつも乾燥させておくことです。いくら太い柱を使ったところで、木を乾燥状態に保つ工夫をしなければ、 あまり意味の無いことです。木造の法隆寺が千年以上も建っていられるのは、木を乾燥状態に保つ工夫があるからなのです。
躯体工事
既存部分の外壁材(サイディング)を剥がした状態です。中の柱などは全く傷みもなく、安心しました。銀色に膨らんで見えるのは、 断熱材(グラスウール)です。
既存との取合
基礎(鉄筋コンクリート)とその上に水平に置かれている木材が土台です。基礎と土台はアンカーボルトでしっかりと固定されます。
基礎と土台
2階テラスのFRP防水の工事中の様子です。構造用合板の上に断熱材(スタイロフォーム)を敷き、 更にその上に耐火野地板を敷いたところです。白く見える所が耐火野地板です。この上にFRP防水を施工します。この時期、天候が不順で雨を避けるため、青いシートを掛けての作業です。
テラス防水工事
雨水が流れ出る部分です。このテラスにはこういったドレインが2カ所と、 ドレインが詰まったときの為にオーバーフロー管が取り付けられています。
テラスのドレイン
サッシも取り付き、建物全体を白いシートですっぽりくるみます。この白いシートの事を、防風透湿シートと言います。その役割は、 たとえて言えば、スキーウェアーの表面の素材のように、外からの寒い風は遮り、中の暖かさは逃がさずに、蒸れの原因である湿気は逃がし、着心地の良さを保つ役割を果たします。
つまり人間にとっての快適性をアップさせながら、木にとって腐る原因である湿気を逃がし、建物の耐久性を大きく向上させる働きがあります。 こういった工法のことを通気工法と呼んでいます。
全景
テラスのFRP防水が一部を残しほぼ完了した様子です。グレーに見える部分がFRP防水です。
FRPとは繊維強化プラスチックの略称です。 これを用いたものとして、ボート、バスタブ、貯水槽など、水に関するものに多く使われ、その耐水性、耐久性などは広く認められています。
テラスの防水