同色対談―夕陽の思い出がサンライズレッドを生んだ【1】
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-環境配慮型の製品づくりをめざす
松岡ところで技術者としておやりになってきたことと社長業というのは全然違うものだと思うのですが、この不景気の時代に社長になられて、どんな感想をお持ちですか。
藤嶋うーん、そうですねぇ…。
松岡たいへん損な時期に社長になってしまったなと、そんな感じですか(笑)。
藤嶋ところがそうでもないのです。好況のときに社長になって業績が落ちると何を言われるかわかりませんから(笑)。平時のマネジメントは私にとっては異質なのであって、いまの乱世のほうが性に合っているのかもしれません。技術は従来のままでは伸びません。ポテンシャルが上がらない。なんとかして変わらないと、つぶされますから。
松岡信長型ですね。
藤嶋そんな偉い人と比較しないでくださいよ(笑)。
松岡乱世に向いているというのは、社長になられる前から感じておられたことですか。
藤嶋そうですね。研究開発部長のときから異文化的だったような気がします。思うことしかやらないという面 があったでしょうね。
松岡ということは、藤嶋さんを選んだ方たちは偉いということですね(笑)。
藤嶋偉いかどうかは、まだわかりませんよ(笑)。ひょっとしたら「しまった!」と言われるかもしれません(笑)。
松岡でも、必ず、「あの人はトップにふさわしい」と、どこかで誰かが見ているものですよ。だから社長に選ばれた。経営者としては、どういう哲学やモットーをお持ちですか。
藤嶋私の個人的な考えなのですが、乱世だからこそ自分の思うとおりにやっても、みんながついてきてくれるだろうと思っています。私の欠点でもあると思うのですが、唯我独尊とか独善的とかいわれるかもしれませんが(笑)、「こうだ!」と直感したことは自分の主観どおり決行しますね。これをうまく経営に活かすことで会社を伸ばせられればいいかなと(笑)。

松岡私は仕事柄、本当にいろいろな経営者の方たちとお会いしてきましたが、自分で自分の欠点をさらけ出す社長というのは珍しいな(笑)。でも、そんな人間味のある人のほうが、会社の人もお客さんもついてくるのじゃないですかね。接しやすいという意味でも。
藤嶋そうだったら嬉しいですね。
松岡今後、日本ペイントのキーワードとなってくるのは、やはり「環境問題」ですか。
藤嶋そうなりますね。もちろん、これまでも真摯に取り組んできたわけですが、21世紀に入って、よりいっそう環境問題に真剣に取り組んでいかなければなりません。とくに、われわれのような化学物質を扱っているメーカーは、製品の管理に細心の注意を払う必要があります。
松岡塗料業界で初めて環境ISOを全社一括で取得されたことは、日本ペイントが環境問題に力を入れられている証でもあるわけですね。
藤嶋もちろんそうです。おかげさまで一昨年、私どもは創業120周年を迎えました。そんな節目の時期になってあらためて思うのは、120年もの長きにわたって経営を持続してこられたのも、その時その時代のニーズにマッチした製品を開発してこれたからで、今後は環境配慮型の製品をたくさん生み出し、時代の声に応えなければならないということです。
松岡太陽の赤と雪の白に感激した藤嶋少年の純粋な気持ちは、いまも変わっていませんね(笑)。



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