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2004年10月〜12月


目次

  1. 10月6日
  2. ASUS RADEON9600XTの裏切り?
  3. Canopus MTVX2004HF
  4. 10月24日
  5. COWON iAUDIO M3(その2)
  6. 11月22日
  7. Adaptec USB2XCHANGE
  8. I・O DATA 1394US2G-PCI

10月6日

P4P800-E Deluxe写真●ASUS RADEON9600XTの裏切り?

WindowsXPになってから意味もなくフリーズやリブートするという不調を示していたaspasia(書斎PC)であるが、その原因が判明した。録画中などに固まることが多いことから、当初はディスクI/Oなどを疑ったりもしていたのだが、BIOSでの画面の乱れが出てきて、Windowsの起動すらままならない状態になったので、試しにディスプレイカードASUS RADEON9600XTをファンレス化したCANOPUS SPECTRA F11に交換してみたところ、ぴたりと症状が止まった。これで言えることは少なくともAGP系の障害。

ここからは推測に過ぎないのだが、元々弱っていたところへCPUやチップセットが新しくなったことでさらに負荷が増大し、GPUかメモリーが逝ってしまったものと思われる。ASUSの製品は遠い昔にマザーボードでメモリーとの相性問題で悩まされて以来、(有名なVIAチップセットのUSB問題を除いて)設計上の問題はあまり感じることはなかったのだが、今回はそれに裏切られた形だ。もっとも裏切りとは言っても、静粛性のためにファンの回転数は落とし気味(50℃を超えてから本気で回るようにしていた)だったから、設計ミスと言い切れるほどのものではない。まだ保証期間だから修理してもよいのだが、ファンの回転数を落としていたことを隠してまで無償修理させるのも気が引けるし、何より喧しい子はもういらないというのが正直な気持ちで、ここは潔く諦めようなんて考えている。

■関連情報 ASUS RADEON9600XT CANOPUS SPECTRA F11ファンレス化
Windows XP Professional SP1 ELSA GLADIAC544

MTV2004HF写真●Canopus MTVX2004HF

リビングのAudioVideoPC(pericles)用に買ったもの。TVの録画は主に書斎PC(aspasia)で行うし、TVの視聴には本来のTV受信機があるのだから、別に必須なものでもないのだが、TVの視聴時にもオーディオ装置を利用して高音質の再生ができたらという目論見と、書斎で何らかの理由で録画できない場合の予備手段として用意しておくことにした。

デジタル放送対応なのだが、あいにくそんな設備もないし、何より筆者の自宅で受信するにはケーブルテレビ会社との契約が必要。しかも録画したところで再エンコードもできないとあっては全く意味がない。それでもMTVX2004でなくMTVX2004HFを買ったのは「3D Y/C分離」と「3Dノイズリダクション」を同時に使用できるなど、現行アナログ放送の受信でもより有利であると考えたからだ。

・映像系はほぼ良好だが、音声は機能不足

MTV3000Wでの評価とかなり同じものを繰り返すことになるが、想定通り画質的には満足できるものだった。3D Y/C分離、3Dノイズリダクション、ゴーストリデューサーの併用により、若干甘さはあってもノイズやゴーストのない美しい映像が得られる。ダイレクトハードウェアオーバーレイで録画時でもCPU負荷が数%と低く、安心して他の操作を行うことができる。シングルチューナーなせいもあるだろうがMTV3000Wで必要だった別電源も不要で、発熱も少ない点も評価したい。PCからオーバーレイで表示した場合、稀にTVの映像が乱れることがあるが、FEATHERを再起動すれば直っていたりするから致命的なものではない。付属するFEATHER2004Dはスタンバイからの復帰で稀に機嫌が悪くなるが、筆者が主に使うのは休止状態なので運用上支障なしだ。ただ、高音質設計といいながら、TV視聴時の音声出力はアナログだけ、録画データの再生時も既定デバイス固定では、いくらスプリットキャリアチューナーで映像と音声を分離するとか言ったところで片手落ちだ。高音質のオーディオデバイスが本格的に普及しつつある中で、そろそろこのへんも見直す時期に来ているのではないだろうか?

・Iフレームのみ25Mbpsは使えるか?

他のメーカーでは以前からサポートされていたIフレームのみの25Mbpsが使えるようになったのでさっそく試してみた。同じ25Mbpsのcanopus DVと比べると通常のMPEG2ほどではないにせよシーク処理などでのもたつきが見られ、再エンコード時も遅くなる。画質的にはほとんど差はなさそうだが、やはり後処理が伴う場合はフィルタの強力なAVIUtlなどが使いやすいDV形式の方が総合的に見て優れていると言えるだろう。

・手軽に高画質を得られる点にどれだけメリットを感じられるかが分かれ目

低価格化したTVキャプチャーカードの中にあって、実売3万円は高価だ。デジタル放送録画が主目的なら問題ないだろうが、筆者のようにアナログ放送対応が主たる目的の場合は、価格に見合う画質や録画時の負荷の低さ、安定性、FEATHERの使い勝手にどれだけのメリットを感じられるかで、評価は大きく変わるだろう。音質の改善に目を付けたのはいいが、こちらはまだまだこなれていない。多少高価でも程々の高画質と手軽な録画(コマーシャルカット程度で再エンコードのない)を求める向きには良い選択肢になるだろう。筆者は使っていないが、再エンコードなしを想定してコマーシャルカット用にMpegCraft LEが付属しているのは評価できる。

■関連情報 AudioVideo用PCの製作 canopus DVTX100-HQ canopus MTV3000W
TVキャプチャーデータ保管大作戦 動画エンコードを助けるソフトたち


10月24日

iAUDIO_M3写真●COWON iAUDIO M3(その2)

前回6月にレビューしたCOWON iAUDIO M3であるが、以降ファームウェアの更新が何度か行われ、大幅に機能向上しているので、その後の使い勝手なども含めてレビューしておく。

・プレイリスト再開が可能になるも問題はまだある

前回のレビューの項にも追記しておいたが、7月に提供開始されたV1.20 Firemwareにてプレイリストに対する再開機能がサポートされた。当たり前の機能だし、この程度のことは発売当初からサポートしておいて欲しいもの。あわせてアーティスト名が日本語の場合でもアルバム名が表示されるようになるなどの改善があったが、MP3 VBRの時間表示は未だデタラメだ。何はともあれ致命的なものはなくなり、ソフトウェア的にはやっと完成品に近づいたといった感じだ。しかし、プレイリストに関しては前回のレビュー後とんでもない問題が見つかった。プレイリストに登録した同じファイル名の曲を正しく再生できない場合があると言う問題だ。具体例を示すと、小松未歩の「愛してる」を再生すべきところ、中島美嘉の「愛してる」が再生されてしまう。今までも同じタイトルの曲はあったが、ファイル名の前にCD内の配置順番号(今回の例なら「01 - 愛してる.mp3」)を入れているので、アルバム内に収録されていてもファイル名がバッティングする確率は低かった。今回すでに小松未歩のシングル「愛してる」が入っている状態で、中島美嘉のシングル「愛してる」を追加したものだから、どちらも表題曲が先頭にあるためファイル名が一致し、問題が表面化した。どうもファイルの探索をファイル名でしか行っていないものと推測されたが、それに関する更新がV.1.30で行われた。

audio-technica ATH-ES5
ATH-ES5写真

オーディオテクニカのポータブルヘッドフォン新製品ATH-ES5を試聴したら装着感も良く、音も良さそうだったので買ってしまった。今まで使ってきたSENNHEISER PX200と比べて高域も低域もレンジが広く、ちょっと癖はあるものの解像度も悪くない。ちょっと重いが、気にならない範囲だ。ただ致命的な欠点がある。密閉型なのに盛大に音漏れするのだ。これでは列車内で使えないではないか・・・ (--#) (Dec.4.2004)
参考:特集:ポータブルヘッドフォン

・プレイリスト同名ファイル問題は解決せず

更新情報の内容は、「M3Uプレイリスト内のトラックの検索方法を変更した。(正しくないフォルダにある、同じ名前のトラックがあるときのバグを修復した。)」と言うもの(原文は英語)である。筆者はプレイリストをPC内でPC内のファイルに対して作成し、それをiAUDIO M3にコピーしているのであるが、この方法だと確かに目的のフォルダまでのパスが正しくない可能性がある。同名ファイル問題の原因はm3uプレイリストの作成方法に問題があるからなのだろうか?試しにPCにiAUDIO M3をマウントし、その中の「\music\小松未歩\愛してる\01 - 愛してる.mp3」ファイルでm3uファイルを作成し、これをプレイリスト用のフォルダに直接保存してみた。このm3uファイルを再生した結果聞こえてきたのは、残念ながら中島美嘉の「愛してる」であった。現在はまだ英語版で、日本語版がリリースされれば改善される可能性もあるが、今のところ未解決である。
※12/1にリリースされた日本語版のファームウェアVer1.33Jでも同名ファイル問題は解決していない。(Dec.5.2004追記)

・20GByteの容量は十分か?〜データは増えるもの・・・

前回のレビューで普段聴きそうな曲を600曲入れたら4GByte(6.67MByte/1曲)と記載したが、現在はと言うと2,166曲で16.56GByte(7.65MByte/1曲)になる。PC上ではすでに2,500曲を超えてしまい、リッピング済の曲を全て収納することは不可能になって、全ファイルを消しての入れ直しを実施したところだ。購入してから半年でこんな事態になるとは当初想定していなかった。

原因のひとつはリッピング方法の変更である。従来から行ってきたリッピング方法は256KbpsのVBRだったが、前述の時間表示がデタラメになる問題を回避するため、新しいファイルは出来るだけCBRで圧縮するようにした。このため1曲あたりの容量が増えてしまったことがあげられる。ただそれ以前に、聴く曲が増えたことが最も大きい原因だろう。今まであまり聴かなかったようなシングルまで再生する機会が増え、既存のものをリッピングしたり、さらには購入してきたりで、データ量がうなぎ登りに増えてしまった。音楽を聴く便利な装置が増えれば、聴く音楽の量も増える。当たり前のことに気づいていなかった。たまに聴きたくなる曲まで入れようとしたら、20GByteは意外と狭い。筆者のようにMP3で256Kbpsなんていう贅沢な使い方をする気なら、予算的に余裕があれば40GByteを購入することを勧める。

・再生時間は7〜8時間程度を目安に

前回のレビュー以降一人で長時間外出する機会が何度かあり、意図的に色々な曲をずっと再生し続けたりしてみたのだが、満充電状態で朝から出かけると夕方にはかなり苦しくなる。メーカーのカタログでは最大14時間とあるが、色々な操作をしながらの再生だと、10時間持たせるのは苦しいようだ。筆者的には7〜8時間が余裕を持って安心して使用できる時間かと思う。

■関連情報 COWON iAUDIO M3 MP3エンコード環境の改善 COWON iAUDIO M3(その3)
特集:ポータブルヘッドフォン


11月22日

USB2XCHANGE写真●Adaptec USB2XCHANGE

リビングPC製作に伴う書斎PC(aspasia)のアップグレードに際し、SCSI接続していたスキャナEPSON GT-8700をUSB2.0接続するために買ったもの。別にSCSIカードI・O DATA SC-NBDはそのまま使ってもいいのだが、過熱気味のASUS RADEON9600XT(当時)と2枚のTVキャプチャカードに加え、IEEE1394の安定化のためにI・O DATAの1394US2G-PCIを増設しようなってたくらんだものだから、せめてSCSIカードを外して通気性を確保しようとしたもの。他社製品もあったのだが、価格差がさほどなく、電源供給がSCSIのターミネーションパワーとUSBのバスパワー、さらにはACアダプタ(別売)と3通りも確保されており、何せ天下のAdaptecである。SCSIがらみはAdaptecのドライバが使えるだけで安心感がある。

USB2 Xchangeデバイス右図はスキャナを接続した場合のデバイスマネージャの状態だが、外付けのUSB2ハブに接続した状態でもちゃんと認識され、PhotoshopからのTWAINインターフェイス経由での読込に際してもトラブルは皆無である。接続したまま休止やサスペンドを使おうとすると怒られるが、そこはプラグアンドプレイのUSB、おもむろに取り外してスキャナの電源を切ってしまえばいい。これでPC本体と連動状態だったスキャナも、必要なときだけ付け外しでき、SCSIの高速性も損なわないなどメリットは大きい。

■関連情報 AudioVideo用PCの製作 EPSON GT-8700 I・O DATA SC-NBD
ASUS RADEON9600XT I・O DATA 1394US2G-PCI Adobe Photoshop 7.0J

I・O DATA 1394US2G-PCI基板写真●I・O DATA 1394US2G-PCI

書斎PC(aspasia)にてマザーボード内蔵のIEEE1394(FireWire)インターフェイスにcanopus DVTX100-HQM-AUDIO FireWire Audiophileを接続するとなんかご機嫌が悪いために別回路を確保しようとして購入したもの。何せIEEE1394のオーディオデバイスは色々鬼門が存在するらしく、どんなメーカのWebサイトにも例えば「TI(テキサス・インストゥルメント)社製 FireWire コントロールチップを推奨」などとチップセットまで言及した記載がある。そんな訳で安心して使えそうなTIのチップセットが搭載されたカードを探していたら、このコンボインターフェイスボードに辿り着いたわけだ。内蔵のコネクタも確保されており、バスパワー供給のための電源端子もあるなど、信頼性は高そうだ。ギガビットLANやUSBはちょっと余計だが、使い回しを考えたら悪くないだろう。実際のところインターフェイスを変えてから、IEEE1394がらみのトラブルはほぼ解消した。

■関連情報 AudioVideo用PCの製作 Adaptec USB2XCHANGE canopus DVTX100-HQ
M-AUDIO FireWire Audiophile

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