AT互換機関連 ハード・ソフトレビューMattHomePage

2005年7月〜9月


目次

  1. 7月17日
  2. EDIROL UA-3FX
  3. 7月18日
  4. COWON iAUDIO M3(その3)
  5. 9月23日
  6. Nullsoft Winamp 5.1
  7. Apple iTunes 5
  8. 9月24日
  9. Topre Realforce101
  10. FILCO FKB108M/NB Majestouch

7月17日

EDIROL UA-3FX写真●EDIROL UA-3FX

前回試してみてそれなりに良かったOPTOPlayUSBに気をよくして、USBサウンドデバイスに手を出してみる気になった。今リビングPCのデフォルトの音の再生先はオンボードデバイスになっていて、これが弱すぎるから強化しようというわけだ。EDIROLのUA-3FXは2年近く前に発売された製品になるが、EDIROLブランドだけにそんなに音は悪くないだろうという期待と、ASIO対応。そして、何よりも充実した付属ソフトに惹かれた。キャプチャーした音楽の編集に使えるSound it! 3.0LE for Windows、以前から何とかしたかったMIDI環境の改善にソフトウェアMIDI音源VirtualSoundCanvas。付属ソフトが今回ほど筆者の必要性にマッチしたことはない。それでも「今でも何とかなっているんだから、買わなくても」なんて考えたりして、2週間ほど経過した。結局ヨドバシカメラで\17,600(税込みポイント還元10%)にて購入。

・価格相応の作りと派手な文言

パッケージにはこう書いてある「24ビット対応 圧倒的な高音質」。明らかに低価格一般向けの商品だから、これくらいは許してあげよう。ケースもあまり質の良くないプラスティックで、音量調節ボリュームが微妙に傾いていたりするが、これも価格相応だろう。それでももうちょっと品があってほしいと思う。

・ドライバは2種類

面白いのは、背面のスイッチを切り替えてドライバが2種類使えることだ。ひとつはインストールにCDすら不要のWindows標準のUSBオーディオドライバ。そしてもうひとつが、AdvancedDriverと書かれている本機専用のWDM及びASIO対応ドライバだ。確かにちょっと出先で使うときにドライバ入れないと使えないのは不便だから、標準のUSBオーディオドライバで使えるようにするのはなかなかいいアイデアだろう。とりあえず筆者の目的は据え置きリビングPCの補助オーディオデバイスだから、専用ドライバをインストールして使うことにする。コントロールパネルにアイコンが増えて、バッファサイズの大小の調整スライダとASIO Direct Monitorを使うかどうかのチェックボックスがある。このバッファサイズの調整はとてもわかりにくい。表記をわかりやすくするためにMin.とMax.だけにしているのだろうが、相手はバッファサイズである音量のように直感判断できるものではない。何らかの数値表記をつけたうえで、ちゃんとマニュアルで説明すべきだと思う。

・解像度の低さは歪みのせい?

音質の方だが、Accuphase E-308JBL 4318で聴いたところ、前回のOPTPlayUSBに比べてそれなりにダイナミックレンジの広さを感じられるのだが、Hammerfallと比べると明らかに音のなまめかしさというか、艶というかそんなものが足りない。特にピアノを聴くと安っぽい音がする。解像度も落ちて、はっきり言って面白くない音だ。

高調波歪み比較グラフ今回も同じようにRigthmark Audio Analyzerで裏付けのためのデータを取ってみる。結果を見て愕然とした。ノイズは少なめで、周波数特性もさほど悪くないのだけれど、歪みが尋常ではない。OPTPlayの時は混変調歪みがやや悪かった(0.018%)だけだったが、UA-3FXは高調波歪み、混変調歪み共に0.1%以上というとんでもない値だ。これならマザーボード上のオンボードデバイスと変わらない。筆者はソフト目当てで、サブデバイスだから妥協も出来るが、パッケージに記載されている「圧倒的な高音質」は嘘だ。間違っても高音質を求めて本機を買ってはいけない。

・サンプリングレートは固定

筆者が今まで使ってきたオーディオデバイスは、FireWire AudiofileにせよRME Hammerfallにせよ出力するソフトウェアにあわせてサンプリングレートが追随した。このことは音楽再生中に再生ソフトと違うサンプリングレートの音を間違って送り込んでしまったときにまともに再生できなくなって困る原因になっていたので、柔軟すぎてあまりうれしくない機能ではあった。しかし、UA-3FXは逆の意味でうれしくない。サンプリングレートをスイッチで切り替え、しかもいったん取り外さないといけない。これはこれで柔軟性がなさ過ぎて困ってしまう。

・デジタルプレイバック機能

このレベルの機種にしては面白い機能として、デジタルのプレイバック機能がある。入力をPLAY-BACKに切り替えると、PCから出力した音がデジタルのまま入力に帰ってくる。確認してみたが、確かに計算誤差程度しか劣化がない。これを使えば、PCで再生した音がそのまま録音できるというわけだ。使い方によっては法的に問題があるので注意が必要だが、録音手段としては面白い。下記のエフェクトもかけられる。

・デジタル処理されるエフェクト

マスタリング・リスニング・パフォーマンスの3種類から択一で各4種類のエフェクトを同時にかけることができる。ノイズ除去やエンハンサー、リミッターなど原音の問題を解消するものから、リバーブ、コーラスなど効果を出すものまでそれなりに用意されていて、しかもリアルタイムでかけられる点は面白い。エフェクトの質に関しては筆者は素人なので何も言えないが、デジタル処理されるため音質低下は最小限だ。デジタルプレイバック時に使えるのもいい。

Sound it! 3.0LE for Windows画面・Sound it! 3.0LE for Windows

デジタルの音声データを録音し、編集するソフトである。あまり使い込んでいないので、今の段階ではまだ何とも言えないが、普通の編集には充分使いやすくて便利なソフトだ。LE版はCDに焼く機能がないが、そのためのソフトはいくらでもあるので特に困らない。ただ気になるのは、ASIOで録音すると他のASIOで出力するソフトの動きを止めてしまうこと。これは案外極悪で、ASIOで再生中の音楽などをプレイバックで録音できないことになる。

VirtualSoundCanvas画面・VirtualSoundCanvas

貧弱なMicrosoft GS Wavetable SW Synthを置き換えてくれるソフトウェアMIDI音源。筆者のようにMIDIを再生する機会の少ない者にとって、物理的なデバイスを増やすこともなく安価に再生音質を改善できるので重宝する。本格的にDTMをやろうというのでない限りわざわざ買うほどのものでもないので、何らかの付録で入手するといい。なぜかHammerfallのDirectSoundに出力できないという問題があるのだが、標準サウンドに出力して特に問題もないから、これはこれでいいのだろう。ハイクオリティ設定で使用しているが、音質も良好で、CPU負荷も曲のロード時以外10%以下といい感じで使えている。

・まとめ

本機の機能といい、付属ソフトといいとにかく盛りだくさんだ。チャネルが少ないせいもあってドライバこそ大した機能がないが、本体にボリュームがあるし、本機の再生と入力をミキシングするなどそれなりのことは可能だ。しかし、質という点では相当問題がある。作りもそうだが、音質的にもマザーボードに付いているサウンドデバイスとの差別化が難しいレベルだ。筆者のようにソフト目当てならともかく、お遊びや補助的な用途以外には勧められない。
※注:結局ソフトの権利を残すために売却こそしていないが、ハードはONKYO SE-90PCIに更新された。(Nov.6.2005追記)

■関連情報 RME Hammerfall DSP RPM M-AUDIO FireWire Audiophile AudioVideo用PCの製作
JBL Control Monitor 4318 Accuphase STEREO INTEGRATED AMPLIFIER E-308
AUDIOTRAK OPTOPlayUSB RME Hammerfall DSP Multiface II ONKYO SE-90PCI


7月18日

iAUDIO_M3写真●COWON iAUDIO M3(その3)

昨年10月に2度目のレビューをしたCOWON iAUDIO M3。今春iAUDIO X5が発売になったりして、一線から引き気味の存在になってしまったが、筆者にとってはまだまだ現役。その後の報告も含めて、3度目のレビューをしてみたい。

・ポータブルの割には音がいい?

別途報告しているが、今春オーディオ機器を更新する機会があって、15年以上放置されてきた自宅の環境もやっと最新(決して高級品とは言えませんが・・・)のものになった。その機器を選ぶ際に、以前使っていたオーディオ機器よりも、むしろこのiAUDOの音がそれなりに比較基準になっていたことが、自分でも不思議でしかたない。確かにヘッドフォンは携帯用とはいえ、より音がよいものに替えているし、筆者なりにはかなりいい音が出ているとは思っているのだが、本当にそうなんだろうか?そんな訳で、最近色々調べているUSBオーディオインターフェイスと同じように音質を調べてみることにした。

・音質の検証

他の検証と同じように、リスニングとRigthmark Audio Analyzerでのデータで行う。ヘッドフォン端子での出力を調べるために、あえてLINE OUT端子を使っていない点注意されたい。iAUDIOのイコライザや位相補正(BBE)は切り、リスニングの場合はAccuphase E-308に接続してJBL 4318で聴く。他のオーディオ機器にあわせるためにボリュームは最大にした。比較対象はWinAMP5※注1で再生し、普段使っているHammerfall RPMでDA変換して同じアンプとスピーカーを使う。主に聴いたのはオーディオ機器の購入にも使ったFayrayの「Look Into My Eyes」※注2をMP3(Lame3.96にて256kbpsCBR)に変換したデータ。聴き比べて悩んでしまった。微妙には違うがほとんど区別が付かない。この辺が筆者の能力と、MP3であることの限界なのだろう。
※注1:おたちゃん氏作のmp3デコーダープラグインin_mpg123.dllとASIO出力プラグインout_asio(dll).dllを使用。
※注2:Fayrayの4th Album HOURGLASS(R and C Ltd. YRCN-11038)の8曲目

混変調歪み比較グラフRigthmark Audio Analyzerのデータでは明快な答えが出た。テスト用の再生データを作り、これをiAUDIOで再生して、Hammerfallで取り込んで測定する。右に混変調歪みの比較グラフを掲載するが、きわめて優秀な結果だった。周波数特性はほとんど変わらず、ノイズやダイナミックレンジがHammerfallより若干劣る程度。高調波歪みや混変調歪みもほとんどない。

筆者もそれなりにいい音なのだろうとは思っていたが、iAUDIOからオーディオ機器で再生するなんて思いもしなかったから、想像以上の結果に驚いている。ここまで能力があるのなら、あとはヘッドフォン次第といったところだろうか。もちろんバッテリ駆動で出力も低いから、そのへんを十分カバーできるように気を遣えば、そのへんの下手なオーディオ機器に負けない音が出せるだろう。

・再生できなくなるトラブル

音質的に素晴らしいことが確認されたiAUDIO M3ではあるが、実は今春強烈なトラブルに見舞われた。急にリモコンの画面が乱れて止まってしまうのだ。本体とリモコンとの接触を疑い、四苦八苦したのだが、実は内部の2段重ね基板同士の接続コネクタの半田付けが甘かったのが原因だった。いったん基板を取り外し、全て半田を付け直すと、嘘のように元気になる。修理してから3ヶ月以上になるが、未だ問題ない。もっともこの辺の修理は筆者がIC用のはんだごてを持っていたから可能だったのであって、通常は修理に出すことになるだろう。筆者のように半田付けの甘い個体もあるだろうから、同じような症状が出たらまず疑ってみてほしい。

■関連情報 COWON iAUDIO M3 MP3エンコード環境の改善 COWON iAUDIO M3(その2)
特集:ポータブルヘッドフォン RME Hammerfall DSP RPM


9月23日

●Nullsoft Winamp 5.1

昨年6月にレビューしてから1年以上、ほぼ毎日のように音楽再生に使用してきた。他のソフトを試してみたこともあるが、結局音楽再生に関しては総合的にWinampに勝てるものは未だ現れていない。色々な情報を再整理しておこう。

Winamp画面・日本語化が必要で事実上再生専用

日本語版はなく、英語版に非公式のパッチを当てないといけない。入手先はWin32工作小屋。そして、パッチを当てても日本語表示にはそれなりの設定が必要で、慣れないうちは難しい。また無理矢理日本語化しているので、文字化けや日本語の取り扱いに関する問題も皆無とは言えない。これは普及させる点では致命的で、筆者も友人などには恐くて勧めていない。

また、筆者が通常使っているのは再生機能だけ。(リッピングはCDex Ver.1.51とlame3.96を使用)AACなどでリッピングもできるが、あまり実績がなさそうなのと、MP3エンコードには有料のpro版が必要になる点、使い勝手もリッピング専用ソフトに劣る点で使っていない。

・ASIO output plug-in,mpg123 plug-in

mp3をデコードし、ASIOデバイスに出力するプラグインである。入手先はおたちゃんのMIDI/Audioソフト。単純なものだが、日々改良が加えられ、進化し続けている。これらがなければ、Winampの音質的な魅力がなくなると言えるほどすばらしい。特に画期的なのは、mp3デコードした出力を64bit浮動小数点で出力し、これをASIO出力することで、ボリューム操作などでの音質劣化なしに直接出力デバイスを駆動できる点※注。これで、mp3エンコード時の音質劣化以外の部分をほとんど無視して再生することが可能になる。
※注:通常の16bitで処理すると、mp3にエンコードし、デコードする一連の工程で計算誤差が生じて、しかもその誤差がボリューム操作での演算でさらに拡大する可能性がある。小音量時の16bitでの計算誤差は、大きな歪みをもたらす点に注意。

・機能や使い勝手はトップクラス

何よりも便利なのが、再生用の専用プレイリスト。ライブラリの管理とは全く別に、カラオケのように再生する曲を登録していき、そこから順に再生するスタイルだ。ライブラリから聞きたい曲を見つけて、どんどん登録してゆけばよい。登録してからの並べ替えもできるし、いいものができたらこれを固定のプレイリストに登録することもできる。一度これを使ったら、アルバム単位などの再生方式には戻れない。

現在のデータベースの状態をダイナミックに反映してくれるView(iTunesのスマートプレイリストに相当)は条件もそれなりに豊富で、しかも複雑な条件も式で指定することができる。惜しむらくは演算が使えないこと。もちろんこのリストから、固定のプレイリストをつくることもできる。

使い勝手の点で特に気が利いているのが並べ替えの機能。複数の条件を連続して指定していくと、より新しいものを優先しながらも、以前の条件も残っている。例えば、最終再生時間の次に再生回数で並べると、同じ再生回数の中が最終再生時間順に並ぶ。

またiTunes張りの「Artist/album view」はArtistやAlbumの横にアルバム数やトラック数が表示され、これらで並べ替えられるから、iTunesよりも使い勝手がよい。

・再生機能ならベストか?

再生のための機能はトップクラス。しかもASIO出力のためのプラグインもあって、音質的にも最強とあっては一度使い出したらやめられない。唯一の欠点が非公式の日本語化だが、とりあえずアーティスト名と曲名が日本語で見えたら、あとはあまり困らないからあまり致命的とは言えないだろう。ただ、リッピングには別のプログラムが必要だし、簡単に使いたい向きには決して勧められたものではない。

■関連情報 Apple iTunes 5 MP3エンコード環境の改善 Win32工作小屋 おたちゃんのMIDI/Audioソフト
RME Hammerfall DSP RPM RME Hammerfall DSP Multiface II

●Apple iTunes 5

普段Winampを使っている筆者が、iTunesの新しいバージョンを知って事実上の業界標準も使ってみようと思った。iPodを使っているわけではないから、特に使う必要性もなにもないのだが、より便利な再生環境があるのなら試してみて、問題がなければ移行してもいいと考えてのことである。

・インストールと設定は簡単

もちろん日本語化されており、インストールも単純。設定も凝らなければデフォルトのままでそのまま使える点で初心者への敷居は低い。ただ、既存のライブラリがある場合は、そのフォルダをiTunesMusicフォルダに指定した上でそのフォルダをライブラリに追加する操作が必要だ。今までなにも考えずにライブラリを作っていた人は悩むだろう。

・出力デバイスで致命的問題

iTunesの出力先はQuickTimeで指定する。iTunes 5で使えるQuickTimeはバージョン7.0.2なのだが、このQuickTimeが曲者でWindowsの優先するオーディオデバイスに出力するという仕様であるため、出力先をオーディオ再生専用のデバイスに切り替えられない。彼らの頭の中はどうなっているのだろう?まともに音楽を再生しようとする人がWindowsの警告音と同じデバイスで再生するわけがないではないか。落胆した。

気を取り直して、とりあえず優先するオーディオデバイスをRME Hammerfall RPMに切り替えて再生してみる。なんだこの音は?明らかにデータが追いついていないブツ切れの音だ。ASIOやWDMを使えないため、最速のデバイスはDirectSoundしかないのだが、Hammerfallはそんな時代遅れのデバイスには対応していない。結局双方の一致するデバイスはWindowsのミキサーを経由するMMEしかない。参考までにDirectSoundに対応したEDIROL UA-3FXではまともに再生できたことを報告しておく。
※コントロールパネルのQuickTime設定で、オーディオタブのデバイスの項、セーフモード(waveOutのみ)のチェックを入れれば、RME Hammerfall RPMでも再生できたことを記しておく。残念ながら、この場合でもQuickTime7.0.2は不審な挙動を示した。原音のサンプリングレートが44.1KHzにもかかわらず、出力はリサンプリングされて48KHzになっている。ハードウェアのサポートを44.1KHzにしてもこの挙動は変わらない。決して聴けない音ではないが、オーディオ再生の音としては繊細さが失われ、失格と言わざるを得ないものだ。(Oct.24.2005追記)
※出力デバイスをONKYO SE-90PCI にして調べてみたところ、デバイスの性能を48KHz以上にすると48KHzにリサンプリングしてしまうようだ。コントロールパネルで44.1KHzを強制すると44.1KHzになるが、これではDVD再生に問題がある。やはりWindows版のiTunesは、間抜けなWindows版QuickTimeに足を引っ張られて、まともなオーディオ再生には使えないというのが結論だ。(Nov.6.2005追記)
※以上の追記も含めてApple iTunes 5(その2)に整理したので参照いただきたい。

iTunes画面・クールな画面デザイン

表示画面(写真右、クリックして拡大表示)はとても美しい。上記の問題で本格的に使えていないせいもあって毎レートや再生回数、再生日が入らずに情報が不足しているが、見やすさという点では優秀だろう。気になるのはブラウザ表示時のアーティストやアルバムの表示に付帯情報(Winampではアルバム数やトラック数)がなく、単純にアルファベット順でしか選択できないこと。これでは曲の多いアーティストを前に持ってこれなくて不便※注1だ。また、再生する際に自由に曲順を指定しようとしたり、色々なシングルを連続再生しようとしたら、そのたびにプレイリストを作らないといけない。カラオケのように再生キューの機能がある方が便利だろう。

また、スマートプレイリストというライブラリの音楽から条件を指定して動的に曲のリストを作ってくれる機能(WinampのViewに相当)があり、条件もたくさんあって使いやすい。そしてその結果から曲リスト(テキストファイル)※注2やCD作成ができる機能もある。
※注1:スマートプレイリストでアルバム数や曲数が多いアーティストを選択することはできない。また、マイレート(お気に入り)のレベルが高い曲を含むアーティストを選択することもできない。スマートプレイリストはアーティストを選ぶことはできず、あくまでも曲を選ぶための条件にしか使えないことに注意。
※注2:曲リストを取り込むとプレイリストになる。

・管理情報が豊富

曲毎にイコライザや音量調整ができ、再生するたびに変更しなくてもいいのはすばらしい。また、歌詞やアートワークも設定でき、歌詞やジャケット写真を確認するためにCD出してこなくても良いのも便利だ(これがレンタル録音を助長する可能性も否定できないが)。また、ちょっとした工夫だが、再生記録が聴き終わらないと残らない点も気が利いている。「この曲どんな曲だったかな?」と確認するために聴く場合は、たいてい記録が残ってほしくない場合が多いから。また、ディスク番号を指定して2枚組以上のアルバムを管理できたり、コンピレーションを管理できる点も画期的だ。このへんは多数の曲を管理することの多いメジャーなプレイヤーのメリットだろう。 もちろんiPodとの密な連携はライブラリの情報をiPodからも更新できるため、通常の再生ソフトでは得られない便利さをもたらす。

・結局iPod所有者の管理ソフト

Windows版を色々試してみたが、iPodを持っていない限り他のソフトから移行する意味はない。管理情報など機能的に優れている面も多数あるが、何よりiTunes自体の再生機能が機能的に問題のあるQuickTimeに依存している点ですでにダメである。QuickTimeをWindows環境向けに大幅に改良するか、QuickTimeを捨てるかして、ASIOやWDMデバイスとの連携を深めない限りiTunesをWindowsで誰もが使いたくなるソフトにすることは不可能だろう。このレビューを書きながらiTunesでの音楽再生を試していたが、マウスのクリック音がオーディオスピーカー(JBL 4318)から出てくるのに閉口した点加えておく。

■関連情報 Nullsoft Winamp 5.1 MP3エンコード環境の改善 ONKYO SE-90PCI
RME Hammerfall DSP RPM RME Hammerfall DSP Multiface II Apple iTunes 5(その2)


9月24日

●Topre Realforce101

Realforce101写真何となく久々に軽いキーボードも使いたくて買ってしまった。そのへんのメンブレンはゴムの感触が嫌で、特に底を打ったときのぐにゃっとした感覚が気持ち悪い。そこそこしっかりしたものも中にはあるのだが、英語キーボードはあまり出回っていないから選択の余地もあまり無い。秋葉原まで行けば何とでもなるのだろうが、そんな交通費を出すくらいだったら、Realforceを買ってしまえと考えたわけだ。お手軽に梅田のヨドバシカメラで\18,690(税込み、ポイント還元10%)

・とにかく軽くてスムース

もちろん購入時にもかなり試したのだが、自宅で使うとまた感覚が違う。画面も見ずにキーボードの感触だけ試していると(底まできっちり押し込むので)さほど軽い感じはなかったのだが、実際文字が入力されていくのを見ると、その軽さがはっきりする。ほとんど力を入れなくてもすっと文字が入力されていくので、「あれっ?」と思ったら、スイッチが入る位置がかなり上の方にあって、1mmほど押す(触れる感じ)と入力される。

キーのブレもなく、引っかかる感じも全くなく、押し始めの微妙なクリック感のあとはすっとキーが底を打つ。「この感触は?どこかで出会ったような・・・」これはKeyTronicKB101-Cで出会った感触だ。唯一違うのは、キーのプラスティックの材質やキースイッチの違いによる引っかかり感のなさだろう。KeyTronicを上品にした感じと言えばいい。

・使いこなすにはそれなりに練習が必要

練習がてらこのレビューを入力したりしているわけだが、今までIBM Model-MのBuckling Springの明確なクリック感に慣れていた筆者にはちょっとやそっとでまともに使えるようになるものでもなさそうだ。軽くてすぐ入力されるので、反射的に次のキー入力に移行し、瞬間的には入力速度が上がっているのが実感できる。しかし、それが速すぎて指の連携がうまくとれずにもつれたようになってしまったり、頭の中で次の文を用意するのが遅れてしまったりで、なかなかどうしてトータルスピードは上がってこない。まあ、指の動きの方は慣れの問題なので、練習次第でそれなりに早くなりそう。で、問題は頭。普段からわりと考えながら話すタイプの筆者にとって、高速に文を紡ぎ出すのはちょっと苦手かもしれない。まあ、スピーチの練習にもなることだし、しばらく勉強がてらがんばってみよう。

■関連情報 コラム:キーボードを考える コラム:IBM Enhanced Keyboard Model-M
Northgate Computer Systems OmniKey 101 FILCO FKB108M/NB Majestouch

●FILCO FKB108M/NB Majestouch

FKB108M/NB写真実家の両親にプレゼントしようと買ったもの。今まではIBM 5576-A01を貸していたのだが、新しいPCに買い換えた途端に使えなくなってしまった。やむなくPC付属のグニャグニャキーボードを使っているのだが、いつまでもこれでは可哀想だ。これも上記Realforce101と同じく梅田のヨドバシカメラで\9,450(税込み、ポイント還元10%)

両親は日本語キーボードでローマ字打ちしているから、日本語使用でカタカナ表記がないものがベストだ。Reaeforce106にしようかとも思ったのだが、5576-A01が使えないとなると、互換性が心配だ。万一使えなかったときのリスクと、軽すぎてうまく使えないのではという懸念もあって、あえて普通のUSBメカニカルキーにしてみた。使われているキーは、独Cherry社のMX tactile feel。ストロークも深く、入力される位置も2mm程度と一般的で使いやすい仕様になっている。

・メカニカルキーにしては引っかかり感が少ない

実際今このキーボードで入力してみているのだが、メカニカルキー特有の引っかかり感が少なく、それでいて適度なクリック感があるので、この手のキーの中では使い勝手はトップクラスだろう。キーボードの作りもしっかりしていて、安定感も申し分ない。一般向けのキーボードとしては高価な部類になるが、普通にメールを入力するにしても、毎日使うのだからこの程度の品質は確保したいもの。一般的に出回っているものなので、ぜひ試してみてほしい。

・カナ表記なしに注目

このキーボードには通常の白黒の選択の他に、カナ表記のありなしが選べる。ローマ字打ちの場合はカナは邪魔なだけだから、カナ表記がない方がキーがすっきりして気持ちいい。ただ印刷表記が一般的なものと違うところがあるので要注意。

まあキーを見て打たない分には関係ないことだけれど。

■関連情報 コラム:キーボードを考える コラム:IBM Enhanced Keyboard Model-M
Topre Realforce101 Northgate Computer Systems OmniKey 101

matty@gol.com , (c) Copyright 2005,2006 Yoshihisa Inagaki All rights reserved.