なかなか時間が取れない(取る気がない)のにかまけて放置してきたリビングPC(主にオーディオ再生に使っているpericles)のHDD移行を実施した。今まで使ってきた発熱と騒音の大きいMaxtor DiamondMax Plus9 (6Y080L0)を、書斎PCで余った容量も大きく比較的静かで発熱も少ないHitachi HDS722516VLAT80に移すという単純作業である。当初の想定は、全部で3時間程度。それが、一晩(約12時間)費やすという悲惨な事態となった。ハードウェア的な問題と、Windowsの仕様に関する問題、それに筆者のミスとからんだWindowsの不可解な仕様が輪をかけてくれた。この手の作業、楽にしようとせず、動きを想定できないWindowsを使わないで、各工程での状況をちゃんと把握しながら確実に勧めなければならないことを改めて痛感させられて次第。以下経緯を記載しておくので、トラブルに巻き込まれた際の参考にでもなれば幸いである。
No. | Cap./Format | 用途 | Cyl | Head | Sect |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1019MByte | SystemCommanderと Windows98 |
0 | 1 | 1 |
FAT32 | 129 | 254 | 63 | ||
0 | 7.97GByte | Windows2000システム | 130 | 0 | 1 |
NTFS | 1169 | 254 | 63 | ||
2-0 | 1.99GByte | SWAPファイルと テンポラリ領域 |
1170 | 1 | 1 |
NTFS | 1429 | 254 | 63 | ||
2-1 | 15.93GByte | アプリケーション領域 | 1430 | 1 | 1 |
NTFS | 3509 | 254 | 63 | ||
2-2 | 49.49GByte | データ領域(主にmp3) | 3510 | 1 | 1 |
NTFS | 9963 | 254 | 63 |
参考までに移行元のHDDのパーティション構造を示しておく。基本パーティションの領域配置順とテーブル記載順が異なる点が普通ではない。
まず移行元のHDDを1段下に移し、移行先のHDDをPCに取り付ける。リビングPCのケース(CoolerMaster Praetorian PAC-T01-EK)は、HDDをマウントする部分が固定されているからすんなりとは入らず、微妙に干渉するマザーボードやそれに接続されているコネクタを排除しながらの作業である。それでも何とか作業は無事進捗した。ただ、これが原因でトラブルになるとは、この時は知る由もない。前回の反省から、移行には出来るだけSystemCommanderを使うようにした。ただ、今回の移行データの中でもっともデータ容量の大きい音楽データだけは速度の速いWindowsでコピーしようとたくらんだ。移行元と移行先のHDDの両方を接続した状態でPCを起動。まずはSystemCommanderを使ってWindowsやプログラムのあるC:〜E:ドライブのコピー。Windowsと違って若干時間はかかるものの、順調に進捗した。
次にWindowsを起動し、音楽データのあるF:ドライブを新しいHDDにコピーしようとしたのだが、どうもPCが固まる。どうも表示系がぴたっと固まるので、ビデオカードがらみだろう。セーフモードでは問題なく、まともなドライバが動き出してしばらくすると変になるから、ドライバでも壊れたかと思って入れ直してみたがダメ。カードをさし直してみたりしても症状は同じ。ここで2時間ほど費やして、結局カードが微妙に斜めに入っていることを発見し、ケースとマザーボードの微妙な寸法上の相性だと判断、カードの取り付け金具を微妙にずらして取り付けることで解決した。どうもHDDを取り付ける際に、ケース内で色々いじったことが潜在的な問題を表面化させたのであろう。
やっと起動したと思ったら、その結果は悲惨なものだった。間違って移行先ドライブから起動してしまったものだから移行先HDDのシステムのドライブレターはH:(何故H:なのかは今イチ理解しがたいが)、移行元のC:〜F:ドライブが元のドライブレターを占拠している状態だ。これは筆者の明らかな失敗。もう一度移行元ドライブから起動して、下記のコピー作業をしたあと移行先ドライブのドライブレターを落として移行先ドライブだけで再起動する。
新しいパーティションを作ってフォーマットしたら、なんか変なメッセージが出た。「ドライブ情報を更新したから再起動せよ」というのだ。何を言いたいのかよくわからなかったが、データのコピーが無事完了した段階で、旧HDDを取り外して再起動。ここで「ntoskrnl.exeがないか壊れているから起動できない」とお叱りを受ける。ntoskrnl.exeを改変するような操作はしていないし、コピーの過程で壊れでもしたのだろうか?疑念を抱きつつCDから回復コンソールを起動してファイルを確認するも、問題なく存在している。移行元のHDDを確認したり、Webで調べたり(幸い筆者の場合書斎のPCが生きている)したが、なかなかいい答えが見つからない。1時間ほどの格闘の末見つけ出したのがboot.iniと実環境の相違だ。
default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT
No. | Cap./Format | 用途 | Cyl | Head | Sect |
---|---|---|---|---|---|
0 | 1019MByte | SystemCommanderと Windows98 |
0 | 1 | 1 |
FAT32 | 129 | 254 | 63 | ||
1 | 7.97GByte | Windows2000システム | 130 | 0 | 1 |
NTFS | 1169 | 254 | 63 | ||
以下省略 |
boot.iniにはこんなことが書いてあるが、いつの間にかWindowsのシステムドライブの記載順が2番目に変わっている(右表)ではないか。試しにpartition(2)と書き換えたらちゃんと起動する。それでも元の状態を維持していないのは気に入らないから、一度消して移行元から元の順序で作り直す。Windowsが勝手にパーティションテーブルいじることも問題だが、後始末にboot.ini直さないなんて、これって仕様漏れ?よく考えたらパーティション情報をいじったドライブから起動しているわけではないから、これはこれで問題ないところが悔しい。
やっとの事でシステムドライブの作り直しも完了。旧HDDも取り外して、これで上手く起動したら作業完了だと思っていたら、起動はしてもログイン出来ないではないか。何度か再起動しても、電源を切っても同じ。夜半過ぎていたし、もう作業は終わったと思って、ワイン飲み始めていたから、酔っぱらった頭で色々調べる羽目に(それでもワインは止まらなかった・・・)。C:ドライブだけでなくD:E:ドライブも移行元からコピーし直してみたりもしたが、解決せず。最初は猫まねきも疑ったが無実。i8042prtサービスが止まっているのかと思って色々調べたが問題なし。この過程で導入した回復コンソールを使って最後に辿り着いたのが、なんかドライブ構成が変になっていること。何故かF:ドライブになるはずのパーティションがC:ドライブになってしまっていて、システムドライブがD:に追いやられていた。悔しいが苦労して作ったF:ドライブを消し、C:ドライブをもう一度移行元からコピーし直してやっとの事で回復。仕上げにF:ドライブのコピーが終わった頃にはもう朝ではないか・・・自分自身に「お疲れ様でしたぁ〜」。
それにしてもいつの間にF:ドライブがC:にラベリングされてるの?WindowsNT系のドライブレターを振る機構って未だ理解できない。せめてシステムドライブを最初に起動するときくらい、確認してくれてもいいんじゃない?
余談になるが、リビングPCが死んでいる間、音楽再生ができない。このPCができてから、しばらくCDをオーディオデッキで再生するなんてまともにしていなかったから、久々に不便な感触を味わった。面倒くさくってシングルなんて再生する気にならないし、アルバムだって再生する前にCD取り出してセットしないといけないじゃないか・・・。かなり苦痛だったし、PCなしでももっと便利に音楽を再生できる環境を、権利の保護とあわせて音楽業界・機器メーカが一体になって考えていかないといけないと思う。
NTFSをデフラグするツールとして1年半ほど使ってきたが、程々に使い込んだと言える状態になったので、このへんでレビューしておく。そもそもこのソフトウェアを使う発端になったのが、NortonSpeedDisk(NortonUtilitiesの中の1ソフト)が何となく遅くて使えないなと思ったこと。特にビデオデータを入れた大容量ドライブをデフラグするととんでもない時間がかかる。機能も今ひとつだし、どうもNTFSとはあまり仲が良くなさそうだ。そんなこんなでネットで選んできたのがDiskeeper。
Diskeeperは普通にデフラグしていると処理は速いものの一見何の変哲もないでフラグメンテーションソフトに見え、むしろ使用領域の統合などを行ってくれず、機能的に今ひとつの感を受ける。筆者も最初はその速さだけでこのソフトを使っていたのだが、このソフトにはもっと懐の深いところがある。ひとつは再起動が伴うもののNTFSの管理領域MFTの統合、もうひとつが自動的にデフラグする際の使用領域統合機能である。前者は、手動で行う場合ドライブ毎に一々設定する手間が必要だが、Frag Guardという機能を使えば自動的に設定することができる。まあこれは、手動で行ってもさほど手間とは言えないし、何より自動化するほど頻繁に行うようなものでもないので、筆者はあまり魅力を感じておらず、使用もしていない。後者はデフラグを自動化した場合のみの限定された機能である。もちろんビデオ録画時などにこの機能が動作すると駒落ちなどが発生するから、通常録画するような時間を自動デフラグの時間から外しておくような設定が必要だ。それでも休日の昼間など、PCをつけ放しで外出したりすると帰ってくる頃にはディスク内を綺麗に整理しておいてくれたりするので、一見使えないようで工夫次第で結構使えるものだ。参考までに、筆者は録画やビデオ圧縮処理を行う率の高い夜間(20時〜7時)を自動デフラグ禁止時間に設定している。
約1年ぶりにキーボードを購入。Yahoo!オークションで幸運にも買い手が付かず、開始価格の\7,000で入手した(してしまった)もの。今まで何度か入札していたが、大抵1万円を超えていてかなりラッキーな部類だろう。特によい状態のものでもなく、キーの焼けムラなども発生しているが、使用上支障になる部分は全くなかった。
本機の特徴は、古き良き時代の重くて安定した筐体と、安定したメカニカルスイッチの優れたキータッチであろう。筆者が入手したものはそれなりに使い込まれたものであるが、タッチのムラもあまりなく、スイッチの質の高さをうかがわせる。左奥のメーカーロゴ部分が開くようになっていて、DIP Switch※注でPC-XTなど色々な機種に対応したり、Ctrl,CapsLockのキー入れ替えなどが可能になっている。Dvorak配列なども使えるのだが、さすがに配列を覚えるだけの根性はなく試せてはいない。キートップの文字はカラーの昇華印刷で、このへんはIBM Enhanced Keyboard Model-Mと(配色こそ違うものの)同じで、キーの感触を損なわずに耐久性も高い。ケーブルも取り外し式のカールケーブルで、製造からこれだけ経過しても柔軟性を失わない材質は特筆もの。
※注:DIP Switchの設定はこちらにある。http://www.andrewhagen.com/archives/2003/12/09/492/
あえて難をつけるためにIBM Enhanced Keyboard Model-Mと比較するならば、キーがより平板で日本製のものとほとんど同じであることと、ストロークは安定しているもののメカニカルキー特有の若干の引っかかりが、若干打鍵感を損なうことであろう。もう少し重箱の隅をつつくなら、キーのカチャカチャ音がやや大きめに感じることや、その原因であるキーの材質(焼けやすい)など、細かい問題は多々ある。それでも最近市販されているキーボードとは比べものにならない、高品質で使える逸品である。