完成までの様子-1/松戸の家
高断熱高気密仕様
はじまり
計画のスタートは、1通の高断熱高気密住宅についての問い合わせメールを頂いたことからでした。
その後も何度かそういったメールのやりとりがありました。
敷地(左側)と接する鉄道の線路敷(右側)の様子
面 談
直接会って具体的に話を伺いたい、ということで、初めてお会いしました。
敷地が、電車の線路敷きに接しているので、音のことを気にされていること。
敷地と道路の間に水路があり、敷地が直接道路と接していないこと、などのお話を伺いました。
役所調査
建築基準法上、住宅を建てるには敷地は道路に2m以上接している必要があります。従って、住宅が建てられるかどう か、市役所で調査する必要がありました。市役所では建てられるかどうかの結果(法43条但し書き、建築審査会)が出るのに、約2カ月位かかるとの事でした。
スケッチ/基本設計
しかし、住宅を建てることは可能そうなので、その2カ月の間を利用して、計画を進める事にしました。早々に、間取り (平面)の検討(スケッチ)に入りました。
周辺環境・敷地調査
この敷地は、更地ではありましたが、1度も住宅を建てた事がありませんでしたので、水道、ガス、電気などが、引き込まれていませんでした。電気とガスは、近くまで配管が来ているなどで、引き込む為の費用は、掛かりませんでした。それに対して、水道は本管が前面道路には
無く、離れた所にある本管から、道路を掘削して引き込む事になる為、予想以上に費用が掛かりました。
更に、近くに川が流れているのですが、この近辺は比較的低地に属しており、地盤が良くないことも、分かってきました。1度も建物を建てたことがありません
でしたし、地盤についての正確な情報を得るため、地盤調査をする事にしました。
調査法方は、住宅地で多く用いられる、S,S(スウェーデン式サウンディング)試験です。
試験の結果は、やはり軟弱地盤に属するものであり、何らかの地盤補強が望ましいというものでした。
地盤補強の工法は、柱状改良体(ソイルセメントコラム工法)です。この地盤補強と水道の引き込みは、予定外の出来事でした。
この住宅の基本テーマ
この住宅の大きな特徴は、敷地条件とも深く関わることですが、電車の線路敷きに接していることから、防音性が求めら れたこと。音の関係から、窓を閉め切る事が多くなっても快適に生活できる、高断熱高気密住宅である点です。平面的には、寝室となる部屋は出来るだけ、線路
敷きから離した間取りとなっています。
さらに、日当たりと眺望を期待できる2階に家族が集う居間、食堂、台所を計画し、2階としたことで地面から離れた分、食堂と一体で連続する、ウッドデッキ
のルーフバルコニーを設けています。季節の良いときには、食堂や居間の延長として、気軽にアウトドアを楽しむことができます。
内観パース
2F台所、食堂、奥がウッドデッキのルーフバルコニー
役所の建築許可が下り、計画がGoとなる
計画が大分まとまってきた頃、この敷地に住宅が建てられる事が正式(法43条但し書き、建築審査会)に許可されました。
立面図
実施設計
その後、更に詳しく細部を詰めて行く、実施設計。そして確認申請と作業を進めました。
断面図-1
工事費の見積/相見積
実施設計ができあがると、正確な工事費を求めるために、工務店などに見積をお願いする事になります。
今回は、工務店数社に同時に見積をお願いする、相(あい)見積としました。この方法により、数社の中からより適正価格に近い工務店を選ぶ事ができます。
断面図-2
見積調整
これらの見積は、いつもの事ではありますが、実に悩ましいものです。出てくる金額が、こちらの予定価格を下回る事な ど、ほとんどありません。あえて開き直って言えば、1回目の見積金額は高く出てくるものです・・・。神でもないかぎり、熱い思いを盛り込んだ、アイデア
いっぱいの住宅が、予定価格に1回でぴたりと的中させることなどは、凡人の我々には到底出来るものではありません。(最近少し悟りを開いたようです)しか
し今までの悩ましい経験のおかげで、知恵やカンが働くようになり、2回の見積調整で、工事請負契約までこぎつけました。建主さんには、諦めて頂いた部分も
ありまして、内心は心苦しいというのが、正直な気持ちです。
最終工事金額の詳細は「松戸の家-3」→ページ>最後の「松戸の家/データ」参照
工事請負契約
工事請負契約は、私も同席して工務店で無事済ませる事ができました。地鎮祭も1週間後と決まり、いよいよ工事がス タートします。工期は5カ月、夏には完成予定です。建主さんは仮住まいへ引越があったりと、なかなか大変です。
模型写真