完成までの様子-2/松戸の家
高断熱高気密仕様
地鎮祭
地鎮祭は敷地の守護神を鎮め、工事の安全と建物の無事の完成を祈願するものです。
地元のの神主さんにお願いしまして、出席者は建主さんとそのご家族、工務店の方、そして設計者の私です。
式の中で建主さん、設計者、工務店の方にはそれぞれ異なった、ちょっとした役回りがあります。その役回りの意味は、3者が共に協力して、無事な建物の完成
を目指すということだと思います。この地鎮祭は建主さんにとっても大きな節目でしょうし、設計者としては、いよいよ工事がスタートするという、厳粛な気持
ちと、もし本当に地の神がいるとしたら、「どうぞ我々をお守り下さい」と願わずにはいられないのは、私だけではないでしょう。
地縄検査
建主さんに現地で、建物の位置を確認して頂く、地縄検査も地鎮祭と同時に行いました。
地縄検査で見る建物の大きさは、完成してから感じる大きさより、ずいぶん小さく見えるものですが、私もいつも不思議に感じます。建主さんにもそんな説明を
しておきました。
地盤補強工事
地盤の強度を補う為、直径60cm、長さ約5mの杭(正式には、柱状改良体と言います)を、30本近く打ちました。 建主さんの拘りや理解もあり、杭の業者は、数社から見積をとった中で、最も技術的に信頼できる会社に決めました。従って数社の見積の中では、1番高いとこ ろです。見えないところであっても、重要なところには、最善を尽くしたいという建主さんの姿勢には、設計者としてうれしくなりました。
根切工事
鉄筋コンクリートの基礎を作る為に、地面を掘ります。大半は機械で掘り、細かい所は手作業となります。
手前に小高く積まれている石は、割ぐり石です。土を掘った底面に、割ぐり石を敷き並べ、機械で締め固めます。
地盤の最も深いところで、住宅を支えてくれる大切な石です。
基礎配筋検査
基礎の形式は、住宅の下部全面で力を支えてくれる、ベタ基礎と呼ばれているものです。
周囲のうす青色の部分はポリスチレンフォームという断熱材です。基礎の外側で断熱をとる基礎断熱という方式になります。
基礎を貫通する、排水管や給水管は、あらかじめその部分のみ入れておいてから、コンクリートを打ちます。
コンクリート打設
コンクリート打設中の様子です。
基礎のコンクリートは、2回に分けて打ちます。
まず最初に、床状に平面の部分を作ります。
平面の部分のコンクリートを打設後、左官屋さんがころ合いを見て、後を追いかけて、金ごてで、 きれいに平らに仕上げて行きます。
コンクリート試験
運ばれてきたコンクリートが、所定の品質かどうか、検査します。試験結果はその場でも確認しますし、後日報告書として提出されます。
基礎コンクリートの2回目の打設後の様子です。
1回目に平面を打ち、2回目は立ち上がり部分を打ちます。
立ち上がり部分のコンクリートを打つときは、型枠で形を作り、その中にコンクリートを流し込みます。
コンクリートの中から突き出しているのが、後で木の土台を取り付けるための、アンカーボルトです。
基礎の型枠を外した様子です。きれいに基礎が完成しました。乾燥してくると割合白っぽく見えます。
ちょうど桜が満開の頃で、関係者の気持ちもなごみます。
土台取付
基礎の上に乗っている白っぽい木が12cm角(4寸角)の土台で、樹種は米ヒバです。土台はアンカーボルトで締め付けて、基礎と一体化させます。
この後の工程が、建物の全体の骨組みを組み上げる、建て前(上棟)です。鳶(とび)さんと棟梁(大工さん)が一体となって、クレーンで材料を吊り上げ、
手際よく組み上げて行きます。この様子は次回報告する予定です。