冬の鳥取砂丘シリーズ No.20
百円ライター
私が題名に百円ライターとしているところから見ても、これは百円ライターである。
ただ、この写真では解像度がイマイチで全くもってわからないが、このライターは韓国または北朝鮮から流れ着いたものである。
えっ?なぜそんなことが解るかって?
それはライターにハングル文字が書き込まれているからである。
だから正確には百円ライターではなく、○○ウォンライターである。韓国ではいったいいくらで売られているのだろう?
写真をお見せできないのが残念だが(おいおいだったらこの写真は何なのだ?)、もとい、よく分かる写真をお見せできないのが残念だが、ライターを見ると訳の解らないハングル文字の他に音楽記号のオタマジャクシのようなものも書かれている。おそらくどっかの飲み屋のライターなんだろう。カラオケスナックかな?
中身のガスは漏れたのか全て使われたのか、無くなっていた。
これは、どういった歴史を経て流れ着いたものだろう。そう思うとなかなかに面白い。韓国漁船の船員が船上から投げ捨てたものだろうか?
どんな船員が投げ捨てたものだろう?
以前にもこの砂丘の海岸を歩いていたら、とうてい海に浮かびそうもない大きな商業用の冷蔵庫が漂着していた事があった。
これはいったいどういった理由でどういった経路でもって流れ着いたのだろう。いつごろぐらいまで使われていたものだろう。これにはいったいどういった人が携わっていたのだろう・・・。
そう思うとなかなか興味深い。
ハングルは韓国や北朝鮮で使われている表音文字で、漢字のような意味を持つ文字と違って日本語でいう平仮名の様な文字らしい。なんでも母音が十一もあり、○だの+だの工だの卜だのが混ざったような摩訶不思議な文字である。私は子供の頃から不思議に思っていた。まるで未知の文字。
こう言っては韓国や北朝鮮の方に対して失礼だが、およそ文字には見えず宇宙人が使う暗号のように見えたものである。
子供の頃なんか知っている世界が狭いから、悪い大人がいて「これは地球を征服しに来た宇宙人が落としていったものだよ」とでも言われれば信じていたかも知れない。
尤も、その当時はハングル文字であるという知識もなく、もの心ついて物が分かってきた頃でもただ漠然と朝鮮の文字としての認識しかなかった。
この砂丘に限らず、日本海側の沿岸は韓国や北朝鮮やロシアと海を隔てて接しているため、ビーチコーミングが格別に楽しいものである。
1998/1/24 Toru Okajima