テレビ『宝引の辰捕者帳』ストーリィガイド


 平成7年3月から8月にかけてNHK金曜時代劇では泡坂妻夫原作の『宝引の辰捕者帳』
が放映された。原作はトリッキィな推理小説であるが、テレビでは、おそらく脚本家
の限界であろうか、本格ミステリの要素は姿を消し、代わってどこにでもあるテレビ
時代劇的な脚色がなされてしまった。また、時代考証においても首を傾げざるを得な
い場面が頻出した。こと原作との対比で見た場合、およそ感心できる出来映えではな
かったが、泡坂原作の時代小説がテレビで(それもシリーズとして)放映された意義
は大きい。
 テレビシリーズでは泡坂の『宝引の辰捕者帳』をメインとして、同じ作者の『夢裡
庵先生捕物帳』に登場する人物を含めた設定となっている。
 ここに掲載したのはテレビ『宝引の辰捕者帳』全21話のストーリィガイドである。
ガイドは、各話の題・原作・脚本・演出、続いてあらすじの紹介(原作が推理もので
あるので、結末部分は省略)、みどころ、原作との比較(原作のないものや不明なも
のについては感想)という構成をとっている。時代考証について気付いた部分は、原
作との比較の部分で述べている。
 テレビシリーズでは、最初に「金曜時代劇」のロゴが出て、ストーリィの発端部分、
続いてオープニングタイトルが現れ、本編という段取りとなっている。本ガイドでも
発端部分と本編を分けている。また、各エピソードでは事件解決の後にエピローグと
して辰の住む千両長屋のシーンがある。その時に辰(または家族)による川柳が詠ま
れる。川柳、前句、詠み人を放映データの項に記した。





『宝引の辰捕者帳』ストーリィガイド

  第一回 自来也小町
  第二回 雪の大菊
  第三回 雛の宵宮
  第四回 鬼女の鱗
  第五回 蒼い瞳の疑惑
  第六回 泥棒番付
  第七回 辰巳菩薩
  第八回 江戸桜小紋
  第九回 とんぼ玉秘聞
  第十回 南蛮うどん
 第十一回 かんどう息子
 第十二回 形見の宝刀
 第十三回 最期の願い
 第十四回 死者の調べ
 第十五回 謡幽霊
 第十六回 講釈連続殺人
 第十七回 伊万里の杯
 第十八回 毒を食らわば
 第十九回 メキシコ・ダラ
 第二十回 忍び半弓
  最終回 千両花嫁

『宝引の辰捕者帳』放映データ


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